マツダの商品化中古車シリーズ

インパル630Rが有名なニッサン、武者シリーズのいすゞなど、80年代は各メーカーに、下取り車として入庫した車をそのままの状態で販売するのではなく、より商品価値を高める為に全塗装、エアロパーツ、アルミホイールなどを取り付けて、まるで新車のように仕上げた「商品化中古車」が流行していました。

その先駆けは意外にもマツダで、商品化中古車の元祖として認知されているC31ローレルのクリスタルバージョン以前から商品化車を製作していました。


【名前の無いSA22Cベースの商品化車】
前期型をベースに後期型に設定されていたゴールド／ブラウンの２トーンカラーに全塗装し、シビエのフォグランプを装備。
画像の個体そのものが大阪の南港に現存しています。


他に名前の無い商品化車は、ルーチェレガートをベースにした車や、初代FFファミリアにフェスティバキャンバストップ用のキャンバストップを装着した車などがあり、それらが好評だったので80年代後半になるとラインナップする全ての車種をベースに名前をつけて商品展開を行う事になりました。


【ファミリア勇（ISAM・イサム）】
前期型BFファミリアをベースに、マツダスピード製のフロント／リア&ルーフスポイラー、艶消しのサイドスカートを装着し、パールブラックに全塗装。
マツダ商品化中古車を代表する人気車種だったらしい。
タイ現地生産のBJファミリア（最後のモデル）、イサム・ゲンキとの関連は如何に？
日本から輸出された中古車に勇バージョンがあり、ファミリア＝イサムと現地人が勘違いしたと脳内妄想。


【カぺラ・アウトバーン】
GC型初代FFカぺラクーペにオーストリア製のフロント／ハイマウントストップランプ付きリアスポイラー、アルミホイール、スポーツタイヤなど40万円相当の特別装備を施しブラックに全塗装。


【コスモ・ストリーマ】
HBコスモの12Aロータリーターボ車をベースに、リアスポイラー、MOMOステアリング、アルミホイール、スポーツタイヤを装備。


【ルーチェ・アーマー】
前期型HCルーチェの13B型ロータリーターボをベースにアーマー（甲冑）のごとくフルエアロ化し、MOMO製ステアリングを装備。
他の車と違いアルミホイールは純正のまま。


【ボンゴ・ロードランナー】
ボンゴワゴンをベースに紺／白or黒／白のツートーンカラーに全塗装し、専用ストライプ、カルフォルニアミラー、純正アルミホイールを装備。
低価格設定されていた。


以上のように精力的に商品展開を行い、販売台数も多かったにもかかわらず、現在ではWEB上に何も情報が無い程、全く知られていないのが不思議です？

次回は同じ様に、現在では認知されていない三菱の商品化中古車を取り上げたいと思います。