
乗り換えと同時に導入した「
ワイヤレスオーディオ」でしたが、いったん取り下げてUSBオーディオに戻ってきました。
転んでもただでは起きまいと・・・というお話です。
タイトル写真を見れば
「お、ナビとうまく統合できたじゃん!」
なんですけど、これがなかなか癖のあるシステムになりました。うちのページそんなんばっか。
次期主力音源の候補として考えていたこのシステム

Wi-FiオーディオのCompanion One (Celsus Sound)をDDCとして使用し、楽曲データはタブレット端末をDLNAサーバーにして供給、コントロールはタブレットの画面を彩速ナビに表示させて行う、というハイテク大盛りプランだったのですが、実験してみたところ自分の環境ではWi-Fiの安定性に難がありまして・・・泣く泣く不採用となりました。
ワイヤーワールドの光ケーブル高かったのに・・・
自宅のルーター環境では問題ないので、Xperia Z3とCompanion Oneの相性かもしれません。無念です。
と、ここまでが前回。
その前に使っていた
USBオーディオは音も良く動作も安定しているものの、コントロールするスマホやタブレットの置き場に困るのが最大の問題でした。

前車ティーダラティオではこんな感じで、助手席シートレールにタブレット用のマウントアームを取り付けて固定していました。後付け感があるし、隣に誰か乗るとたいてい不評なので今回は却下。
画面は大きくて見やすいし、ハイドラするにも便利なんですけど。
Android端末との連携に優れる彩速ナビを使ってUSBオーディオを操作する方向で構想します。
ナビの映像入力はHDMI(MHL)を使いますが、スマホやタブレットではUSBとMHLが排他仕様になっているので、USBオーディオを使うと映像出力ができません。
そういえばMiracastという手がありましたな・・・今度実験してみましょうか。
そこで、USBを使いながらHDMI出力が可能な家庭用のAndroid端末を車載機に仕立てることにしました。
ホームオーディオ用に使っているNexus Playerからの発想で、車載に適したものを探してみました。
選んだのはコレ。

Andoer i68 Android 5.1 TV Box
テレビにつないでネット動画などを見るためのSTB(セットトップボックス)です。
あまたあるSTBの中で、オクタコア(big.LITTLEアーキテクチャなので実質クアッドコア)の最新CPUでそこそこパワーがあり、電源は5Vと便利な仕様。これで1万円台なんて、楽しすぎるぜAndroid。今回はこいつを車載してみます。
Amazonで注文すると、中国からビックリする位の簡易梱包で送られてきました。
手のひらサイズの筐体に、左からSDカード(標準サイズ)スロット、標準USB×2、microUSB(OTG)、DCin、標準USB、HDMI、LAN、光デジタルが並びます。Wi-FiとBluetoothも完備しており機能的には文句なし。
こんなのを使うと、「便利だけど音はそれほどでもない動画プレーヤー?」と思う人が多いと思います。しかしここで目指すのはオーディオ専用機レベルの「本気音源」です。よって本体の光デジタル出力などは使いません。
車載化するシステム構成としてはこんな感じ。デジタル伝送、かつDDCをはさむことにより、「PC的なもの」を使う事の音質的な影響を排除します。
まずは自宅でセットアップして様子見です。

初期状態はSTB然としたランチャーなどなく、この通り標準Android OSの画面です。む?左上のこのアイコン・・・

なんと最初からルート取得済みでした。怪しすぎるぜ中華BOX・・・手間が省けて助かります(後述)
必要なアプリをインストールして、クルマに持ち込みます。

ナビ用HDMIケーブル KNA-13HC(ケンウッド)
HDMI延長ケーブル HDM10-948FM(ホーリック)
USBケーブル SUPRA USB 2.0/3.0m(サエク)
USB→DC電源供給ケーブル DC-5521A(COMON)
小型のSTBはコンソールボックスにも余裕で収まります。HDMIケーブルとUSBケーブル、それに電源を接続します。
電源は丸型DCジャック(5V/2A)をUSB端子に変換するケーブルを用意してシガーチャージャーで給電しました。
USBオーディオはトランクルームのプロセッサー付近に設置。同軸デジタルケーブルを最短配線としてUSBケーブルを車室内に引き込んであります。
64GBのSDXCカード(exFAT形式)は最初認識してくれませんでしたが、FAT32形式で再フォーマットすると使えました。残念ながらプッシュロックではなく本体からカードが出っ張ります。

