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シケイカ★フェンダーミラー将軍・発動篇のブログ一覧

2016年12月31日 イイね!

中華の眉毛ハイゼットまとめ


 あ…ありのまま 今起こった事を話すぜ!
「中華製シャレードについて調べていたと思ったら、いつのまにか中華製ハイゼットのことばかり調べていた………!!!」
 な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった……… 頭がどうにかなりそうだった………もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ………

 2015年末に生産終了した中華シャレード追悼企画用に変遷をまとめていたら、前日譚にあたる中華製ハイゼットの部分だけで文章量がエライことになっていた件・・・そんなわけで、やむなく分割したのです。


●天津ダイハツの成り立ち

 1970年代後半以降の中国は、それまでの計画経済から方針を転換。商品・資本・労働などの対外取引を認める「改革・開放」政策が採られるようになりました。
 自動車産業においても、中国企業(ほぼ官営)と提携すれば外国企業にも市場が開かれた為(完成輸入車は関税250%なので、実質的に現地生産が前提)、新たに多くの自動車メーカーが誕生しました。

 華北平原・東北部に位置する都市、天津で1965年に創業した「天津市汽車工業公司」も、そうした時代の潮流にのるべく、1983年1月に小型貨物車の導入に向けた調査・研究プロジェクトを発足します。

 翌2月には日本のダイハツやスズキなどのメーカーを訪問。耐久性と経済性に優れるという判断から、ハイゼットのノックダウン生産を決定し、1984年3月3日にダイハツとの間に正式な技術提携契約を締結しました。通称「天津ダイハツ」の誕生です。

 あくまでも資本関係は結ばない「技術貿易結合」(技易結合)という、独自性を保ったままの技術的な提携という点が、後々の恐竜的進化に繋がっていくポイントになるのです。


●眉毛ハイゼットの現地生産


 1984年9月25日、部品を日本から輸入して生産された眉毛ハイゼット、現地名「華利」(ハウリー)の1号車がラインオフしました。


 基本的には、ダイハツが日本で製造している輸出向け「ダイハツ850」(S70型)と同様の仕様でノックダウン生産され、バンボディの現地名「TJ110型」、同ハイルーフ、トラックボディの現地名「TJ1010型」の3種類がラインナップされました。


 バンボディの「TJ110型」は通常の2列シート仕様の他、3列シートや2シーター仕様も選択可能だったようです。

 実用一辺倒なだけではなく、アトレー風ストライプも設定されていたことに驚き。

 バンパーはコーナーガードが付いて国内仕様より少しだけ大型化されますが、これも「ダイハツ850」の一般仕様と同一形状です。

 余談ながら、オリジナルモデルの「ダイハツ850」には、仕向け地や仕様によって衝撃吸収構造の超大型5マイルバンパー風バンパーも設定されていました。

 完全ノックダウン生産で独自のポイントは少ないとはいえ、流石にエンブレム類は天津ダイハツ独自の物に置き換えられています。 「TJ」というのは天津=TIAN・JINの略です。

 型式の異なるトラックは「TIAN・JIN DAIHATU」表記になるようです。

 バックドアのガーニッシュは当初は無地の物でしたが、国産化が進んだ後年のモデルになると車名入りの部品が起こされます。

 とはいえ成型はガタガタで樹脂の質自体も悪いのか経年劣化で割れている辺り、いかにも中華クオリティ。日本製だと草ヒロでも割れているのは見たことない部品ですし。

 足回りは国内ではアトレーにのみ設定の2WD・12インチホイール仕様となり、タイヤサイズは現地での入手のし易さを考慮してか、145R12→155/80R12にサイズアップしています。

 「TJ」マーク入りセンターキャップが萌え要素。でも6人乗り(どうせ過積載するでしょうし)
なのに4輪ドラムブレーキのままなのはいただけません。

 左ハンドルの内装も、120Kmスケールのメーター(国内は100Km)など基本的には輸出仕様と共通です。

 ダッシュボードとそれ以外の内装で色が違うのにモヤモヤ。(レストア車なのでオリジナルかは不明)

