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シケイカ★フェンダーミラー将軍・発動篇のブログ一覧

2013年12月19日 イイね!

裕隆・飛羚(ユーロン・フェイリン)のすべて



 いつの間にやら今年も終わっていた東京モーターショー。

 その43回、約60年に及ぶ歴史の中で、たったの2回だけ台湾の自動車メーカーからの出品がありました。

 それは、第27回目となる1987年と第28回目の1989年のことでした。

 ニッサン車のライセンス生産をおこなっていた「裕隆」(ユーロン)社が、日本への輸出を前提として1800ccクラスのFF乗用車、「飛羚101」(フェイリン)を参考出品したのです。


 元々、台湾は大変な輸出立国で外貨があり余っているお金持ちです。
 ところが80年代半ばまでは他のアジアNICS(現NIES)同様、乗用車の完成輸入車が禁止されており、古くから現地資本と海外資本の提携によるライセンス生産が盛んな地でした。

 今でこそ裕隆の新ブランドとして、完全自国開発メーカー「ラクスジェン」が生まれていますが、その先駆けとなった初のホームメイドカーが「飛羚101」なのです。

 1981年8月、裕隆は自主開発の為のエンジニアリングセンター(工程中心)を開設。当時の台湾で本格的な技術研究所を保有しているのは裕隆のみでした。

 日産のライセンス生産からの自立と同時に、裕隆が独自に開発した車種を持ちたいという意欲の表れであり、エンジニアリングセンターは、以下の3点を実現するために設立されました。

・裕隆ブランドの新型車を開発し、台湾市場はもちろん国際市場にも供給することを目標とすること。
・金型、治具、ゲージなどを独自に設計・製作し、量産にそなえること。
・新型車を開発するために裕隆への部品供給メーカーの設計能力と生産の質を高めること。


 スタイリングから設計・開発まで自力でやりとげた台湾唯一の純国産車は、裕隆だけではなく台湾全土の誇り・台湾のための車を念頭にコードネームX101と呼ばれ開発、5年後の1986年10月25日に発売となります。

 “飛ぶカモシカ”を意味する「飛羚」という名称は、1985年におこなわれた車名の一般公募の結果集まった34120通の中から選ばれた主婦の入選作でした。

 自己開発とはいっても、ボディの一部やエンジン、駆動系などは、台湾で元々ノックダウン生産されていたT11スタンザのものが流用されています。


 世界各地のあらゆるモーターショーで収集された膨大な情報が検討され、トランクリッドをもつノッチバックとクーペと呼ばれるファストバックの2つのボディタイプが用意されました。

 ファストバックは当時世界トップレベルのCD値0,29を記録、ノッチバックですらCD値0,33という意欲的な空力デザインです。


 空力デバイスとして、整流効果のあるフェアリング付きのエアロミラー、ダクト付きリアスポイラーなどを装備。これにはアルシオーネも真っ青です。


 パッと見だと普通のセダンに見えるノッチバック。

 ところが、こちらもトランクリッドを開けるとルーフ後端まで大きく開いちゃう5ドアなんです。

 2つのボディタイプがありながらも、両方ともに5ドアハッチとか、もはや狂気の沙汰としか思えません。 おそらく本家ニッサンのライセンス生産車、青鳥(ブルーバード)と競合しないようにするという政治的な配慮あっての事なのでしょう。

 当時の台湾でバカ浮けしたという、「飛羚」と漢字で大書されているリアガーニッシュも、ある意味では狂気の沙汰。

 なんせ夜になると、カリーナEDばりに光るんです!!

 とってもシュール(笑)……場末のスナックの看板みたいです。

 光りモノといえば、テクノ感を通り越して超古代文明の遺物みたいなデザインのデジパネも。おもむろに“ターンAターン”って叫び声をあげたくなるシドミード感が酷い。

 本国でもデジパネ装着車は超レアで、そんなのあったの?的な黒歴史扱いなのだとか。

 このデジパネに代表されるように、インパネのデザインは宇宙船感覚がモチーフとなっています。

 よく当時のシトロエンも宇宙船みたいな内装と言われていますが、そんなのヌルい、ヌルい。
 同じ宇宙船でも「飛羚101」は、まるっきり特撮メカのノリなんですもの。


 ほら、最上級グレードに標準装備のオーバーヘッドコンソールなんて特に。


 エンジンは、1,6リッターのCA16型・88馬力と青鳥(ブルーバード)用の1809cc・CA18型を台湾の税制に合致するように1796ccに設計変更したCA18N型・97馬力を搭載。両エンジン共にキャブレター仕様のみの設定でした。


