2014年02月01日
Ford Ecoboost のエンジンオイルについて考える
本日、エンジンオイルを交換したのですが、なぜカストロール指定なのか非常に興味があったのでネットで調べてみました。
クーガに指定されている、WSS-M2C948-BはFordのオイル規格で
1.0リットル3気筒のEcoBoostエンジン向けの規格で2012年1月より
開始された新しい規格です。
厳密に言うと1.0Lエコブースト専用というわけではなく、その他SIGMAや
I4 Duratecエンジンとも互換性があります。
しかし主な対象は1.0Lモデルとなり、1.0Lモデルに関してはWSS-M2C948-B
のみの指定となるようです。
【エコブースト】
エコブーストには1.0L直3、1.6L直4、2.0L直4、3.5LV6があり今回の
WSS-M2C948-Bは1.0Lに対応する規格となります。
1.0Lエコブーストエンジンの特徴としてバランサー(日産HR12DEと同様の手法)や
鋳鉄ブロック(暖気優先の為?)、エキマニ一体など色々ありますが、
個人的にはタイミングベルトを採用と言う点が興味深いです。
チェーン全盛の今の時代タイミングベルトと言うと退化したようにも思えますが
チェーンと同様に下の部分がオイルに浸かる湿式となっており、
静音性と良好な摩擦係数と共にチェーンと同様の耐久性を持っているそうです。
粘度は5W-20となり基本的にはACEA C2規格に準拠する部分が多いようですが、
ACEA C2はHTHS粘度2.9~3.5cPとxW-30が対象粘度となるため基本的には5W-20は含まれません。
つまり規格の概要としては粘度関連を除きC2規格レベルになると思われます。
また燃費試験はACEA規格のM111試験では小排気の直噴ターボである1Lエコブーストに適していないらしく
GF-5の方のシーケンスVIDの方が相関関係が高かったようです。
これらの関係でWSS-M2C948-BにはACEA C2に加えフォード独自の燃費測定とピストンデポジット量が含まれることとなります。
【規格内容】
一番の特徴は5W-20という粘度。
日本や北米では珍しくないのですが欧州ではそれほどメジャーな粘度では
ありません。
欧州では普及しているオイルでは低くてもxW-30でHTHS2.9以上のものが
殆どです(粘度的にはAPI/ILSACのxW-30と同等)。
例えばドイツ車の直噴ターボの場合ではHTHS3.5以上のACEA A3/B4の
xW-30(API/ILSACのxW-30より高めxW-40に近い)が最低粘度となり、
ドイツメーカーよりも低粘度を指定する欧州フォードでもエコブースト車の
指定規格としてはACEA A5/B5のxW-30でしたので5W-20は直噴ターボの規
格としてはかなり低粘度規格と言えます。
実際はWSS-M2C948-Bが出来る以前でもマニュアルでは1.6LエコブーストにCastrolとの共同開発の5W-20が使用できるとありましたが規格としては
存在しませんでした。
おそらくこの5W-20がWSS-M2C948-Bとなったと思われます。
北米では欧州よりも低粘度は進んでおりNA車両ではxW-20指定が多くあります
(日本と異なり5W-20が多い)。
ですが北米でのエコブースト車に関しては5W-30指定となっており、
このエコブースト用5W-20は北米でも低粘度といえます。
国内では直噴ターボ自体あまり多くありませんがマツダのDISIターボが
0W-20を指定していますので極端に低粘度というわけでもありません。
【WSS-M2C948-B規格オイルについて】
現在のところ、この規格のオイルは Castrol Magnatec Professional E 5W-20
のみのようです。
国内での入手は困難で並行もおそらく入ってこないと思われます。
つまり 現段階で純正以外でWSS-M2C948-B規格オイルの入手はほぼ不可能 となります。
Castrol以外にもFuchsから TOTAL QUARTZ 9000 FUTURE EcoB 5W-20
がFuchsから Fuchs TITAN Supersyn F Eco-B 5W-20 が出ているようです。
しかしながら、こちらも国内での入手は困難だと思われます。
【ACEA C2規格レベルオイル】
WSS-M2C948-Bオイルが必要だが手に入らない場合、取説では最低限A5/B5 5W-30を使用するようにとなっています。
また1.0L以外のエコターボはWSS-M2C913-Cも指定規格なのですが1.0Lは
WSS-M2C948-Bのみとなっています。
除外はされるもののメーカー規格に成るべく沿いたいという場合はこれらのフォード規格を使用しても良いと思いますが、これらの規格も国内では入手困難だと思います。
つまりA5/B5の5W-30が無難といえるでしょう。A5/B5に加えてWSS-M2C948-BがACEA C2ベースですのでC2規格であればより規格に近いと言えます。
C2規格は基本A5/B5規格ですので要求は十分満たします。
【まとめ】
以上のことから、純正以外で完全適合オイルを国内で手に入れるのはかなり
難しい状況であることがわかりました。
ですので、現時点では ACEA A5/B5の5W-30 のオイルを
使うのがベストと言うことになろうかと思います。
これに合うオイルで比較的手に入りやすいのは、
カストロール EDGE 5W-30
モービル モービル1 5W-30
SUNOCO(スノコ) オイル Svelt(スヴェルト) 5W-30
TOTAL Quarts-INEO ECS(トタル クォーツイネオ ECS) 5W30
TOP TEC 4300 5W-30 ― トップテック 4300
BARDAHL SynPulsar-M 5W-20
ご参考まで!!
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Posted at
2014/02/01 21:34:17
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