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シケイカ★フェンダーミラー将軍・発動篇のブログ一覧

2014年11月29日 イイね!

タイ製L70ミラ・ピックアップのすべて



 随分と記憶も薄れつつある前回のネタ車、フィリピン製L200系ミラのピックアップ「ダイハツ・レガシィ」を覚えておいででしょうか?


 実はミラのピックアップボディはこれだけではなく、L200系の先代モデルに当たるL70系にも公式にもメーカーが公式に量産したものが存在しているのです。


 その原点と言えるのが、1987年の第27回モーターショーに参考出品された「ミラ・PM/L」

 スポーティなリゾートミニをイメージし、TR-XXのリアクォーターをカット。跳ね上げ式リアゲートを持つガラスルーフの2シーターピックアップに改造されています。

 まさか後年このコンセプトが、微笑みの国とも言われるタイ王国にて違った形で現実になろうとは・・・まさに東洋の神秘。

 ダイハツは当地を代表する3輪タクシー、「サムロー」(トゥクトゥク)の原型となったミゼットの輸出を皮切りに、1959年からタイ市場に進出。

 コピー車も数多く作られる中で今なお現役を続けるオリジナルのミゼットも数多く、MP系はカエル頭と呼ばれ親しまれています。

 1960年代になると現地法人「ダイハツ・タイランド」社はコンパーノやハイゼットなどの輸入も手掛け、一時はマツダと並びタイ市場シェアの過半を占めるまでに至ります。

 しかし1974年に他のASEAN諸国同様、実質的な現地生産が義務付けられるようになって以降はシャレードとハイゼットを細々と販売する冬の時代が到来。

 そんな状況を打破すべく、日本で生産が終了したL70系ミラの生産設備を流用する形で開発されたタイ市場専用ミラが1991年に発売となったのです。

 3種類のボディがラインナップされ、それら全ての原型となるのが「ミラ・P1」(Pはポーターの頭文字)と呼ばれる2シーターピックアップボディです。



 タイにおいて小型ピックアップトラックは税制上の優遇措置があることから最も人気の高いジャンルで、なんでも荷台には人をどれだけ乗せても違反ではないのだとか・・・なにそれこわい

 大型バンパーを備えるヨーロッパ仕様をベースに足回りとボディを補強、Bピラー以降をストレッチしてホイールベース延長することで荷台長を確保。なのでタイ製であっても型式は他の輸出仕様と同じL80型になります。


 そして「ミラ・P1」にリアシートを設けて4人乗りとしたキングキャブ、「ミラ・SPICY-CAB」(スペイシー・キャブ)


 申し訳程度のリアシートとはいえ、座面長がホイールベースの延長分、きっちり取られているので国内のボンバン仕様に較べれば快適かと。


 もちろん乗用仕様も忘れられてはおらず、「ミラ・P1」の荷台に東洋ファイバー製レジントップ(FRPルーフ)をボルトオンした3ドア「ミラ・P4」も用意されています。

 あくまで荷台に脱着式のシェルフを取りつけたという体裁をとる為、税制上はピックアップとして扱われる脱税仕様(笑)

 だというのにリクライニング機構つきリアシートまでもを装備し、アプローズ以上の広々空間を実現。まさにスーパールーミー。


 発売当初の「P4」のリアゲートは、ガラスハッチとピックアップと共通のアオリのそれぞれが上下に分かれて開く構造のものでした。


 しかし1993年のマイナーチェンジの際、L200に通ずる丸みを帯びた一体形状のリアハッチが新造されています。


 また、この脱着式トップという構造を活かした新型コペンばりの着せ替え用ルーフも考案されました。

●リーザというよりかは2代目セルボっぽいクーペ


●アルトハッスル風フルゴネットワゴン


●スペイシーキャブに装着可能なルーフなんてのも

 これらは、ある程度以上の纏まった数が流通し、作りも良い事から、おそらく純正オプション扱いだったものと推測されます。

 そうした独自色の強い外装とは裏腹に、内装は国内仕様の廉価版に近いものでした。(L200と共通のステアリングは95年以降)


