前編からの続きです。
ではここからは見所&つっこみどころを。
繰り返しますが、西部警察SPECIALは大好きな作品のひとつです。
大好きだからこそマイナス点も大きく感じるものです。
そこのところをご理解願います。
今回の西部警察SPECIAL、実はオープニングで「あれ?」と思ってたんです。
気がつきました?
この傑作選で流れたSPECIALはオープニングが放送当時やDVD収録版とかなり変わってたんですよ。
細かいところだと宮崎シーガイヤのなどの企業ロゴや冒頭のニューヨークのシーンでは「ニューヨーク2003年(放送当時は2003年とははいってなかった)」となるなど細かなチューニング、時間の関係上の一部カット(西部署前で高級スポーツカーのパトカーが出動するシーンや、警視庁の会議では東シナ海の不審船や薬物の押収の映像などがバッサリ)がされてます。
またホテルでの銃撃戦~テロリストが逃亡するシーンではなぜかBGMが消えていたり、その後のパトカーが敵にふりまわされてるシーンでは別のBGMにかわってます。
なぜ?
大門が課長役で登場しますが、PARTⅢ最終回で殉職したのでは?
という人も多いですが、PARTⅠとPARTⅡ/Ⅲではかなり異なる(妹別人ですし、住んでる家も違いますしね)ので、PARTⅢからの続きというよりはPARTⅠからの続きといえるかもしれません。
つまり殉職した大門はPARTⅢであって、PARTⅠの大門は殉職してないと。
【ストーリー】
2003年ニューヨーク。
警視庁から派遣されていた橘刑事と同僚のボブは麻薬組織の男から新美の情報をつかんだ。
その頃西部署の鳩村刑事たちもまた、国際テロ組織の情報をつかむため新美を追っていた。
鳩村と橘が新美の逮捕に向かうが、このときボブは射殺されてしまう。
旅券法違反で日本に連行してきた新美だが、実は元警視庁のキャリアで国際テロリストと深い関係があったのだ。国際対テロ会議が宮崎で開かれることになったが、ブラックホークと名乗るテロ集団が会場に乗り込んできた・・・
【見所&つっこみどころ】
見所は新旧の西部警察との対比、そしてなんといってもアクションです。
各所に出てくる旧西部警察を意識したシーンが登場しますがそれを一つ一つ見ていくのはやはり楽しみ方のひとつです。
大門と日下が訪れる店の名前は「コーナーラウンジ」。
マスターの朝比奈から藍子ママにかわってしまいましたが、旧作を髣髴とさせる設定が数多くあるのは嬉しいですね。
もちろん「大門」「鳩村」は健在ですし、「軍団」「団長」という言葉も健在です。
パトカーではモノクラフトGT300やタモーラ、タスカンなどの”特殊車両”のサイレンはマシンRSとほぼ同じもの!
これは燃えます。
また旧作に対するオマージュと思われるシーンも数多くみられます。
スズキマコトが要塞内でクラシックを聞くシーンはたぶんPARTⅢ最終回「大門死す!男たちよ永遠に・・・」の藤崎が大音量でワルキューレを聞くシーンのオマージュでしょう。
テログループとの戦いを前に警察バッジを鳩村に差し出すシーンはやはりPARTⅢ最終回で警察手帳を大門に差し出すシーンを彷彿とさせます。
宮崎に降り立つ鳩村団長はヘリコプターで登場ですが、やはり旧作の大門登場シーンを思い浮かべますし、特殊パトカーはわざわざ東京から陸路で宮崎にもってくるなど、旧作の雰囲気をそのままもってきてます。
もちろん西部警察でおなじみの企業PRも健在です。
宮崎シーガイヤではちゃんと
「これは東京ドーム60個分の広さです」「立地条件や自然環境などリゾート地としては理想的で、世界に誇れるものです」
しっかりPRです(^^)
警察上層部が新美(兄)の釈放を頑なに拒んでも大門課長があっさり釈放させてしまうなど、一警察署の課長では絶対に出来ないことをやってしまうのも木暮課長ゆずりですね。
ただし、木暮課長のように謎の権力で本庁を説き伏せるのではなく現場と本庁の間で悩むという立場から独断による超法規的措置という形を取っています。
これはやはり西部警察PARTⅢ最終回で大門軍団が現金輸送車を襲ったり、木暮課長が上層部に問い詰められながらも犯人のアジトの場所を大門に伝えるシーンを彷彿とさせます。
西部警察といえばアクション!