 サスペンションもT11由来の前後ストラットです。しかしセッティングは裕隆独自のもので、欧州に持ち込まれての走行テストも実施されています。


 そんな「飛羚101」には、ノッチバック・3グレード、ファストバック・2グレードが設定されていました。

・ノッチバック1,6リッター・DX

 飛羚101のエントリーモデルにして、唯一の1,6リッターエンジン搭載車、ミッションは4MTのみ。日本と同じく、この手の廉価モデルの宿命で販売台数が極めて少ないレアグレード。

 装備は至ってシンプルなものとなり、ハーフキャップ付き鉄ホイール、タコメーターレス、ビニールレザーのシート表皮など快適装備の類いが一切なく、豪華な1、8リッターとの激しいギャップが萌え要素。

・ノッチバック1,8リッターSD/ファストバックFB

 1,6DXに少し予算を足せば購入できた中間グレード。5MT車のみの設定となります。

 ツートンカラー(バンパーは無塗装)、ピラーブラックアウト、フルホイールキャップ、タコメーター、フルファブリック・スポーツシートなどを装備したスポーティ仕様。

・ノッチバック1,8リッターGTS /ファストバックGTF

 意外なことに販売台数が1番多かった最上級グレード。
 メカニズム的にはSD/FBと同じながら、エアコン、パワステ、パワーウィンド&集中ロック、ボディ同色電動ミラー、オートアンテナ、アルミホイール、ドライブコンピュータ、クルーズコントロール、オーバーヘッドコンソール、6ウェイアジャスタブルシート、クラリオン製マルチチャンネルオーディオなどの豪華装備を誇ります。

 このグレードにのみ設定される3AT車は、GTS AUTO / GTF AUTOと呼ばれます。
 
 「飛羚101」型は、1986年~1988年の間に16,653台が販売されました。
 その数だけを見れば少なく感じるかもしれませんが、1986年当時の台湾の年間新車台数は15万台程度なので、これは大ヒットといえるレベルでしょう。


●1989年:飛羚102[YLN-201]


 初のマイナーチェンジで「飛羚102」型に進化。
 従来モデルのアクが強すぎるフロントグリル、テールランプ、アルミホイールはシンプルなデザインに変更されました。



 ボンネット上のダクトも、ジェミニイルムシャーを彷彿とさせるNASAダクト形状になっています。


 基本的なメカニズムに変更はありませんが品質が大幅にアップし、同時にGTグレードの価格が引き下げられます。

 それに伴い存在意義を失ったDX、SD/FBグレードは廃止。1,6リッター車に従来のSDと同等の装備となるSLグレードが新設されましたが、販売不振で結局1年しか生産されませんでした。
 

 GTグレードのみの設定となったファストバックは「SF」と呼ばれるようになりました。日産系なのにトヨタっぽい、しかも時期的には170コロナのデビュー直後のことです。


 GTグレードのブレーキは4輪ディスク化、グリルには「4WDisc」というステッカーが貼られています。


 マフラーも、GTの名に相応しいデュアルタイプに変更。まぁ見た目だけで性能面では従来型から変わりないんですけど。


 ようやく102型からは、当初の計画にあるよう輸出も開始されました。アメリカではポルシェのディーラーが販売権を取得しましたが、世界的なドル高の影響を受けてあえなく頓挫。
 
 結局は、オランダとロシアに少数が輸出されるに留まりました。しかし、ラーダ・サマラVS飛羚とか誰得?