 こちらもステアリングの天津ダイハツエンブレムや細かいコーションマーク類は独自の物となっています。



 国内OP品より綺麗に収まったカセットステレオは現地品の車載用音響機器メーカー「江蘇天宝電子集団有限公司」製です。


 エンジンはシャレード用「CB型」993cc・3気筒をベースに、ボアダウンした843cc・41馬力の「CD型」エンジン、現地名「TJ376Q型」を搭載。(3気筒車はバンボディでもトラックと同じ、後ろ寄りの位置に搭載)

 縦置きと横置きの違いはあれど、基本的なエンジン廻りの部品や生産設備が共用できたことから、その後のシャレードの現地化がスムーズに進んだのでしょう。


●乗り合いタクシー「黄虫」

 当初は組立工が8人しかいない小規模なラインでのハンドメイドに近い生産だったこともあり、最初の2ヶ月で数十台しか生産できませんでしたが、市場からの反応は良好で生産は徐々に軌道に乗り出します。
 そして1986年からは本格的な国産化に着手、僅か8%だった内製部品の使用割合は、翌87年末に85%まで引き上げられ、年産2万台体制が整います。


 1987年には、NYのイエローキャブをパクった乗り合いタクシー「面包的士」(略して面的=食パン型タクシー)を発売。公営企業が社会インフラを自前で用意するのが、なんとも社会主義らしい。

 町をウジャウジャと埋め尽くしたことから「黄虫」と呼ばれ、庶民の足として親しまれました。

 これぞ桃源郷、シャレードと眉毛が舞い踊る酒池肉林。ラピュタは本当にあったんだ!!

 ちょっと前の我が家と同じというツッコミは無しで・・・

 「面的」仕様専用? 2列目を取り払ったスーパールーミーな4人乗り仕様も存在していたようです。(通常の3列シートもあり)


 そんな「面的」も安全性と排気ガス問題から1998年に廃止されてしまいます。強制廃車処分により文字通り叩き潰される眉毛たち・・・合唱。



●終わりなき魔改造明日へ

 1989年には初のマイナーチェンジを実施。バンボディの型式が「TJ6320型」に変更されたのに伴い、グリルのエンブレムが型式から車名に変更されました。


 ライバル車の増えた90年代も半ばになると、角目ヘッドライト・樹脂製バンパーで近代化された「TJ6320・G型」が従来の丸目モデルと併売されるようになります。


 この何とも言えない投げやりな感じが素敵(ハート)


 えっ?刺激が足りないですって。ならば1998年に登場した乗用デラックス仕様「オデッセイ・TJ6330型」は如何でしょう。

 眉毛を剃り落とすなんて不良!!「裏・ムーヴ」ならぬ「裏・眉毛」なカスタムっぷりに絶句、某ホンダ車風な名前と言い、まさに人(車)生の裏街道。

 でも残念、そんなのは序の口です。まだまだ中華のお約束、魔改造上等なバリエーションは盛りだくさんですから、お気を確かに。

 全幅をオリジナルの1395mmから1565mmに拡幅、全長も3195mmから3545mmに延長したワイド&ロングなボディ「TJ6350型」(8人乗りやハイルーフ仕様も設定)
 

 ハイエース風に表現するなら、さしずめスーパーロングといったところでしょうか?

 さらには、スーパーロングがベースのダブルキャブ「TJ1010SL1型」というキワモノも・・・


 申し訳程度な荷台のショート(ジャンボの荷台を流用?)と、通常のトラックと同じロングの2種類の設定があったようです。


 そんなこんなで、「面的」需要の無くなった21世紀になっても、中華シャレードの半額以下という価格の安さ、使い勝手の良さから人気は根強く、2000年にはエンジンをEFI化(!)した「TJ6330GE」を追加して進化は続きました。

 2気筒キャブの牧歌的なフィーリングの国内仕様に較べたら、こりゃもうスーパーカー。
 
 ところが2002年に「天津汽車」が中国最大手のメーカー「第一汽車」に吸収合併されると、新たに設立された「一汽華利」に知名度の高かったブランドネームと生産設備を引き継ぐ形で、「華利」の生産は打ち切られてしまいます。

 2003年からは、当時最新鋭のテリオス(普通の輸出仕様そのまま)と、L900ムーヴに生産が切り替わるのですが、どうしてこうなった?

