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2014年12月10日 イイね!

燃費(電費)を決める要因 2.車内機器の節電 1)ヒーターホースの熱漏えい

初期型リーフの車体は断熱性が低い。
それはエンジニアが、排熱が大量にあるガソリン車の感覚から脱しきれていないことが一因だと思われます。
EVの航続距離に暖房エネルギーは甚大な影響を及ぼすのだから、MC後のリーフでもまだまだ不十分です。

車体の断熱が不十分なのだから、ヒーターも同様です。
ヒーターホースは汎用品なので、貴重な電力を使って加熱した温水から熱が漏れてしまっている。

どのくらい漏れているのか試算しました。
正確に計算するのは大変なので、概略式を用いました。※1

外気温マイナス5℃、PTCヒーター水温が70℃の時、ヒーター装置から漏れている熱は約200Wになります。
もし、12mmの保温材で包むと漏れる熱を75Wに下げることができます。

保温不足で125Wのエネルギーを無駄にしていることをリーフを開発したエンジニアたちはどう考えたのだろうか。
たかが125Wの削減と軽く考えてしまったのか、そもそも熱漏えいを考慮せずに汎用部品を使っているのか。

暖房を使わずに走っているリーフの車内機器消費電力は7Wh/km程度です。
100kmを目安に充電するなら700Whが車内機器で消費されます。
この距離を3時間で走行する場合、ホースからの熱損失は375Whです。
車内機器消費電力の半分以上に相当するエネルギーを捨てていることになります。

ヒーターが作動してからリザーバータンクを触ると熱くなっているので、熱が漏れていることを実感できます。
ホースの断熱方法は、こちらを参考にしてください。


《注記》
リーフに搭載されている温水PTCヒーターは、作動すると常に一定の温度を保つ特性なので熱損失量も一定になると推測できます。


※1
Q=2・円周率・Δt/(1/(d0α1)+(1/λ1)・ln(d1/d0)+(1/λ2)・ln(d2/d1)+1/(d2α0))
ここに
Q:熱損失[W/m]
ln:自然対数
Δt:温度差(水温-外気温)
d0:管内径[m]、d1:管外径[m]、d2:保温外径[m]
α1:管内面の表面熱伝達率[W/(m2・℃)]
α0:保温材外面の表面熱伝達率[W/(m2・℃)]
λ1:配管の熱伝達率[W/(m・℃)]、λ2:保温材の熱伝達率[W/(m・℃)]

Posted at 2014/12/10 06:53:36 | コメント(1) | トラックバック(0) | リーフ | クルマ
2014年12月09日 イイね!

燃費(電費)を決める要因 2.車内機器

自動車が走るために必要なエネルギー効率を一般的には燃費、EVでは電費と称しますが、その仕組みについてEV電力消費シミュレーターの開発で得られた情報を自分なりにまとめようと思います。
第二回は、車内機器負荷の概要から。

-----------------------
自動車を走行させるには、
・冷暖房、曇り止め
・制御機器
・照明装置
・充放電(回生ブレーキ含む)
などで電気エネルギーが消費され、電費に影響します。

第一回シリーズの「走行抵抗編」では、ガソリン車の燃費とEVの電費は共通していましたが、「車内機器編」では明確に違いがあります。
特に、暖房と充放電はEVならではのエネルギーの使い方となっています。

・冷房:家庭用のクーラーと同じ作用で空気を冷やして車内の温度を下げます。
・暖房:ヒートポンプエアコンを用いる方式とヒーターで加熱する方式、両方式の併用があります。温風を噴き出して車内の温度を上げます。
・曇り止め:主にフロント窓ガラスの室内側の曇りを取り除くために、乾いた暖かい空気を吹き付けて結露を防止します。相対湿度を下げるためにヒーターによる加熱、エアコンによる除湿でエネルギーを消費します。

