それでは引き続き装備品展示です。
ここからは主に豊川等春日井以外の駐屯地から展示に参加したものを哨戒します。

守山駐屯地から参加した第10化学防護隊の除染車3形です。
2500リットルの水槽と散布装置を搭載したもので、生物・化学兵器により汚染された地域の除染を行う装備です。

滋賀県今津駐屯地から参加した第10戦車大隊本部管理中隊の96式装輪装甲車です。
96式装輪装甲車は1996年に制式化された装輪式の装甲兵員輸送車で、主に普通科部隊に配備され敵の脅威があるような場所での人員輸送に使われます。
第10戦車大隊は普通科部隊ではありませんが、戦車に付随できる機動力をもっているため少数が配備されています。
第10戦車大隊はこのほかに74式戦車が体験搭乗のために参加しています。

こちらは豊川駐屯地より参加した第6施設群第371施設中隊の75式ドーザです。
75式ドーザは昭和50年に制式化された装甲ブルドーザで、小銃等から乗員を守る装甲と中型ブルドーザと同等の作業性をもったブルドーザです。
カンボディアPKOでは大活躍しています。
豊川に第6施設群、ここ春日井に第10施設大隊と2つ工兵部隊がありますが、これは部隊の編成が全く違うためです。
第6施設群は第4施設団隷下ですがこれは中部方面隊に対する工兵支援をする部隊で、第10施設大隊は第10師団に対する工兵支援を行う部隊です。
方面隊(軍)全体を行う支援と師団個々の支援を行うという任務の違いがあります。

豊川駐屯地から参加した第10高射特科大隊第2中隊の81式短距離地対空誘導弾発射機です。
第10高射特科大隊は第10師団に対する野戦防空を担当する部隊です。

81式短距離地対空誘導弾(SAM-1)の模擬弾です。
81式短SAMは昭和56年に制式化された国産の短距離地対空誘導弾で赤外線パッシブ誘導方式の地対空ミサイルです。
現在この短SAMを改良した81式短距離地対空誘導弾(C)と呼ばれる改良型の配備もすすめられつつあるようです。
こちらは”電波弾”と呼ばれるアクティブレーダー誘導方式と”光波弾”と呼ばれる赤外線・可視光画像誘導方式の2つのタイプのミサイルがあります。

豊川駐屯地から参加した第10高射特科大隊第1中隊の93式近距離地対空誘導弾発射機です。
93式近SAMは高射機関砲L90の後継として配備された近距離対空戦闘用の地対空ミサイルでSAM-3と呼ばれています。
ミサイル発射機個人携帯式の地対空誘導弾91式携帯地対空誘導弾(SAM-2)の発射機を用いたもので発射機と赤外線・光学照準装置を高機動車に載せたものです。
このほか豊川駐屯地からは155ミリりゅう弾砲FH70や120ミリ迫撃砲RLなどが展示されていました。
ここからは車両ではなく火器を紹介していきます。

87式対戦車誘導弾です。
昭和62年に制式化された国産の対戦車ミサイルで”中MAT”と呼ばれています。
レーザ光を目標に照射してそれをたどって突入していくシステムとなっています。

これは91式携帯地対空誘導弾(SAM-2)です。
携帯できる地対空ミサイルでスティンガの後継として平成4年度より部隊配備がはじまりました。
誘導方式は画像+赤外線誘導方式となっていて、目標を「イメージ」として捉えることが出来るようです。

こちらは01式軽対戦車誘導弾です。
84ミリ無反動砲の後継として導入されたもので、従来の無反動砲や対戦車ロケットランチャ、対戦車ミサイルと違って発射機後方へのブラストが小さいため狭い家屋やトーチカ等からも発射できるようになっています。
”LMAT”又は”軽MAT”と呼ばれるこのミサイルは誘導方式をそれまでの発射機側の誘導装置で有線やレーザーなどで命中まで誘導をし続けていたのに対して赤外線画像誘導システムを採用しています。
そのため撃ちっぱなしが可能で射手の安全性を向上させました。
また弾頭はタンデム弾頭を装備しているためリアクティブアーマー(反応装甲)に対しても有効な打撃を与えられるとされています。

こちらは12.7ミリ機関銃M2です。
戦車や装甲車等の車両から、又は三脚を立てて地上に接地して射撃を行います。
米軍での制式採用は昭和8年といいますから実に70年もの間現役というすぐれた重機関銃で、航空機搭載型としてはF-86戦闘機はこれを機首に6丁装備していました。

こちらは84ミリ無反動砲。
”カールグスタフ”と呼ばれスゥエーデンから導入された無反動砲で対戦車砲弾のほか発煙弾、照明弾、対人りゅう弾などさまざまな砲弾を発射できるのが特徴です。

こちらは5.56ミリ機関銃MINIMIです。
62式7.62ミリ機関銃の後継として導入されたものでベルギーのFN社が開発をしたものです。
分隊支援火器として世界中で採用されています。

こちらは64式7.62ミリ小銃。
昭和39年に仮制式になった国産の自動小銃で、命中精度が良好なため照準機をつけて64式狙撃銃としても用いられています。

陸上自衛隊の主力火器といえばこの89式5.56ミリ小銃です。
64式小銃の後継として平成元年度から取得が開始されました。
64式小銃に比べ発射速度(64式の500発/分に対して850発/分)と軽量化(64式の4.4kgに対して3.5kg)が向上しています。
その1へ/
その2へ/
その3へ/
その5へ/
その6へ