 その名も「幸福使者」!!アレなお薬キメてハッピーなんですね、わかります。

 それから15年近くが経過した現在、営業車は新車から8年・個人所有車は15年を越えると強制的に廃車という使用期限が設けられていた(個人車は2012年に廃止)ということもあり、中古パーツの使用も違法とされていることから、部品供給の厳しくなった「華利」の残存数は極めて少ないものと思われます。

 それでも、2011年に開館した北京の国際自動車博物館に「黄虫」の再現車が展示されるなど、歴史的な遺産としての側面から見直しが進みつつあり、保存する動きも出てきているようです。

 世界広しといえど殿堂入りした眉毛はこれだけでは?VWタイプ2と同等に扱われるという、この素晴らしい世界に祝福を。
Posted at 2016/12/31 22:48:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | まゆげ | 日記
2016年02月28日 イイね!

北米仕様のAE86まとめ



 第2次MYブームのプラモデル製作の資料用に北米仕様のAE86について調べたので覚書きです。自分ごときが語るのはおこがましいような人気車種かとは思いますが、実はAE85(GLライム)の元オーナーだったりするので、どうぞご容赦を。
 
 AE86の北米仕様は、1984年にFMVSS(米国連邦自動車安全規格)で電球交換式ヘッドライト(異型ライト+ハロゲンHb1球)が許可されるまで、SAE規格型ヘッドライトを使用することが義務付けられていた為、トレノ顔を装着したレビン、いわゆるトレビンがカローラクーペとして販売されていました。



●1984モデル

 ボディ形状は2ドアクーペと3ドアハッチバック(リフトバック)の2種類。当初は4A-Gツインカム搭載車は導入されず、1,6リッターのシングルカムエンジンを搭載した、国内の1,5SR(AE85)に相当するSR-5、1,5GLに相当するDX(一般販売されていない?)が設定されていました。

 国内トレノ2ドアGT APEXのイメージカラーであるハイメタルツートンと同色の銀黒ツートン(2M8)とホイールのせいか、ぱっと見の印象は代わり映えしませんが、大型5マイルバンパー、それに伴い変更されたグリル、サイドマーカーなどのレンズ類など、北米仕様のお約束装備は満載。



 リフトバックも国内トレノ3ドアGT APEXのイメージカラーのハイフラッシュツートーンと同色の赤黒ツートン(2M9)のせいで、古谷一行さんが『衝撃、SEXYトレノ。』 って言い出しそう。

 でも国内と北米でイメージカラーが一緒っていうのは割と珍しい例かも?これらのツートンカラーとアルミホイールは、スポーツシートとセットで「スポーツパッケージ」としてオプション設定されていました。

 素のSR-5はというと、黒バンパー、AE85と共通の13インチデザインスチールにトリムリングの付いたホイールで、こっちの方がバタ臭くて北米感が強いですね。


 内装もデザイン的には左右が反転しているだけで、セリカ系と共通のクラッシュパッド内臓ステアリングやマイルメーター程度の違いしかありません。

 内装色は国内のGT系に設定のある茶色&あずき色がなく、AE85と同じ茶色&ベージュ、ブルー&グレーの2色だけだったようです。

 なので国内には存在しない茶&ベージュカラーのスポーツシートという仕様も北米では選択可能でした。


 エンジンは、4A型1587ccSOHCエンジンを電子制御キャブでカリフォルニア州の排ガス規制に適合させた4A-C型を搭載。


 それ以外の機関系は基本的にAE85共通で、5MTと4ATが選択可能でした。

 シングルカムでも一応4A型なのでコーションプレート上はAE86となりますが、北米のVINナンバー(ドア内側についているプレート)だとSR-5グレードのみAE86、DXグレードがAE85という、ややこしい事態に。