 どっちを買っても家庭崩壊の引き金になりそう(笑)

 台湾本国においても「飛羚102」型の販売は、マイナートラブルが続発した101型の不評により、89年から95年までの間に6,925台しか販売されないという残念な結果となりました。


●1993年:精兵1.8i[YLN-601]


 ビッグマイナーチェンジで近代化が謀られると同時に、名前を「精兵」(アレックス)601に改名。
 ファストバックは廃止されてノッチバックのみとなり、エンジンも1,8リッターのみとなります。

 メーカーの威信をかけて開発→マイナートラブルで不評→販売不振という負のコンボを断ち切る為にマイナーチェンジで改名。こんなセダン風5ドア車が日本にもありましたね。

 フロントパネルは全面的に変更され、まさかのリトラクタブルライト化。

 世界的に見ても、コレの他に5ドアのリトラ車なんて、クイント・インテグラとファミリア・アスティナくらいしか存在しないのでは?

 一瞬U12ブルーバード用かと思ってしまったテールレンズもご愛嬌。よく見ればブレーキとウィンカーの位置が上下逆…従来型では強度に問題のあったDピラーが強化されて太くなっています。


 ダッシュボードも上半分のパーツが新造され、U12ブルーバード風味。でも何だか普通すぎて、もの足りない気も。

 しかも下半分の部品は細部を除いて従来型のままで、バランスを欠いており質感が低く見えちゃいます。ステアリングなんかも、B13サニーの流用品で、寄せ集め感が半端ない。

 でもエンジンは、遂にインジェクション仕様となってパワーアップです。


 しかし、そうして無理やり若作りをしてみたところで旧態化は免れられず、1995年の生産終了までに「精兵601」は、4298台が販売されただけでした。


 ━━さて、そこで肝心の日本への輸入計画について話を戻すとしましょう。

 1986年5月1日付けの日経新聞に、こんな見出しの記事が掲載されたのが、全ての発端でした。

     「日産、台湾・裕隆から現地生産車を逆輸入」

 その記事曰く、「日産は、台湾・裕隆製の1800cc級乗用車(飛羚)を、87年にも日本に輸入する方針を固めた~中略~当面は年間数百台規模とみられるが、為替動向や台湾の生産性、品質が一段と向上し、競争力が高まれば、輸入台数を増やしていく」とのこと。

 ところが日産が輸入するというのは、真っ赤なガセネタ。
 本当のところは日産が輸入するのではなく、飛羚を販売することを希望する業者に日産が協力するという話でしかなく、その一環としての東京モーターショー出展でした。

 そこに、ルノーの輸入を手がけていたキャピタル企業が手を上げます。
 しかし現実に輸入するには、日本に陸揚げしてからの安全対策や排ガス対策などの改造費が予想外にかかって割高な価格となる為に、この話は計画だけに終わってしまいました。

  はい、これが世に言う、結婚詐欺というヤツですか、そうですか。
Posted at 2013/12/19 01:22:46 | コメント(11) | トラックバック(0) | ニッサン | 日記
2013年12月09日 イイね!

北米仕様シャレードのすべて



 1986年、ダイハツは国産メーカーとしては最後に北米市場に進出。カリフォルニア州ロサンゼルスに現地法人『DAI』(ダイハツ・アメリカ社)を設立します。

 G100シャレードは、その基幹車種としてダイハツで初めて対米輸出を前提に開発されました。

 当然アメリカの路上における走行試験も実施され、1986年末にはラスベガスのホテル駐車場でテスト車両が目撃されるという事案も発生しています。(初出:ベストカー誌1987年1月26日号)

 船積み用のボディーコートが剥がされておらず、ハリボテのリアゲートによるボディ形状変更などの偽装が行われていますが、ステアリングのダイハツマークは隠されておらず、見る人が見れば、もうバレバレ(笑)


 比較テスト用に、2代目シャレード、価格帯の近い初代カルタス(シボレースプリント)、そして当時の北米市場で人気の最も高かったコンパクトカーであるシビックなどが持ち込まれていました。

 こうしてワンダーシビックと並べると、両車が共通のコンセプトでもってデザインされていることがわかって頂けるかと思います。


 それもその筈、HRA(ホンダ・アメリカスタジオ)によるワンダーシビックのオリジナルデザイン案は、G100シャレードにそっくりだったのです。(初出:NAVI誌1984年7月号)

 リアエンドに向かってスロープダウンするロングルーフ、直立したハッチゲート、リアフェンダーのサーフィンラインなど、これらはシャレードのデザインが成立する過程において多大な影響を与えたものと思われます。

