セブン・イヤーズ・イン・チベット
それは自分の心に残る良い映画のひとつ。
チベット そこは険しい山々と高原に囲まれた美しい風土と美しい心を持つ人々が暮す国。
「独立主権国」として存在していたチベットを清国の滅亡以来、中国歴代政権は「中国の一部分だ。」と主張を強めて行く。
独立国を主張するチベット政府に対し中華民国政府は圧力を掛け続けていたが、軍閥混戦と対日戦の対応に追われて本格的な軍事侵攻は行なわなかった。
日米開戦前、米英に経済封鎖され苦しむ日本国民に「同じ仏教国の人々が苦しい思いをしている」とチベット政府から大量の羊毛と共に暖かいチベット国民の善意が送られて来た。
また大戦中もチベット政府は一貫して中立を守り、日本との国交は変わらず続けられた。
これは不安定なアジアの辺境にある経済的にも貧しい小さな国が簡単に出来る事ではない。
ルーズベルト大統領はチベットに特使を送り、連合軍のヒマラヤ越え 援蒋チベット・ルートの通行を強行に迫ったが、先代のダライ・ラマ13世は要求に応じず中立を貫き徹した。
しかし、この真直ぐに理想主義を徹した外交が後にチベット国に悲劇を齎す結果となる。
1949年 大戦後、国共内戦で蒋介石の率いる国民党政府を破り、社会主義国家を樹立した毛沢東の中国共産党は「チベットは中国の一部分である」と歴代政権の主張を踏襲して独立主権国だったチベット全土の侵略を目指して武力侵攻の準備を開始した。
1950年 中国共産党は「チベット人を外国の帝国主義者より解放する為に進軍する。」と一方的に宣言して人民解放軍に軍事行動を発動。
中国は宣戦布告も無く軍を越境させチベットを急襲、武力制圧後に自治区を強行設置した。
中国共産党はチベット国民に対して残忍な弾圧や虐殺を繰り返し抑圧支配を続け更には漢民族の入植を故意に実行する。
2002年の段階でのチベット自治区の人口比はチベット族 91%、漢族 6%であったが、現在ではチベットに於ける漢人とチベット人の人口比率は逆転したと言われている。
今後、中共政府は国際社会からの非難とチベット人の抵抗を抑える為に弾圧に加えて思想教育や漢語教育を強要しながらインフラ整備や産業開発を進め雇用賃金を与えチベット人を洗脳同化していく。
今回の若い僧侶や市民が漢族の店や車を襲う映像は一見、ただの暴徒の様にも見える。
しかし長い間の弾圧や虐殺を知ればチベットの人々の行動も理解できる。
また少ない情報や映像の中には中国共産党政府によるヤラせも多く有る。
何故、今このタイミングでチベットの人々は暴れたのか?と思う人もいるだろう。
チベットの人々は既に何十年もの間、弾圧に耐え経済的にも搾取されて来た。
最近、チベット弾圧虐殺の張本人である胡錦涛が全人代で国家主席に再任され北京オリンピックを前に経済的に急成長する中国に世界の注目が集まっている。
今が世の中の目をチベットにも向けさせて「助けを求める最後の機会。」と、弱いなりにもチベットの人々は考え行動したと思う。
今は戦後間もない1950年代ではなく21世紀だが2008年の現在でも中国共産党政府は丸腰や棒で抵抗する人々を自動小銃や装甲車で制圧しながら「今回の暴動は一部の過激派や不満分子に拠る単なるストライキの過熱だ、チベットは平穏である。」と報道している。
中共政府は外国の報道機関を締め出し情報を隠蔽し、漢民族の被害者の声だけを繰り返し流して見せたくない映像を差し替え政府に都合良く編集して外国だけではなく自国人民までも騙している。
中共政府に疚しいことが無いなら、封鎖を解除してダライ・ラマ14世が言われるように国連の調査団でも人権弁務官でも堂々と受け入れるべきだ。
信仰心が厚く純朴で優しいチベットの人達が中国共産党の圧制と差別の苦しみから早く解放されて経済的にも搾取される事なく、誰でも自由に思想や宗教を選択でき、チベットの人々自らが自分達の国を本当に自治できる日が早く来る様に自分は心から願う。
ここ数年、中共は日本からの莫大な額のODAをビジネスや軍事目的に転用している。
東欧やアジア、特に貧しいアフリカの第三世界へは中国からの援助と称して中国製の武器の配備を拡げて発展途上国の政治戦略的同盟化を進め覇権拡大と資源搾取に利用している。