 北米仕様らしくオプションも豊富で、サンルーフ、クルーズコントロール、エアコン、パワーステアリング、電動ミラー、リアワイパーを組み合わせることで機関系以外は国内のGT APEXと同等の仕様を作ることも可能です。


●1985モデル

 待望の4A-Gツインカム搭載のGT-Sグレードを新たに追加。北米市場でトヨタが初めて販売するツインカムエンジン搭載車でもありました。


 SR-5とは気合の入り方が全然違い、フロントスポイラー、リアスポイラー(リフトバックのみ)、14インチアルミホイール、カラードバンパー、専用ストライプなど、国内や他の仕向け地とも全く異なる独自の仕様となり、スペシャルモデル感が強調されていて素直にカッコイイです。


 バンパー下部をブラックアウトして引き締める手法は、当時FFコロナ(T150系)でも用いられていましたね。

 GT-Sの内装は、GT-Sの導入と引き換えに廃止されたSR-5のスポーツパッケージ内装と共通の仕様となりますが、デジタルメーターがオプション選択可能になり、内装色は国内GT系と共通の茶&あずき色の他、当時の国内仕様には設定されていない黒&グレー内装も設定されていました。


 GT-Sは5MTのみ設定、国内GT APEXと同じくリアディスクブレーキを標準装備、LSDもオプション装着可能で、SR-5と同じくGT-Sもオプションの幅が広く、組み合わせ次第で国内のGT APEXにもGT-Vにもなったようです。


 肝心の4A-Gは、カリフォルニア州の排ガス規制に適合させる為にエアフロメーターをフラップタイプのLジェトロ方式(おそらく3S-Gの流用)に変更、高負荷連続走行に耐えるようオイルクーラーを装着した4A-GECを搭載しています。

 北米で4A-G搭載車はコーションプレート上はAE86、VINナンバー上ではAE88として扱われていいます。


●1986モデル

 国内のマイナーチェンジに対応した変更を実施、いわゆる後期型です。この1986モデルからセダンは異型ライトに変更されましたが、クーペモデルはアメリカ人がリトラクタブルライトを好むことからトレノ顔のままとされました。

 リトラクタブルヘッドライト前端が黒い樹脂だったのをガーニッシュ化、レビンと共通デザインのテールレンズを小型化したのは国内と同じですが、フロントの5マイルバンパーのデザインもシンプルなものに改められ、SR-5グレードではバンパー上部をカラード化、法規対応でハイマウントストップランプも装備しています。

 SR-5にオプションの13インチアルミも国内後期と共通デザインのものに変更されています。

 SR-5にのみ赤黒ツートン(1985モデルから2T6に変更)が引き続き設定されましたが、1986モデルのみサイドモールが塗装されておらず何だか締まりません。


 GT-Sグレードは、国内ブラックリミテッドと共通デザイン・・・というかGX71流用のアルミホイールに変更、国内でOP品のイントラアルミにセットされるホイールアーチモールを装着、バンパーはモノトーン化、サイドステッカーが小版になったこともあり、大人っぽい雰囲気になりました。



 GT-Sにもツートーンカラーが設定されていましたが、ライトブルー/ミディアムブルー(2X5)という、スプリンターカリブのような色で違和感バリバリです。だが、それが良い。


 このツートン、セダンにも設定あるんで驚きです。


 一方、内装の変更点は少なく、ステアリングのデザイン変更と計器版の手直し程度です。


 スポーツシートも前期型のデザインのままという中途半端さ。なんだかフジミのプラモみたい(笑)