 そんな北米シャレードの変遷を以下に纏めてみました。


●国内仕様との違い


<FRONT VIEW>


・ヘッドランプをSAE規格品に変更。

・グリル内のエンブレムを国内仕様では「CHARADE」表記から「DAIHATU」に変更(欧州/豪州も共通)

・北米仕様ならではの、サイドマーカーと5マイルバンパーも装備。
 5マイルバンパーは、国内仕様でも1989年1月のマイナーチェンジ以降のモデルに採用されています。


・フェンダー部分のウィンカーも備わらず、EFIの文字入りパネルで埋められています。



<REAR VIEW>


・リアサイドマーカーは、バンパー内臓式。国内の大型バンパー仕様ではブロックオフパネルで塞がれています。

・ハッチバック車でも車名ロゴに立体エンブレムが奢られています。国内仕様では、全てステッカー処理でした。 

・ハッチバック車のバックドアガーニッシュ内の文字が国内仕様の「CHARADE」表記から「DAIHATU」に変更されていました。1990yearモデル以降は国内と同じ部品になります。


<INTERIOR>

・ステアリングを法規対応品の北米専用クラッシュパッド内蔵型に変更。助手席前のダッシュボードにもクラッシュパッドを装着。

・センターコンソール内に時計のスペースを増設。


・北米仕様のお約束、マイルメーター化。


・国内3ドアがドアポケット内のノブを引き上げるタイプなのに対し、ドアトリムにドア開閉ノブが付くタイプに変更。
 国内仕様でも特別仕様車の「セルジオタッキーニ」と「LAギア」は同タイプを採用しています。


・Wikipediaに“エアコンがOPでも設定されていなかった”との記述がありますが、きちんと設定ありますよ~

 ブロアファンの風量が4段切り替えになるのは北米仕様のみです。

・リア3点式シートベルト&ハイマウントストップランプを装備。国内でも1991年のマイナーチェンジ以降はOP設定がありました。

国内ではビジネス仕様の廉価グレードに採用されていたダブルフォールディングタイプの可倒シートも装備されます。



 外国車の大半は、yearモデル制度を採用しており、毎年秋に翌年のニューモデルが発表されるのが通例となっています。
 北米仕様シャレードもその例に漏れず、初年度の1987年秋から導入が開始された仕様を、1988yearモデルと呼称しています。


●1988yearモデル

 意外なことに、ダイハツの北米前略にはリーザも組み込まれており、北米市場への輸出が真剣に検討されていました。
 しかし、実際に左ハンドルの試作車を作ってユーザーに対するクリニックを開催するなどをしたものの、結局は販売価格等の問題から計画は頓挫してしまいます。

 その為、当初はシャレードだけが西海岸エリアに限って販売されていました。(地図で示されている赤色のエリア)


 エンジンは全車一律、国内仕様のSOHC3気筒993ccをベースに、エミッション対策&メンテフリー化を狙い、電子制御燃料噴射、フルトラ化された北米市場専用のCB90型を搭載。


 国内仕様に較べればパワーアップしているものの、絶対的にはアンダーパワーである為に、ATは設定されず、ミッションは5MTのみ。

 メカニズムは全車共通で、装備品が異なる3つのグレードが設定されていました。


・CLS 

Top of its class in basic transportation-the most affordable Charade (クラストップのベーシックな移動手段。最も手頃な価格で入手可能なシャレード)

 北米市場におけるシャレードの基本となるグレード。
 ベーシックグレードとはいえ、ピラーブラックアウト、熱線入り着色ガラス、給油口&リアゲートオープナーなどが標準装備され、タコメーターとリアワイパーが無い以外は国内仕様のノンターボ最上級グレードTXに近い仕様です。

 当時のアメリカでは右ドアミラーの装着が義務化されておらず、CLSには装備されていません。 
 

・CLX

The ultimate in affordable luxury (お手頃な価格で入手可能な究極のラグジュアリーカー)

 CLSの装備にプラスして、カラードグリル、タコメーター、電動ミラー、リアワイパー、国内仕様のオプション設定品と同デザインのホイールキャップ、プレミアム・ダブルラッセルシート表皮の運転席、助手席アームレスト付きシートなどを装備。



・CSX

One of the worlds most affordable sporty car (世界で最も手頃な価格で入手可能なスポーティーカー)