日々、軍事経済大国へと成長する中国に日本政府は何も言わずに多額のODAを続け、日本が幾ら援助しても中国政府は自国民に知らせるどころか未だ意図的に反日教育をやっている。
中国に対する外交戦略やODAの方法を考え直し、貧困や内戦、病気に日々の食料、飲み水にすら困っているアフリカ諸国、アジアの後進国にODAや自立支援は日本政府から直接行うべきである。
貧しいながら地下資源が豊富なアンゴラの長期内戦の復興に中国からの多額の援助申し込みは、中国企業の利益と地下資源独占し吸上げを狙ったものだと自分は確信している。
これから中共は貧しい地域にある他国の有事や災害発生の際に国連決議の有無に関係なく援助の名の元に覇権拡大や資源確保の為に世界中に人民解放軍を派遣する様にもなる。
また、ロビー活動や他国の政権与党や野党の政治家にも接近し工作活動を活発にし世界中に反米反日親中政権を作ろうと力と金を注いで来るだろう。
1970年代に東シナ海で大量の天然資源が発見されると中国政府は日本の尖閣諸島の領有権を突然、主張をし始め、東シナ海の海底ガス田では日中中間線を割って勝手に採掘を進め沖ノ鳥島付近の資源も狙って排他的経済水域は設定出来ないと主張している。
最近では中国海軍の漢級攻撃型原潜が日本の領海を侵犯しながら浅海域や海底ルート調査を行い、東シナ海の米海軍ソナー網や詳細な海洋データを蓄積し、経済的にも余裕が出て来た中国は次々と軍備を拡張し兵器の近代化を押し進め、特に海軍力を急激に増強させてる。
これまで沿海海軍に過ぎなかった中国海軍は外洋志向を持ち始め、米国に対し太平洋を分割して西側を中国が管理することを提案し西太平洋の制海権をも狙っている事を証明した。
中国は近い将来に南シナ海だけではなく経済・軍事力を整えた彼らは常套手段である調査や漁業を装い、日本に対し南沙諸島の同様に東シナ海・尖閣諸島でも必ず仕掛けて来る。
日本はその時に備え、法整備と海上保安庁の装備充実、また陸海空自衛隊による尖閣を含む南西諸島の防衛強化を急ぐべきである。
先ずは侵入、少しづつ占領して後は国内問題、内政干渉だと突っぱねるのが中共流。
古来、オリンピックは国家の権威と成功を見せ付けたい政府ほど開催したがる。
これまでも国家の宣伝に利用されて来たオリンピック。
参加する選手の練習や努力を思うとスポーツと政治とは切り離して考えたいが、人命や人権侵害は無視できない。
平和の祭典であるオリンピックは少なくとも内戦や民族問題に人権侵害が行われている様な国での開催はIOCも認めるべきではなく、現在の中国での五輪開催は時期尚早だ。
世界中の誰もが何も言わず中共の弾圧行動を黙認すれば、チベットやウイグルの人々を初め少数民族は苦しみ続け、これを機に中国は他国に対しても益々横暴な国になって行く。
このままの状態で北京オリンピックが何も起らずに開催されると思わないが、何が起っても辛い思いをするのは共産党中央ではなく、いつも地方の貧しい人達だ。
昨日、陝西省西安から来ている政府の役人(彼も共産党員)と中国の経済問題を話してチベットの問題も話した。
彼は「ラサは平穏、日本で流れてるTV映像は捏造されたものでダライ・ラマは大嘘つきのテロリストの首謀者で世界中を騙している」と、力説し何の疑いも無く信じきっていた。
また彼に曰く「チベットは昔から中国の領土で人民解放軍が奴隷だったチベット人民を解放し、今では自治区の皆が裕福になって大変喜んでいる。」そうだ。
情けない事だが、日本の政治家の中には彼と同じ考えを主張する左巻き国会議員がいる。
2時間以上、歴史事実について色々話したが全く聞く耳を持たず彼の洗脳は解けずじまい。
何とか中国人民の貧富差に毒餃子と尖閣諸島の日本の領有は渋々認めたが・・・
「チベットと台湾は絶対に手放さない」と一地方役人にしか過ぎない彼が最後まで頑固に主張した。
当然、天安門事件・・・何それ?状態で西側に拠るプロパガンダとしか思っていない。
公務員の彼でもやはり日本から中国へのODAや援助の事などは殆ど知らず、中国の高速鉄道への日本やドイツの技術協力は知るどころか中国独自の開発で日本の新幹線より速い!と自慢した。