 しかし形状こそ前期用に似ていますが、よく見ると別物かと。

 内装色は茶系がカタログ落ちとなり、SR-5は黒&グレー、ブルーの2色、GT-Sは黒&グレーの1色のみに減少しました。


●1987モデル

 次期モデルのAE92系を意識してか、リフトバックは廃止され、2ドアクーペSR-5とGT-Sのみのラインナップとなりました。

 それまでの販売割合でいうと、2ドアクーペ1に対してリフトバック9という状態だったので、現地法人的に面白くない状況だったというのは想像に難くありません。

 モデル末期だけに殆ど変更らしい変更点はありませんが、1985モデルでカタログ落ちしていたSR-5のスポーツパッケージ内装が復活しました。


●北米仕様ボディカラー一覧

<GT-S>

・Black Metallic (204):1986モデル
・Black (202):1987モデル
・Blue Metallic (8D7):1987モデル
・Medium Blue Metallic (8D4):1986モデル
・Medium Gray Metallic (159):1987モデル
・Red (3E6):1985モデル~1987モデル
・Silver Metallic (147):1985モデル
・Silver Gray/Black (2C5)141+202:1985モデル
・Lt Blue/Md Blue (2X5) 8C7+8D4:1986モデル
・Silver/Gray (23D)164+159Black (202):1987モデル

<SR5>

・Black (202):1987モデル
・Blue Metallic (8D7):1987モデル
・Dark Gray (136):1985モデル
・Dark Orange Metallic (3D6):1984モデル
・Deep Blue (8B1):1984モデル
・Light Blue Metallic (8A8):1984モデル~1985モデル
・Light Blue Metallic (8C7):1986モデル~1987モデル
・Light Topaz Metallic (4E1):1984モデル
・Medium Gray Metallic (159):1986モデル~1987モデル
・Red (3D7):1984モデル
・Red (3E6):1985モデル~1987モデル
・Rose Gray Metallic (3C7):1986モデル
・Silver Metallic (147):1984モデル~1985モデル
・Silver Metallic (148):1987モデル
・White (038):1984モデル
・White (041):1985モデル~1987モデル
・Wine Metallic (3G9):1987モデル
・Yellow (558):1987モデル
・Silver/Black (2M8)147+202:1984モデル
・Red/Black (2M9) 3D7+202:1984モデル
・Red/Black (2T6) 3E6+202:1985モデル~1986モデル
・Lt Blue/Md Blue (2X5)8C7+8D4:1986モデル
・Silver/Gray (23D):1987モデル

 以上がカタログモデルの変遷な訳ですが、プラモ製作の息抜きに軽く調べただけなので違っている点があったらごめんなさい。(でも作っているプラモは北米仕様じゃないの)

 最後にカタログモデルばりによく出来たボディ改造事例をご紹介。TE50系や70系に設定されていたリフトバックボディを彷彿とさせます。

 流石はカスタム文化の根強いアメリカだけあって盗難アジアの切った貼った音戸のお化けとはエライ違い。 えっ?アコードエアロデッキみたいですかそうですか。
Posted at 2016/02/28 16:03:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | トヨタ | 日記
2015年06月22日 イイね!

インドのコレジャナイ・シャレード

 
 盗難アジア、もとい東南アジア圏において強固な地盤を持つダイハツですが、ある意味スズキ王国といった感の強いインドには現在に至るまで未進出・・・と思ってたら、あら不思議?!

 あまりにも2代目シャレードにクリソツな、シパニ社の「モンタナD1」という車が存在しているではありませんか!!


 とはいえオリジナルと較べると、給油口が反対側に付いていたり、ピラー廻りの構造が全く異なってドリップチャンネルが無かったり、妙にエッジがカクカク・ウネウネしていて初期のポリゴン数の少ないCGのようだったりで何かが可笑しい。


 それもその筈、このモンタナD1はダイハツに無許可でシパニ社が遊園地のゴーカートよろしくFRPでコピーしてデッチ上げたプロトタイプ車なのです。

 1974年、インド南部・カルナータカ州の州都バンガロールに英国「リライアント」社の協力で誕生した「シパニ」社は、1975年より3輪自動車「リライアント・ロビン」を独自に4ドア化した「シパニ・Badal 」(バーダル?)の生産を開始。

