
Nexus7とUSB DDCによる「
Androidトランスポート」の調子がよかったので、車載化してみました。
その前に設定方法と音質レビューから。
USB Audio Player PROで変更した設定項目は、ボリュームコントロールを無効にすること。これだけでファイルのデータを無加工で出力するようになります。その他バッファサイズなどありますがデフォルトのままで問題ありませんでした。
※当然ですが音量100%となるので、DAC以降でボリューム調整できるシステムでないと危険です。
自宅システムでの音質は、PCオーディオの時と遜色なく接続したDACの音が出ており、トランスポートとして十分機能していることがわかります。
しかも、なぜかPCに同じDDCをつないだ時より心地よく感じます。
最初は気のせいかと思いましたが、USBケーブル以降全て揃えて同一ファイルによる比較を繰り返した結果、やはりタブレットで駆動するとわずかに細身になり空間が広がります。逆に力強さはPCで再生した方が出るようです。
ただ、好みの差程度の微妙な違いなので基本的には同じ音と言っても良いと思います。CDとハイレゾ音源の違いを1/10位に薄めた感じ、といえば伝わるかな。
(PC環境はThinkPadX240s/Win8.1/foobar2000/WASAPIです。)
USB区間での伝送はタイミング情報を伴わない純粋なデータ通信なので、この部分の音質差は原理的には無いはず(デバイスとの通信がAsynchronous転送モードで、かつトランスポートがビットパーフェクト出力できている前提で)です。あるとすればVBUS/GNDを接続することによる電源ノイズの影響で、これもアナログ部分を持たないDDCは受けにくいと思います。それがこの程度ということでしょうか。
考えてみれば、タブレットは低消費電力のCPUやバッテリー駆動などハイエンドのPCオーディオで苦労してやっていることを当たり前に実現しているわけで、実は音質的には有利なのかもしれません。
ま、いっか。眉間にシワ寄せて聴き比べるのは得意じゃないのでw、PCオーディオ並みのモバイル音源が手に入ったと喜ぶことにして、車載行きます。

1. 同軸デジタルケーブルを運転席シート下のプロセッサーから助手席シート後ろへ引き回します。ケーブルはちょっと奮発しました。銀コート線♪
・同軸デジタルケーブル AT-SD2000/1.3 (audio-technica)

2. USB DDCは、結局自宅用のhiFaceをそのまま使いました。助手席シート下にベルクロでペタッと固定。
・USB DDC hiFaceTWO Pro (aurora sound)

3. タブレットは助手席シートレールのボルトに車載マウントで固定しました。
USBケーブルは普通のPC用。
・シートボルト取付ロングマウントGN088-L22-SBH (ARKON)
・汎用型タブレットPC用ホルダーTAB001 (ARKON)

Nexus7をマウントにセットし、前回使用したOTGケーブルで接続します。
これで完成です。
このままだと走行中揺れますが、アームをシートに押し付けたら安定しました。
試しに再生しながらハイドラしてみたところ(バックグラウンド再生可能です)、イベントやメール着信があっても途切れたりノイズが入ったりすることなく快調でした。
UAPPの説明には「ノイズが出るようならエアプレーン(機内=電波を使わない)モードにしてください」とあります。今回のシステムではWiFiやLTE、GPSを稼働させながらでも問題ないようです。
(2014/4追記)
GPS/LTEなど稼働状態でまれに(1アルバムで1回あるかないか)音飛びすることがありましたので、バッファサイズを1段階増やしたら音飛びしなくなりました。
UAPPはそれ自体がドライバを持っていてUSBを占有する形になるため、USB側には再生中の音楽だけ、それ以外の音は全てNexus7の内蔵スピーカーから出てきます。これは好みが分かれるところですが、メール着信音などに邪魔されないので自分はメリットだと思います。
また、AndroidOSのオーディオミキサー(AudioFlinger)を通さないので音質的にも有利になります。
古くはカーネルミキサー・・・などと解説を始めるまでもなく、PCオーディオをかじった人はピンときていると思いますが、実はこれこそがUAPPのキモ、高音質プレーヤーと言われる所以です。
裏返しとして当然ながら、UAPP以外の音、例えばネットラジオとかはUSBで聞けません。
UAPPをドライバのように他のアプリから使えるようにする構想もあるようですので、そちらに期待です。
音質は自宅で確認した通り「ピュアオーディオグレード」と呼べるもので、S/N感など良好です。
機能は必要最小限といった感じですが、操作性はタブレットの「ヌルヌルサクサク」なので、例えば信号待ちで大量のライブラリからアルバムを選ぶのも容易で専用機にはないレスポンスの良さがあります。
このシステム、問題点は
Nexus7をOTGモードで使うと充電ができない!
こと。USBはホストとなるものが電源供給するルールなので、Nexus7のようにUSB端子を使って充電する端末ではこうなるのが普通の仕様です。
Nexus7は長時間駆動できる方ですがUSBの分も供給する必要があり、一日使ってバッテリー残量が少ない状態でクルマに持ち込んだりすると苦しくなります。
ならばと、Nexus7にもう一つある給電手段、ワイヤレス充電のQiも試してみましたが、Qiで給電していてもOTGケーブルをつないだ途端に充電が停止してしまいました。こちらはハードウェアの都合でしょうか。うーん、惜しい。
(3/23追記)
OTGモードでも充電できるカスタムカーネルを見つけました。つまり、Nexus7ではカーネル入れ替えまでしないとUSBオーディオと充電の両立はできないっぽい。
やはりroot化は避けて通れないのか・・・ちょっと
躊躇調査してます。(半分やる気)
(3/28追記)
カーネル入れ替えして充電できるようになりました。
(9/20追記)
カーネルを書き換えなくてもUSBと充電を両立できる端末を探してみました。
こちらもご覧ください。
現在のシステム図
いちおう「デジタル伝送」をコンセプトにシステム構築しているつもりなんですけど。
なんでしょうね、この、おもちゃ箱感は
今回のAndroidトラポはハイレゾ対応ですが、デジコアが受け付けてくれないので16bit/44kHz(48kHz)に封印です。まだまだやることはあるので、今年はCD音質で基礎体力を上げていきたいと思います。
となると、どのソースもスペック的には横並び。ディスクメディア再生用のDVDチェンジャーはいいとして、残り3つ(CFカード、Nexus7、iPod)の使い分けについては、
・・・
考えてなかった。今後の課題といたします。
(追記)
以前に
取り上げたオーディオテクニカのデジタルトランスポート
AT-DL5HDが発売されました。
こちらは、インターフェースとしてHDMI(MHL)を使用します。今回自分が使ったUSB接続ではビデオ出力・充電が難しいので「まぁ順当な選択だよね」と思います。
オーディオ的にはちょっと気難しいところもあるHDMIからどれほどの音を引き出せるのか、興味津々です。
ところで、リモコンどうしたの?(´・ω・`)
関連ページ
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