・制御機器:電気自動車は動く電気製品なので、あらゆる動作を電子制御することにより電力を消費します。フロントパネル廻りだけでもメーター、ナビゲーションなど多様です。
・照明機器:夜間に路面を照らす前照灯や安全走行を助ける方向指示器、車の視認性を高めるポジションランプなどの各種の照明装置
・充放電:走行用バッテリーや制御機器用12Vバッテリーに蓄電する際に充電効率によってエネルギーロスが生まれます。蓄電された電力をモーターで利用する際にも変電や放電の過程でエネルギーが消費されます。

前回シリーズの走行抵抗とは事情が異なり、車内機器の消費エネルギー特性のほとんどがブラックボックス化されてユーザーは知る機会が与えられていません。
一方で車内機器のエネルギー消費量はEVの航続可能距離に大きく影響します。
ブラックボックス化されたエネルギーの使い方を実車の走行データーなどからどこまで解析できるか疑問ですが、シミュレーター開発の過程で気が付いたところを紹介していこうと思います。
Posted at 2014/12/09 07:17:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | EV | クルマ
2014年12月08日 イイね!

エアコンを使いこなす5 PTCヒーターの利点

リーフはマイナーチェンジでエアコン暖房がヒートポンプに変更になりました。

都会に暮らしている人や、冬でも温暖な地域で乗っているとヒートポンプによる節電の効果は大きいと思いますが、寒冷地ではそうでもありません。
使い方にもよりますが、例えば子どもを駅に送迎する場合だとMC前が装備している温水PTCヒーターの方がバッテリーの節電になります。

充電ケーブルを接続してタイマーエアコンや乗る前エアコンで室内を暖めるとバッテリーの消費電力はわずかです。
片道5kmの駅への往復の間は蓄えられた熱(余熱)で暖房が可能になるので、走行中のバッテリー消費が減ります。
通勤も片道5kmなので、行きは同じ作用になります。

さらに、氷点下の寒さだとヒートポンプが機能低下するのでMC後リーフは空気加熱ヒーターの暖房が主になります。
空気加熱だと余熱を利用することができないので、走行中のバッテリー消費がMC前よりも多くなる場合があります。

うちのリーフのように片道5kmが日常の行動範囲だと、乗る前エアコンやタイマーエアコンを利用した温水ヒーターの余熱暖房効果が利用できるために、MC前のリーフの利点が生きます。

ヒートポンプエアコンは寒さで性能が低下しますが、乾球温度だけでなく湿球温度にも影響されます。
つまり外気の湿度が問題になってくるのです。

一般的に、ヒートポンプエアコンによる暖房の弱点は、室外機熱交換器の霜付です。
この状態になると熱交換器が外気から熱を奪うこと出来ないので暖房が効かなくなります。

これを防ぐ為に熱交換器の温度を監視し デフロスト運転すなわち冷房サイクルにして室外機熱交換器の温度を上げ霜付を溶かします。
この間、ヒートポンプによる暖房はできませんし、無駄な電力を消費してしまいます。

エアコンエンジニアの常識として、「外気温0℃から5℃の雪が降っているまたは降りそうなところがエアコンとしては一番苦手」というものがあります。

氷点下10℃が珍しくない寒冷地、積雪が多く湿度が高い地域だとヒートポンプよりも温水PTCヒーターのMC前リーフの方が使い勝手が良いとも言える。
リーフは、乗る環境によってエアコンの評価が変わります。


「エアコンを使いこなす」シリーズ一覧
エアコンを使いこなす1 エアコンが動き出す条件
エアコンを使いこなす2 クーラーの動き出し
エアコンを使いこなす3 送風モード
エアコンを使いこなす4 予熱
エアコンを使いこなす5 PTCヒーターの利点
Posted at 2014/12/08 06:48:16 | コメント(0) | トラックバック(0) | リーフ | クルマ
2014年12月07日 イイね!

アウディが開発した「燃料電池車」は充電できるPHV!