 「リライアント・ロビン」に基づいたFRP製ボディにイタリア製2ストローク、198cc、10馬力の単気筒エンジンを搭載、タクシー用途に向けて販売されました。

 同モデルの4輪バージョンである「Badal・4 」も開発されましたが、どちらも販売成績は成功とは言えない結果に終わります。


 そこで1982年より「シパニ」社は「リライアント」社が同年に生産を終了した850ccの小型FR車「キトゥン」の生産設備を譲り受け「シパニ・ドルフィン」としてライセンス生産することで死中に活を見出そうとしたのですが・・・

 2ドアのみで4ドアボディを持たないことから市場ではまたもや苦戦。

 その直後にスズキが「マルチ800」(アルト)の現地生産に乗り出すと、「シパニ」社も「ドルフィン」の4ドアモデルとして開発した新型車「モンタナ」に生産を切り替えて対抗の構えを見せます。

 しかし悲しいかな資本力の大きな差は如何ともしがたく、バンパーやレンズ類は「マルチ800」からの流用でした。

 ところが意外なことに「モンタナ」は商業的成功を納め、そこで調子に乗ったシパニ社は大型の上級バージョンである「モンタナD1」を企画してしまったのです。


 当初「モンタナD1」は「フィアット1100」の現地生産車「プレミア・パドミニ」からコンポーネントの流用を予定していたのですが、設備投資等の問題から結局は従来の「モンタナ」の物を踏襲せざるを得なくなり、シャレードそのものだったプロトタイプからボディのデザインは魔改造されちゃいます。

 うーん、旧共産圏で配給制だった車と言われても納得しちゃいそう。さしずめ「トラバント」の新型モデル「シャレーバンド」

 プロトタイプに較べて車幅が狭く、ドアサッシ形状もマルチスズキのガラスを流用する為に全く異なり、もはやシャレードの面影がリアクオーターくらいにしか残ってません。
 
 ホイールのデザインでおわかりのように足回りの部品もマルチスズキ製です。

 FRP成型の都合でしょうか?初期モデルのリアハッチゲートは省略されガラスハッチに。

 レンズ類もマルチスズキ流用につき、フロンテのワイドボディみたい。
 
 ハッチゲートつきに進化した後期モデルも初代カルタスにしか見えないという罠。


 内装の詳細は不明ですが、おそらくベースのモンタナと同じくFRPの悪夢といった趣のダッシュボードなのでしょうね~


 エンジンはインドの「マヒンドラ」社がミツビシのライセンスで生産する、トラクター用1,5リッター4気筒OHVディーゼルを搭載。
 排気量が大きいこともありシャレードの1リッターCL型ディーゼルを上回る40馬力を発生、ボディも軽量なので動力性能はCL型のターボ仕様に匹敵するレベルかと。

 ひょっとしたらディーゼルエンジンを搭載するコンパクトカーという点から、コピーベースにシャレードが選ばれたのかも?

 このエンジンをリライアント由来の4速MTでFR駆動するわけなのですが、これが曲者でディーゼルの大トルクに駆動系が耐えられずトラブルが多発。
 これに悪い顧客サービスと弱い販売網が重なり悪評が立ってしまい、モンタナD1は1990年前後に僅か290台が生産されただけで生産終了、シパニ社自体も多大な負債を抱え後に倒産してしまいました。

 文字通りデッド=死という意味でのデッドコピーだったわけですな。

 まさに見た目に違わぬ邪神像(笑)
 存在自体がリビングデッド=ゾンビなコピー車ですか、そうですか。
Posted at 2015/06/22 01:22:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | シャレードがいっぱい | 日記
2015年02月08日 イイね!