アクションのほうは非常に迫力あるものです。
ちなみにメイキング映像では使用した車両120台、破壊したパトカー50台、発射された弾丸15000発、銃器100丁、火薬100キログラム、ガソリン10000リットル、エキストラ1000人、なんだそうです。
アクションは本気すぎです!
中盤の爆弾が仕掛けられたバスを追いかけるシーンでは高級スポーツカーの特殊パトカーがバスを囲んで宮崎市内を爆走しますが、途中でパトカーがスリップしたり、かなりスリリングなものです。
そして見せ場のバス爆発!
徳重くんのすぐ背後を本物の爆焔がせまっています。
チャチなCGの爆発とは違う、「本気」の爆破シーンは圧巻です。
なんでもドラム缶3本分のガソリンを使ったのだとか・・・・
ちなみにバスをパトカーと一緒に消防車が追いかけていますが、この消防車、石原プロの自前です(笑)
消防車を自前で持つプロダクションはあまりないでしょう。
シーガイヤでの大型クロカンとパトカーの壮絶なカーチェイスや銃撃戦、格闘戦は大変すばらしい。
(一部BGMや演出のおかげで台無しになる部分がありましたが)
派手な銃撃戦はやはり西部警察ならではですね。
個人的にはオートマチック拳銃よりリボルバーのほうが西部警察らしさがあると思いますが、これは好みの問題かな?
クライマックスの採掘場のシーンではギャランのパトカーが横転しながら爆発してましたが、これジャンピングロールオーバーと呼ばれる技なんだそうです。
日本初の試みなんだとか・・・すごいです。
崖に転落しながらパトカーが爆発したり、爆発の勢いで何度も横転したり、もはや芸術でしょう。
格闘のシーンでもかなり「本気」です。
特に印象的なのが三上刑事で、数メートルもの高さに積み上げられた先席上の石の山で格闘しながら滑り落ちるという離れ業をやってます。
スタントマンじゃなく本人ですよ。
本気すぎです。
また、鳩村団長(舘ひろし)とスズキマコト(神田正輝)との壮絶な格闘戦もみものです。
この石原プロの2大スターの格闘シーンなんてまず見られませんよ。
これはかっこいい!
テロリストの親玉を神田正輝が演じるのですが、どちらかといえば「やさしい」というイメージが強かった神田さんがものすごく冷血な凶悪テロリストを熱演されます。
西部警察初登場の神田さんの演技も要チェックですよ♪
鳩村団長のキメセリフ「その地獄行きの列車とやらはお前が乗るんだ」はムチャクチャかっこいい!
ラストは謎の要塞大爆発ですが、この爆発は西部警察史上最大規模です。
「石原プロの本気」を感じましたね。
見事です。
またアクション以外のシーンではラストに日下警視正の警察葬を行うのですが、大門が警察の制服を着ています。
大門の制服姿は旧作含めても警察手帳の写真以外ではこのシーンだけなので大変貴重です。
ではつっこみを。
・車の中で新美を張る鳩村刑事と橘刑事。
車にナンバープレートがついてない。
・テロリストの車がホテルのロビーに突入!
その後、新美(兄)を奪取して逃亡しますが、いつのまにか車の向きが変わってる。
※これはメイキングの特典DVDで指摘されてました。
・シーガイヤに降り立つ鳩村団長!