 フィリピンと同じく南国につきヒーター系統はオミット。代わりにエアコンが標準装備となり、本来のコントロールパネルの隅に残った風量調整スイッチのボッチっぷりに涙がぽろり・・・

 おめーの席ねぇですー
 
 機関はL200系の輸出仕様と共通スペックの2バルブキャブレターED-10型850ccエンジンを搭載、意外なことに5MTのみならず3ATも選択可能です。

 1993年以降の生産車は、年寄りに献血を強要するかのようにエアコンをR134仕様にアップデート。

 そして1995年にはマイカー需要の高まりに応じるべく、大規模なマイナーチェンジを実施。新たに「ミラ・MINT」(ミント)が発売されます。



 ミラ・P4と入れ替わる形で従来のピックアップの亜種から脱却した鋼板製のルーフを持つ本格的な乗用車として再設計。

 フロントは新造形のバンパーに変更、TR-XXと同形状のセンターアンテナを装備する程度の違いしかありませんが、Bピラー以降はリアオーバーハングも延長されるマシマシコールにより、最早ミラの面影がありません。

 う~む。このガーニッシュは、まゆげハイゼット(輸出仕様S70)用では?

 しかも驚くべきことに内装はL200系のダッシュボードをまるっと流用で、おまけにフルトリム化。

 なんだかポン付けできそうだな~、と思っていたら既に前列があったとは!!

 ピックアップ系2車もリアオーバーハングが延長された「ミラ・ミント」と同一仕様となり、ワイドなタイヤが履けるようにリアフェンダーがオーバーフェンダー化されています。(何故か内装はL70用のまま据え置き)



 最終型となる1997年モデルでは、エンジンも全車EFIとなり、当時最新のL500系輸出仕様と遜色ないスペックになります。

 
 これらのタイ製ミラは当時のCセグメントクラス車の3分の1の価格である175000バーツ(当時の為替で約87万円)という安価な価格設定もあり大ヒット。ダイハツの年間販売台数は発売前に較べて50%アップを記録します。

 しかし1997年に起こったアジア金融危機の影響はタイにも及び、1995年に年間4000台あった生産台数は1997年に160台にまで急落、翌1998年3月に生産は休止に追い込まれてしまいます。
 そして、そのまま再開の予定が立つことなく2006年9月にダイハツ・タイランドは解散となってしまうのでした。

 生産終了から16年が経過する現在では、サニトラ的な小型スポーツ車としての人気も高く、外装をTR-XX仕様に改造するのが流行中。これもある意味JDM?


 ピックアップなのにムーンルーフリミテッド化した強者も!!


 まるで「ミラPM/L」の魂が時を超えて蘇ったかのようではありませんか。

 とはいえ、使われている部品の大半がステッカー類も含めて現地製のコピー品というあたり、流石の盗難アジアクォリティ(笑)
 


※<業務連絡>
 ここ最近多忙が続いており、合間を縫っての更新が続くため、しばらくコメント機能を休止させていただきます。 
 多数のコメントを頂いてる中で大変申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願い致します。(何かありましたら、お気軽にメッセージをお送り頂ければ幸いです)
Posted at 2014/11/29 04:19:16 | コメント(0) | トラックバック(0) | ダイハツ | 日記
2014年08月31日 イイね!

ダイハツ・レガシィのすべて



 といっても、ハイゼットをOEMする見返りに、ダイハツでスバルのレガシィを扱うようになった訳じゃありませんよ。

 フィリピンで製造されていた、L200ミラがベースのピックアップトラックのことなのです。


 実はコレ、ダイハツとしては非公認扱いの所謂コピー車なのですが、そのわりには妙にクオリティが高いような?