カタログなき競技ベース車:スターレットのモータースポーツパッケージ




 あぁ!?なんとした事でしょう。
 「便りが無いのは良い報せ」とはいかなかったようで、非常に残念な一報が飛びこんできました。

 黒バンパー、鉄ホイール、エアコンレスと三拍子揃う、トヨタ86の競技ベース車「RC」が、2月10日のマイナーチェンジで販売不振を受けて廃止されるというのです。

 せめてスバルBRZのRAグレードのようにエアコンをOPで装着出来れば、もう少し売れていたかもしれないのに。

 そういえば、かつてMR-Sに設定されていた鉄ホイール、手巻き窓、エアコンレスというBエディションも途中で廃止になっていましたね。

 ある程度需要の限られるスポーツ走行に特出した仕様は、やはり商売としては成り立ち難いのでしょうか。

 初代セリカのGTVを皮切りに、バブル期までは走りに不要な装備を省いた廉価仕様としての側面を持ちながら、様々な車種に設定されていたのですが・・・

 それを象徴するのが、かの有名なGX71チェイサーのツインターボGT-S。

 ハイソカーなのに、手巻き窓、エアコンレス、おまけに5MTオンリー!!

 上級ファミリーカーである筈のFFビスタ/カムリにも同種の仕様である、VS/ZSツインカムがあったのだから、なんとも恐ろしい話です。

 こちらは流石に4ATも選択可能でしたが、ビスタの5ドアVSなんて本当に受け皿があったのか心配になっちゃいます。

 それとは逆に、コロナ/カリーナ、セリカの「-R」が付かない素のGT系や、初代カリーナEDのGグレードあたりは廉価版的な性格が強いものでした。


 勿論それだけに留まらない、スパルタンな本気の競技ベース車も数多くラインナップ。

 GA2シティが実戦投入されるまでの常勝マシンEP71スターレットRiや、同じく土系競技やフレッシュマンレースなどでお馴染みのターボR。

 なんとターボRの広報車も用意があって、トヨタの本気が伺えます。

 スポーツパッケージを装着しない、カローラFX-GTの標準車も競技の薫り。


 お洒落なイメージの強いAE92レビン/トレノも、AE86から硬派なGTやGT-Vを継承。


 何故かクーペボディのGTVは前期のみ、後期からはカローラFXに変更されています。


 特にセリカは、60系のホモロゲモデルGT-TSを筆頭に、自ら「RALLY」と名乗るグレードがあるほど。


 なかでも180系のGT-fourは、装備をやや簡素化したVパッケージ、一切の装備を廃し軽量化、クロスミッションまで奢られたラリーパッケージの2種類も設定する気合いの入りようです。



 このようにして長い歴史を積み重ねてもいれば、例外的にモータースポーツ関係者向けに販売された裏メニューがあったとしても不思議はありません。
 その最もたる例として挙げられるのが、SW20・MR2のジムカーナベース仕様、EP91スターレットの「グランツァVモータースポーツパッケージ」でしょう。

 MR2のジムカーナベース仕様は、ターボの廉価グレードGT-Sをベースに、エアコン、フォグランプ、リアウィングがレス装備となる軽量化モデルです。

 これらの仕様はカタログに記載がなく、当時聞きに行ったディーラーも把握しておらず、詳細はお客様相談室に電話して教えてもらうしかありませんでした。

 果たして、スターレットのモータースポーツパッケージとは、如何なる仕様だったのでしょうか?



〈外装〉


 外装はミラーが廉価グレードと共通の未塗装品になる程度で、ボディカラーも標準車と同じものが選択可能でした。

 唯一大きく異なる、ホイールキャップレスで剥き出しとなる鉄ホイールも、サンプル例のように社外アルミに交換されているのが大半かと。

〈内装〉


 この手の競技ベースのお約束、交換が前提の簡素な仕様が特徴。
 全車標準装備のエアバックも省かれ(標準車にはレスOP設定無し)、装備的には最下級グレード「ルフレ」と同等になります。

 シートもルフレと同じ形状のハイバックタイプですが、カタログモデルに存在しない全面ビニール貼り仕様です。(ビジネスパッケージ用?)