 カラードバンパー、カラードミラー、国内仕様ではオプション設定の13インチCタイプ・アルミホイールをCLXにプラスして装備。国内仕様のパッケージOP、「ファッションパック」に近い装いです。


 エアコン、カセットステレオなどの充実した快適装備も標準装備。

 スポーティーカーを名乗るだけのことはあり、国内仕様2型GT-XXと共通の各部調整機構が無いタイプのスポーツシートを装備しています。

 1988yearモデルのカラーバリエーションは以下のとおり。

 国内仕様に設定されていない「ベージュメタリック」(ゴールド)は他の仕向け地にも存在していますが、ブラウン内装は北米仕様独自の意匠です。(でも中華にはアリ)


●1989yearモデル


 1989yearモデルでは、CSXが廃止され、廉価仕様のCESが追加されます。CLSから装備を省き、6000ドルを切る価格を実現しました。


 CLSはピラーブラックアウトが省かれ、現地調達の汎用品と思われるホイールキャップが装着されています。


 CLXは、国内特別仕様車のウィル、キサなどに装着されていたホイールキャップに変更。タコメーターが省かれており、全体的に販売価格を下げる為のコストダウンが目につきます。



 そして販売現場が待ち望んでいた、モアパワー仕様の1、3リッターエンジンが追加。


 既に国内仕様では1988年1月のマイナーチェンジで追加されていた、HC-E型4気筒16バルブを搭載しています。


 1、3リッターエンジン搭載車には、CLSとCLXの2グレードが用意され、カラードバンパー仕様、パワーウィンド&パワードアロックのOP設定もありました。


 この1,3リッター車に限って、フロントブレーキは国内仕様GT-XX、TR&CRと共通のベンチレーテッドタイプになり、3AT車も選択可能です。



 1989yearモデルのカラーバリエーションは以下のとおり。

 新色のブラックメタリックが追加されました。


●1990yearモデル

 1990yearモデルより、対米輸出を前提に開発された第二弾のダイハツ車、フェローザ(ロッキー)を市場に投入。ようやくラインアップに充実が計られます。

 シャレードにも、新たに4ドアセダン(ソシアル)が加えられました。

 それと同時にグレード体系も見直しを受け、従来の廉価版CESに相当するSE、デラックス版CLSに相当するSXの2グレードに集約。
 国内と同じくハッチバックは1リッター、1,3リッターの両エンジンが選択可能でしたが、4ドアセダンは1,3リッターのみの設定です。

 4ドアセダンの国内仕様(ソシアル)との差違は、リアバンパーにサイドマーカーが装着されている程度でしかありません。

 国内仕様でも立体エンブレムを持ち(特にSXグレードであればSOCIALの文字を除きすべて同じエンブレム)、G100シャレードで一番USDM化が容易な機種でしょう。

 それと同時に、グローブBOXがクラッシュパッド内臓タイプに変更されています。


 1990yearモデルのカラーバリエーションは以下のとおり。

 国内仕様のソシアルには「シルバーメタリック」「ベージュメタリック」「ブラックメタリック」の3色は設定されていません。そしてブルー内装がカタログ落ちしました。


●1991yearモデル


 国内仕様には、1991年1月のマイナーチェンジで採用されている、新しいデザインのグリル、テールレンズ、ホイールキャップなどの意匠を先行投入。


 外装以外に大きな変更はありませんが、ハッチバックが廉価版SEグレードだけの設定となり、内装色からブラウンも削られました。


 1991yearモデルのカラーバリエーションは以下のとおり。

 「ベージュメタリック」がカタログ落ちするかわりに、「ターコイズメタリック」、「ダークグレイメタリック」の2色が設定されました。
 

●1992yearモデル

 この年、深刻な販売不振からダイハツは北米市場からの撤退を決定。

 北米市場における最終型となった1992yearモデルは、前年モデルと同じ仕様のものが引き続き販売されていました。

 ひょっとしたら在庫車を売っていただけ? 

