
あいち健康プラザから健康に関するメールマガジンが定期配信されていて、目を通していますが、今回は気になる記事が載っていたので紹介します。
以下転載記事
☆ 健康あれ・これ 第87回
「 ビタミン、ミネラルなどのサプリメントが寿命に及ぼす影響は? 」
あいち健康の森健康科学総合センター長
あいち介護予防支援センター長 津下 一代
長期にビタミンなどのサプリメントを服用した人は死亡率がやや高い、とち
ょっとショッキングな研究成果が発表されました。(J Mursu,らの研
究. Arch Intern Med 2011;171(18):162
5-1633)。
銅、鉄、マグネシウム、亜鉛などのミネラル系サプリメント服用者では、服
用していない人に比べて、それぞれ45%、10%、8%、8%死亡率が高く
、葉酸、ビタミンB6、マルチビタミンなどのビタミン系サプリメントでは、
それぞれ15%、10%、6%、死亡率が高くなっていることを報告していま
す。それに対して、カルシウム、ビタミンC、ビタミンEは若干死亡率を低下
させる傾向にありますが、生活習慣等の要因を調整するとビタミンC、Eの効
果は明らかではなく、カルシウムだけが8%減少させる効果があったといいま
す。しかし、カルシウムについても飲みすぎた場合にはその効果が減弱してい
るとのことです。
この研究は、1986年に55歳~69歳の女性約4万人に対して、生活習
慣、15種類のサプリメントの摂取状況について調査、以降2008年まで2
0年間にわたり追跡調査を繰り返したものです。
白人女性を対象としているた
め、日本人とは体質や生活環境の違い、保健医療の状況が異なるため、この結
果を日本人にすぐに適応できるとは限りません。
しかし、この研究のサプリメント使用者は教育レベルが高く、糖尿病、高血
圧、喫煙率が低く、運動習慣がありといった、いわゆる健康関心層が多かった
ことが注目されます。
健康を気にするあまり、サプリメントを長期服用する人たち。しかし、その
効果は否定的だったということです。
この研究のほかにも、ビタミンEとビタミンCを8年間服用した場合、心筋
梗塞の発症や死亡を減らすことはできず、
ビタミンEは脳出血を増やす傾向に
あった(Sesso,HD.ら.JAMA2008)という報告や、カルシウ
ムサプリメントが動脈の石灰化を促進、血液を固まりやすくし、心筋梗塞を増
やし、死亡率を高める可能性があるという研究成果も、世界的に信頼度の高い
医学雑誌に掲載されています(Bolland MJ.ら.BMJ 2011
)。
このような点から、
サプリメントの長期的な服用については一考する必要が
ありそうです。
これまでも本コラムでは、富永先生、高橋先生がこの話題を取り上げておら
れますので、バックナンバーをご確認ください。
富永先生:健康食品とは(2005/7/16)、大豆イソフラボンの過剰
摂取に警告(2006/5/2)
高橋先生:がん患者さんの健康食品・サプリメントの摂取・服用(2008
/10/1)
健康食品は健康づくりに役に立ちますか?(2011/3/1)
一方、わが国では野菜や果物の摂取不足が指摘されています。野菜や果物を
食べる代わりに、手っ取り早くサプリメント、という人々が増え、日本人の3
割が毎日利用、過去の利用経験も含めると約8割が健康食品やサプリメントを
利用しているといいます。また、サプリメントの利用は大人だけでなく、高校
生、小学生、幼児にまで及んでおり(国立健康栄養研究所)、健康食品は年間
1.9兆円(2007年、新規産業レポート)に及んでいるということです。
ビタミン、ミネラルなどの栄養素は私たちの生命維持と健康には欠かせない
ものです。それを栄養素という「物質」として摂取するのではなく、野菜、果
物など生命そのものをいただくことがいかに重要なのか、研究が進むにつれて
改めて感じさせてくれます。
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ここで感じたことは、やはり、今まで長い間人々に親しまれてきた、自然のものを頂くことが一番体にいいという事を気付かせてくれる記事でした。
どちらかというとサプリメントを服用しているほうなので、今後、サプリはあくまで目的がある場合のみで常用しないこと心がけます。
健康に気を使って、寿命を縮めていたら、本末転倒ですから。
*タイトル写真は、何となく欲しくなったものをイメージ掲載しました。
Posted at 2011/11/02 01:59:50 | |
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