 画像はルフレ。シート座面中央のみファブリック。

〈メカニズム〉


 スペック的には変更ありませんが、過吸圧のハイ/ロー切り替え機能が廃止。
 それ伴い、お節介な1速ローブースト固定制御もなくなり本来の性能をフルに発揮出来るようになりました。

 スポーツ走行において無用の長物となるABSも省かれています。(こちらも標準車はレスOP設定無し)

 OP設定となるリアタワーバーも、このグレードに限っては標準装備です。

 エアコンとパワステも標準装備され、他にもメーカーOPでパワーウィンド&電磁ドアロック、ビスカスLSD、寒冷地仕様の設定がありました。

 こうして価格表には記載があるので、一般ユーザーも購入自体は可能だったものと思われます。

 これだけ手の込んだ仕様でありながら、前、後期を通じて標準車より大幅に安く購入出来たのだから良い時代です。

 しかし、それを羨やむ必要なんてありません。
 モータースポーツパッケージの系譜は現在でも途絶えることなく、ヴィッツRSレーシングとして続いているのですから。

 テクノクラフトで競技用パーツを組み込んだコンプリートカーとして扱われているのとは裏腹に、ベース車自体もメーカーのラインで製造された独自の仕様になります。

 スモークガラスレス、アルミホイールレス、廉価グレード同等の内装など、まるでモータースポーツパッケージの生き写し。

 効率化一辺倒の現代車にあって、ここまで徹底して作り分けがなされているのは、とても贅沢な事かもしれません。

 そんなトヨタのやる事であるだけに、86の競技ベースも、そのまま廃止になる訳ではなく、Gグレードに「遮音材レス&鉄ホイール」のセットOPという形で残るようです。

 ワンメイクレース用コンプリートカー「86レーシング」のベース車と共通化?

 こういった車両を、こうまでして細々ながらも供給を続けてくれるトヨタの心意気というのは、もっと評価されて然るべきなのではないでしょうか。
Posted at 2015/02/08 02:17:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | トヨタ | 日記
2014年12月06日 イイね!

<妖怪車ウォッチ>サイバラードCR-X&180MX-3&ドラローラ



 ここは時流に乗って「妖怪のせいなのねそうなのね」と言うべきなのでしょうか・・・タイで売られている中古車は露骨に変な姿の物ばかりなのです。


 一見すると、CAアコードのホイールキャップ以外はノーマルで程度の良いサイバーCR-X。

 エンブレムの位置がおかしいせいでパッと見だと気になりませんが、なんだかアスペクト比がおかしいような?


 後ろに回って、アレ? 

 妙にペキペキ四角いし、リアエンドの「エクストラウインドウ」がない・・・だと?


 内装を見て納得。

 これバラードスポーツじゃん!!


 おそらく特徴的な樹脂のフェンダーやグリルが南国の日差しで崩壊しちゃったせいで、サイバーの顔面を移植したんでしょうね~(車体自体はアメリカからの逆輸入)

 あんまりにも完成度が高すぎて、タイ仕様はこうなってるのかと思って本気で調べちゃったのは秘密です。



 しかし世の中、必ず上には上がいるもの。


 
 MX-3=プレッソ/AZ-3というのは分かるんですよ、うん。しかしツッコミどころが多すぎて、何がナンやら。(2,5ってクロノス系のV6じゃあ)

 とりあえずバンパーは180SXの前期用でOK? 
 リトラやフェンダーはファミリアアスティナ用かと・・・どちらも基本骨格がBGファミリアだから付くんでしょうけど。


 でも一番強烈なのはこちら・・・ DORAEMON?ドラえもんのことかぁ!!

 ぶっちゃけ、ドラえもん要素が何処にあるのか不明。まさか新手の痛車?


 元祖妖怪アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌に、「お化けにゃ学校も~試験も何にもない」と歌われてるのも納得です。
 だってタイには保安基準や車検なんてシステムは存在しないんですもの。
Posted at 2014/12/07 00:19:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「もうすぐ30年になるという旧車であれば前期化でしょ!!(あえてフロントのみエアロレスが個人的にツボ)」
何シテル?   10/04 18:56
ほら今日も、まゆげのおじちゃん探してくるよ、シケモク車。
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本来なら、まだデュエットと末永く付き合うつもりでした。 でも、足を痛めてしまい急遽AT車 ...
ダイハツ エッセ 汚いエッセを見つけたので虐待する事にした (ダイハツ エッセ)
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