 販売不振の原因には、ダイハツというブランドの知名度の低さもさることながら、シャレードという名前自体にも問題があったと考えられます。

 ――「CHARADE」を英和訳すると、その意味は「偽装;こっけいな茶番」――

 “おみそれしました”というニュアンスでの「喝采」を意味するアプローズという名前も大概ですが、そりゃ敬遠されるのも納得です。

 そうして僅か4年足らずでシャレードの北米販売の歴史には幕が下ろされたのでした。


 しかし驚くべきことに、この北米仕様シャレード。少なくとも1台は確実に日本国内に持ち込まれていると思われます。

 というのも13年前の2000年、この目で滋賀県守山市を走行中の白い4ドアセダンを目撃しているのです。他の仕向け地には存在しないブラウン内装、そして左ハンドルだったので間違いないでしょう。

 果たして今でも生き延びているのでしょうか?
Posted at 2013/12/09 01:36:19 | コメント(6) | トラックバック(0) | シャレードがいっぱい | 日記
2013年12月04日 イイね!

『歴代シャレードミーティング』 開催のお知らせ

 不肖わたくしめも参加させて頂いております、初代G10から最終型G200までの歴代シャレードオーナー様が集まられているコミュニティ「Little Giant Killer Charade Owner's」(管理人:たつやんさん)

 こちらにおいて、歴代シャレードが集まるミーティングを企画しており、この場を借りて告知をさせて頂きます。

 記念すべき第1回目のミーティングは、シャレードの生まれ故郷、「ダイハツ竜王工場」のある滋賀県竜王町にて開催する予定です。

 早速ではありますが、開催概要と暫定スケジュールは以下のようになります。


『第1回・全国歴代シャレードミーティング』

●開催日: 2014年1月4日(土)

●開催場所: 竜王町総合運動公園 (滋賀県蒲生郡竜王町岡屋3333)

URL http://www.rmc.ne.jp/~dragon-hat/

 会場となる竜王町総合運動公園は、名神高速竜王ICから10分程度の距離です。
 500台以上駐車可能な駐車場があります。
URL http://ryuoh.or.jp/asset/00032/toppage/undoukouen_zentaizu.PNG


●参加募集車両

・歴代シャレード
・シャレードのエンジンを搭載したイノチェンティ車
・アプローズ、パイザー、ロッキー、ラガーなどのダイハツ製小型車
・昭和のダイハツ車

上記の車がお好きな方であれば、それ以外の車両や人間だけの御参加、御見学も大歓迎です。


●暫定スケジュール

☆AM11:00~ ミーティング開始

 遠方からお越し頂く方もいらっしゃるかと思いますので、スタートは若干遅めの予定です。

・開催の挨拶
・自己紹介
・集合写真撮影
・その後は歓談タイム

    
☆PM13:30~14:00くらい 昼食会場に向けて10分程度のツーリング

 混雑を避ける為に、昼食も少し遅めの予定です。 ダイハツ竜王工場の横を走って昼食会場に向かいます。

・昼食会場予定地: アグリパーク竜王 (滋賀県蒲生郡竜王町山之上6526)

URL http://www.biwa.ne.jp/~aguri-p/

 こちらの施設に併設の、近江牛を使用した料理をリーズナブルなお値段で楽しんで頂けるレストランで昼食予定です。

※:人数、混雑状況によっては変更の可能性あり

 その後は、自由解散という形を予定しています。

 下見に行ってきた画像を以下にUPしていますので参考にして頂ければ幸いです。
https://minkara.carview.co.jp/userid/208539/car/1530104/3765789/photo.aspx

 エントリーを希望される方は、コメントもしくはメッセージで参加表明をして頂ければ、追って御連絡をさせて頂きます。

 あくまで暫定案ですので、ご意見、ご要望等がありましたら、遠慮なくお申し出ください。
Posted at 2013/12/04 19:06:11 | コメント(8) | トラックバック(1) | シャレードがいっぱい | モブログ
2013年12月04日 イイね!

カタログなき特別仕様車。B11サニースーパーリミテッドと愉快な仲間たち


 この記事は、B11初の特別仕様車「マイン」と「スーパーリミテッド」について書いています。


 今を遡ること2年前。
 サニー界の重鎮であらせられるpt11御大に、B11サニーに設定されていた、とある特別仕様車の存在について教えて頂きました。

 それは昭和57年3月に、カローラの月販販売台数を抜いた記念に短期間販売された、「マイン」と「スーパーリミテッド」

 御大によれば、カタログはおろかサービス周報すら作られず、簡単なリーフレットしか存在しない車なのだそうです。 広報資料も存在しないのか、当時の雑誌類を調べてみても情報は一切見当たりません。

 しかし先日、長きに渡る調査の末、遂に「スーパーリミテッド」の画像を発見しました!!