燃料電池で発電しながら走るFCVとバッテリーに蓄電して走るEVが合体した究極のエコカーが公開されました。

アウディが開発した「燃料電池車」は充電できるPHV! clicccar 2014/12/04

遠距離走行は燃料電池で500km、近距離走行はバッテリーで50km。
使い勝手が良さそうですね。

水素を供給するためのインフラが未整備の現状では一般ユーザーが使える環境にはありませんが、数年~十数年後にはガソリン車にとって代わって主流になる可能性もあります。

ガソリンと違って水素と電気は、家庭で生産できる。
電気は今でも生産している家庭が多いし、水素を空気から取り出すようになるのも未来の話ではない。

太陽光発電を売電している家庭は、供給した電力分なら出先で急速充電してもカーボンオフセットが成り立ちます。
水素がサテライトで空気から生産されるようになるとエネルギーを自前で生産して移動手段に利用できる時代がやって来ます。

中東やアメリカの化石資源に依存しないエネルギーの独立は日本の安全保障にとても重要です。
空気から水素、地熱エネルギーから電気、が日本のエネルギー革命のキーワードですね。
Posted at 2014/12/07 07:35:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | EV | クルマ
2014年12月06日 イイね!

エアコンを使いこなす4 予熱

リーフのエアコン消費電力を節約する機能に「乗る前エアコン」があります。
その名の通り、乗る前にエアコンで冷暖房できる優れもの。
充電ケーブルから電力を供給できるからバッテリーの負担を少なくできます。



エアコンが起動した直後の消費電力は5kWほどまで高まるので、200V充電ケーブルから供給される電力(2.5kW~3kW)を上回ります。
充電ケーブルを接続しているのに乗る前エアコンでバッテリー残量が減るのはこのためです。

乗る前エアコンに似た機能で車側で設定するタイマーエアコンもある。
こちらは室温が25℃に自動で設定される。
PTCヒーターは最高水温が70℃だから気温が0℃なら
(70-0)×1.83/0.86=149W

標準の4kWのヒーターだと
149/4000*3600=134秒

約2分ちょっと加熱できる。
温水を作るだけなら意外と早いが、ホースなども同時に温めているので5~10分程度かかるのかもしれません。

一度、必要な温度まで加温できれば、あとは空気を暖めるための熱交換器による放熱分を補給するだけでよい。
室温を下げるほどに補給に必要なエネルギーは少なくなるので、エアコンの設定温度が低いほど省エネになります。

乗る前エアコンで、PTCヒーターの温水を予熱することで節約できるエネルギーは150W程度で、大したことないですね。

室内空気を25℃に温めるには、
3.6m3×1.2×0.24×(25-0)/0.86=30W
と、さらに少量。

最も熱負荷として大きいのは、内装材の保有熱です。
内装材の重さを100kgと見込み、比熱を0.3と仮定すると0℃から25℃に温めるには、
100×0.3×(25-0)/0.86=870W

これらを合計すると1kWにもなります。

乗る前エアコンを有効に利用するために温めるのはPTCヒーターの温水や空気ではなく、車の室内表面の物体、窓ガラスやシート、内装なんです。
乗車前にしっかりと温めておけば1kWhもの節約ができるかもしれないという試算でした。

・現在はJ(ジュール)で熱量を表しますが、cal世代なのでW≒860calで計算しました。


※融通が利かない初期型リーフのエアコンを、できる限り節電しながら窓を曇らせず、寒さを和らげる使い方を見つけようと試行錯誤する過程で気が付いたことを備忘録的に記録しています。

「エアコンを使いこなす」シリーズ一覧
エアコンを使いこなす1 エアコンが動き出す条件
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エアコンを使いこなす4 予熱
エアコンを使いこなす5 PTCヒーターの利点
Posted at 2014/12/06 08:29:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | リーフ | クルマ

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「[パーツ] #リーフ LEDヘッドライト用バルブ H8/H11/H16 / LEH102 http://minkara.carview.co.jp/userid/2063701/car/1565974/8003679/parts.aspx
何シテル?   10/04 19:14
《ディープリンク禁止》 日産リーフ初期型から初代後期型30kWhに乗り換えました。 電力消費シミュレーションを独自開発して未知の道路でもリーフの電力消費...
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