向かったのは対策本部ではなくなぜかホテルの1室。
(たぶん対策本部なんかないんだろうなぁ・・・)
・日本を震撼させる大テロ事件なのに、本庁でもなく宮崎県警でもなく、一所轄でしかない西部署が犯人との交渉にあたる!・・・えええつ?(しかも今回は本庁がテロ事件を西部署が対応するようにしてる)
・テロリスト「敵は西部署を前面にたててきました」
なぜ西部署だって知ってる?
・(さらにテロリスト)「予想の範囲です」
既にこの世界では重大事件は西部署が管轄関係ナシで動くのがデフォのようです・・・(^^;
・警視庁官房長と大門課長がテロ対策について話し合うシーンではなぜか車内。
本庁でやらないの?
・カーナビの番号を手がかりに爆弾テロの情報をつかもうとする鳩村軍団!
当時から19年たった今もオートバックスで聞き込みだ!
もちろん長重要な手がかりを入手できるぞ!
・オートバックスの聞き込みで犯人の一人がスピード違反を起こしているという情報をつかんだ橘刑事たち!
スピード違反なんて1日に何件もあるのにどうやって特定を・・・・
・爆弾犯の特定ができたのはいいとして、どうやって居場所を突き止めたんだろう・・・・
・追い詰められて飛び降り自殺した犯人。
見事に高級外車パトカーとパトカーの間に被害がないように墜落してます。
・爆弾が仕掛けられたバスを追いかける警察車両!
なぜその中に機動隊指揮車がいるんだろう?
・さらに消防車までバス追跡に参加。
。。。何のために?(消火のためとしても屈折はしご消防車だから水タンクつんでないんじゃ・・・)
・さらに機動隊の輸送マイクロバスまで参加!
あれ?機動隊指揮車はどこにいった?
・爆弾爆発まで時間がない!
「早く出ろ!」「橘!!」「何やってるんだ!」
悲鳴にも近い叫び声ですが、確かに何で橘刑事はあんなにギリギリまで走ってるんだろう・・・
(一度周囲には何もない広場や港の岸壁を通ってる)
・テロリストの新美(兄)釈放要求は本庁から拒絶。
もう手も足も出ない!どうする鳩村団長?
悩む鳩村が会議ホールの電気がついてないのに、次のシーンではシャンデリアの明かりがついてる。
自分でつけた?(^^;
・そういえばホテルに突入してきたテロリストの車は大型クロカンが3台だったはず。
その割りに明らかにテロリストの数が多い。
何人乗ってたんだ。。。。。
・シーガイヤから逃亡したテロリスト。
逃げ込んだのは日向市(劇中では日向市とはアナウンスされてないですが)の採石場。
何キロあるんだ・・・・
・テロリストを追跡中のパトカーが無反動砲をくらって大横転!
なぜかバックにどっかのおっさんが映りこんでて、しかもひっかかってコケてる。
。。。。あんた誰?(汗)
・カーフェリーに仕掛けられた時限爆弾は周囲を赤外線ビームで囲ってあって遮断されると作動する恐るべき精巧なシステム。
でも処理は信管に万年筆を差し込んでおしまい。
この差が激しすぎ(^^;
・敵の要塞は黒く塗られた巨大な建物。
内部には炭酸ガスが噴出す全くもって目的不明の建物だ。
(メイキング特典DVDより)
・要塞の中身から考えてかなり準備を要したと思われるが、採石場に作ったのだから絶対に事前にバレて通報されると思う。
・敵の要塞が大爆発!
鳩村団長にかけよる坂東刑事「舘さ~ん!」
えええええええ?「だんちょー!」でも「はとむらさーん!」でもなく「舘さ~ん?」
ええええええ?
よかった、やはり西部警察テイストは全く色あせてません!(^^)
ちなみにこのレヴューは前編後編合計7553文字でした。
すさまじく読みにくいよ・・・・反省orz
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