 最上級グレードのSGLエクストラをベースに、北米仕様の5マイルバンパー&ボディ同色カラードフェンダーミラーを装備。
 GLベースの「マイン」も同じ装備を持ち、SGLエクストラに順ずるライセンスランプ部分のブラックアウト塗装も施されているとのことです。

 日本仕様のボディにUSバンパーとは、何だか台湾仕様みたいですね。


 既に画像でお分かりかとは思いますが、こちらの車はカーセンサー誌の1985年9月号に掲載されていた、サニー新東京の販売車両です。
 このサニー新東京。 当時サニーをベースとした商品化中古車を製作するので有名(?)な販社でした。

 前期セダンをベースに後期化、純正オプションのフロントスポイラーを装着、白/ガンメタツートンに再塗装。

 R30風味で、ちょっとカッコイイやも。

 310サニーをベースに、白/ワインツートンなんて酷い色に塗ってみたり。


 トドメに、ドアミラー化の上に全く似合わないフルホワイト仕様。

 
 勿論それだけではなく、普通の中古車も販売してますよ~

 売り物がB11サニーとサンタナだけとか、ある意味バツゲーム。

 ターボ・ルプリは、B12のツインカム搭載車が出るまでは意外と人気が高かったらしく、値落ち率も低めで高値安定です。

 ルプリに限定車なんてあったの?

 クーペの廉価版1300ESなんてレアグレードも普通に販売されています。
 

 そしてサニー以外には、こんなレア車も。
 A10系スタンザの輸出用5ドアをベースに、昭和54年月から2年間生産された勘違いRV仕様「リゾート」

 言うまでもなく、新車時には全然売れてない車です。 グレードこそ1800ccで一番安いGタイプながら、イメージカラーのベージュ/ブラウンツートン「トーン・オン・トーン」を発注された強者がいらっしゃったとは。
 
 そんな珍しい車であることを知ってか知らずか、お値段は5年オチのわりに中々強気です。
 年式が一年古いとはいえ、セダンだったら同じくらいの走行距離の最上級グレード「マキシマGT-E」が、ほぼ半額で買えちゃいます。




━━しかし、まだまだ驚くには早いのです。
 
 あまりの販売不振の為に僅か1年足らずで打ち切りを喰らい、パルサーベースの「リベルタ・ビラ」にモデル更新された希代のレア車、「バイオレット・リベルタ」

 この1冊には他に2台もバイオレット・リベルタが掲載されています。 しかも揃いも揃ってGLなんていう微妙なグレードばっかり(笑)


 この5ドアなんて、残っていたら卒倒しちゃいそう。


 そして、ただでさえレアなT11系の中でも一番レアな仕様かと思われる、オースターJX前期3ドアの最上級グレードGT-EX、青ツートンもディーラー中古車として販売されています。

 いくらフル装備とはいえ、新車価格はブルーバードのターボやスカイラインのGT系と同じレベルの160万円。 しかもセダンの同グレードより4万円も高価なのです。 そりゃ売れてる訳がありますまい。

 3年落ちで83万円は、当時のT11の相場的にはボッタクリな価格かもしれません。しかし新車価格の半額、中間グレードGS-Xの中古価格にプラス28万円であるなら充分妥当かと。
 
 そもそもオースターJXの3ドアの物件は全部でこれだけです。 ひょっとして、バイオレット・リベルタよりもレアなんじゃ?


 今の目で見ると、なんとマジキチな品揃えだことでしょう……こんなのが当時は普通だったんですか~(溜め息)

 もう、これはタイムスリップして全部買い占めたい。

 えっ!?こんな車、今でも価値がないだろうですって。
 心配ご無用。きっと、シャリマールさんなら喜んで持っていってくれますとも。
Posted at 2013/12/04 02:59:40 | コメント(8) | トラックバック(0) | 時任三郎と松坂慶子 | 日記

プロフィール

「もう一台のタントはコペン純正レザーで!!」
何シテル?   06/07 19:02
ほら今日も、まゆげのおじちゃん探してくるよ、シケモク車。
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