恐るべし煽動洗脳、嘘つきは泥棒と共産主義、圧制の始まり。
ソフトやハードの技術不足は勿論の事、人命を軽視する現在の中国に安全を最優先で考えねばならない超高速鉄道の運行は危険極まりない。
チベットやダライ・ラマ関連の情報は天安門事件と同様に中国国内ではアクセスできない様に統制されているばかりか最近は、日本語版
Wikipediaまで、荒らされている。
幾ら中共政府が情報統制しても14億人民を何時までもコントロールし続けるのは不可能。
やがて人民の様々な不満を抑制出来ずに覚醒する事は必至で、時の政府の対応が問題。
仏教徒であるチベット人達は温厚であるが、イスラム教徒であるウイグル人は戦闘民族。
必ずウイグルでも反政府運動は起り人民解放軍や武警が抑え一般市民まで収容所に送る。
台湾人や英国に統治され自由と民主主義を謳歌した香港人は北京とは根本的に思想が違う。
97年に英国から共産党独裁国に返還された香港人も言論や報道の自由は必ず奪われる。
一国二制度は香港・マカオの資本と企業の流出や住民の亡命を抑える為に吐いた大嘘だ。
中共は地勢的にも重要な台湾には経済的にも軍事的にも必ず大きな圧力を掛けて来る。
他国の政府や自国の人民を騙し、嘘を吐くのが共産主義者の生態で共産党の本領でもある。
経済的に豊かになれば中国は見せ掛けではなく本当に開かれた国になるのか?
答えはNoだ。
各地で小さな天安門事件が再現され中国共産党は自国人民の不満を国外に向ける。
あれは自分が小学生の頃・・・・・
中華人民共和国製パンダの絵の紙箱に入ったスグ折れるクレヨンや書けない鉛筆と絵の具、消せない消しゴムなどを「日中友好・国際協力」と言われ学校でよく買わされた。
左翼や日教組が言う人権とは一体なんだ?
弾圧され処刑されるチベット、ウイグルの人達を見ろ。
田中角栄と周恩来。
あの時の人民服の温厚な隣人達は一体、何処へ行ってしまったのか。
お金が出来ると人は変わり政策も横暴に変わって行く物。
時が経てば中国本土の人達も自国の横暴や国際協調協力の重要性に気付く事になる。
台湾や香港、地元の華僑の方、大連の海運会社の人達、沢山良い達もいるだけに残念だ。
中国共産党は人民解放軍坊主部隊に僧侶コスプレまでやらして捏造報道するな。
成り済まし捏ち上げ挑発、情報統制は先軍独裁の常套手段。
だが自然が起す災害や人為的代事故、人の心は、国家の思想や武力では統制出来ない。
この地域に変化が必ず起こり、これから数年間は世界も注目する事になると自分は思う。
「金持ち喧嘩せず。」と言う言葉があるが、中華思想の中国には当てはまらない。
共産党一党独裁の中国は経済的に豊かになればなる程、軍事力による覇権拡大を画策する。
繰返すが近い将来に間違いなく中共は本気で南シナ海、東シナ海、尖閣諸島を盗りに来る。
北京五輪終了後から、アジア諸国の領土領海への侵犯を故意に仕掛けて来るはずだ。
日本は沖縄をチベットやウイグルにさせてはいけない。
日本と国際社会は巨大な中国人口市場の誘惑に負けることなく、チベットとウイグルの人々の苦難を忘れず抗議と支援をしていかなければならない。
チャイナリスク。 災厄は中国から・・・
次の冷戦、日米を始めとする自由主義圏を脅かすのは共産主義の皮を被る中華帝國に民主主義の皮を被るロシア帝國。
先軍一党独裁で人権弾圧を続ける中朝露は事が起れば核や生物化学兵器を躊躇なく使う。
欧米・アジア諸国・日本政府、政冶指導者は中国との経済利益に惑わされず、賢明に中国共産党の謀略と行動を監視警戒すべき。と警告する。
中国の侵攻で100万のチベットの民が死に、 6000の僧院が破壊された。
若きダライ・ラマ14世とオーストリア人の登山家ハインリッヒ・ハラーとの心温まる交流とチベットの苦難の実話を映画いている
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」は素晴らしい作品である。
1959年 ダライ・ラマ14世はインドに亡命し、後も中国との和平に努力して1989年にはノーベル平和賞を受賞した。