 それもその筈、なんでも日本から輸入した部品を使って組み上げた車なのだとか。
 ここで言う部品というのは、解体屋でブツ切りにされて輸出された中古車(解体車)なんですね、わかります・・・現地では新車として販売されていた筈なんですが。

 そんなふざけたマネをやらかしていたのは、かの地で古くからヤマハの2輪車を現地生産していた「Norkis」(ノーキス)社。


 ちょうど日本国内でL200ミラの生産が終了してから10年が経つ2004年8月 、乗用車とトラックの良いとこ取りをした革新的なハイブリッドカー(笑)という謳い文句で「レガシィ・ファースト」(セカンド以降は存在せず)の販売を開始します。


 3ドアハッチをベースにリアオーバーハングを延長、積載状態を考慮してリアサスを強化、太いタイヤが履けるようにリアフェンダー形状も変更した2人乗り・350キロ積みを基本に、4種のボディタイプがラインナップされました。



 荷台にフルゴネットタイプの荷箱を架装した「マルチ・キャブ」


 荷箱の中に対面シートを取り付けた8人乗り仕様も設定、すごく狭そうなのですが。


 5ドアハッチのお尻に荷台が悪魔合体した「ダブルキャブ」


 デザインの黄金比?それって美味しいの。

 ダブルキャブから屋根を取り払ったビーチカーの「スパイダー」


 何故かこれだけL500系ベースも存在、Why?

 機関系は国内と同じ、660cc・2バルブ&4バルブ仕様EFエンジンを設定、AT車も選択可能でした。

 マスターバック跡の処理など、右ハンドルから改造された左ハンドルなのが一目瞭然、苦労の跡が伺えます。

 芸が細かいことに、内装もダッシュボードが右ハンドル用から左ハンドル用に作り変えられ、シボが消えていることから塗装仕上げっぽいです。

 左ハンドル化に伴いヒーターコアを取り外しているので、ブロアの温度と吹き出し口の切り替え機能(デフロスター)がオミットされています。まぁ年がら年中暑い国だけに、そもそも暖房なんて必要なく、全車標準装備のエアコンを使えば窓が曇ることもないんでしょうけどね。

 これらが月産20台ペースで製造され、基本モデルは18万ペソ(約40万円)、ダブルキャブでも23万ペソ(約55万円)と、通常の同クラス新車の半額で格安販売されていたようです。

 そして、ミラのみならず3代目アルトをベースにした同種のモデルも製作されていました。

 新型マイティボーイじゃないですよ。これもレガシィ・ファースト、「スズキのレガシィ」と呼んでくれ・・・

 ミラがベースでもアルトがベースでも同じ車名を与え、あまつさえレストア車を新車扱いするなんて、日本人の感覚からは正気の沙汰とは思えないでしょうけど、これが東南アジアクォリティ。

 でも、エコだ何だと流されるままにポイ捨てしているだけの日本と、こうして使用済みとなった自動車がリサイクルされ第2の車生を謳歌する東南アジア。果たしてどちらの方が正気の沙汰じゃないんでしょうかね?

Posted at 2014/08/31 22:39:55 | コメント(9) | トラックバック(0) | ダイハツ | 日記
2012年06月19日 イイね!

これはトヨタですか? いいえ、ダイハツです。

これはトヨタですか? いいえ、ダイハツです。先日の前期タウンエース、中期マスターエースのシケ物置並びに、強いられている関係者しか購入しないダイハツデルタがあれば良いなと念じていたら、なんと後期型ワイド・ワゴンが召還されました!!

2グレード設定がある内、ディーゼルエンジンのみが設定されている廉価版のSEグレード(上級グレードのSQはガソリンとディーゼルの両方設定)で、発進時の動き的に5MTのようでした。

一見タウンエースと同じに見える兄弟車でも、ダイハツはスカイライトルーフをラウンジルーフと呼び変えるだけじゃなく、ガソリンエンジン搭載車が主力のトヨタとは異なり、ディーゼルを売りにしている所にメーカーの個性が出ていて面白いです。

まぁぶっちゃけ、数が出ないのがわかりきってる車なんで売れ筋に絞っただけなのかもしれませんが…
Posted at 2012/06/19 13:34:49 | コメント(7) | トラックバック(0) | ダイハツ | 日記

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