ナビの入力をHDMIに切り替えると、STBの画面が表示されました。
この時点ではまだナビのタッチパネルは効かないので、マウスで操作します。

T2エアマウス 2.4GHz Fly Air Mouse(Amazon)
エアマウスは某ゲーム機のように傾けてカーソルを動かすマウスで、車載でも便利なものです。
PC用ですがAndroidでも使えます。ドングル用にUSBポートを1つ消費します。

ナビとSTBをBluetoothで接続。どちらもナビの画面で操作するので、ちょっと混乱します。

STB上で彩速ナビのコントロールアプリ、
Kenwood Smartphone Controlを実行。画面キャリブレーションが完了するとナビの画面でタッチ操作できるようになります。
STBの起動から操作可能になるまでトータルで80~90秒ほどかかります。

当ページでは定番のオーディオ再生アプリ、
USB Audio Player PROを起動。SDカードから無事再生でき動作も安定しています。ごくまれに音飛びが発生したので、バッファサイズとオプション設定を調整しました。自分の経験では、UAPPはある程度CPUパワーのある端末だと鉄板の安定性が得られるようです。
なお、UAPP起動時のライセンス認証のため、STBはインターネットに接続する必要があります。最初Wi-Fiテザリングを使っていましたが、親機となるタブレットの電池消費が激しいのでBluetoothテザリングに変更しました。通信するデータ量はわずかなので、これで十分です。
複雑になってまいりました。もう一息です。
ナビの画面解像度はWVGA(480p)なのに対し、STBのUIは解像度の高いTV用のため、上のような画面はナビ上では文字が小さく潰れてしまいます。(パソコンと異なり、HDMIの出力が480pになっても画面の文字は小さいままです。)
幸いi68はルート化済みのため、画面解像度を変更するアプリ「
ScreenShift」が使えます。
最近のお気に入り。ジョジョ立ちのさゆり様カッケーw
ぶっちゃけ音質なんてどーでもいいとか思っちゃう一枚です。
1280x768に解像度を下げてみました。これ位だとボタンも大きく表示され、タッチ操作しやすくなります。カーオーディオなので、曲名は一瞬でわかるようなでっかいのが良いのです。
最後にオーディオらしいアイテムを追加して仕上げます。

RAL-EXTPW01(ラトックシステム)
ティーダラティオでも使っていたUSBバッテリー電源。
USB機器との間にはさみ、通常ホストが出力する電源の代わりにバッテリーから作った5Vを供給するものです。
オカルトデバイスっぽいですが、バスパワー駆動のUSBオーディオ機器で電源をクリーンにする効果は確実にあります。レポートは
こちら。
USBオーディオからの同軸接続の音は、デジタルらしい静かで鮮やかなものです。ようやく前車レベルのソースが得られました。
ただ心配なのは、怪しい中華STBの信頼性。予備機としてもう一台確保しておきますか。
これで完璧!かといえば全然そんな事はなくて、起動時間が長い、レジュームが出来ないという問題に加え、エンジンOFF前にシャットダウン操作も(数秒ですが)必要で、万人向きとはとても言えないものです。面白いことは間違いありませんから、そういうのが許せる人だけどうぞ。いや、おすすめはできまいて。
音質と安定性は満足できるレベルに達したので、ひとまず
スクランブルの苦手な主力戦闘機
として採用、運用開始します。いずれ電源関係を見直してみますか。やれやれ。

パサートのオーディオはここからスタートです。
ハイエンドのホームオーディオの世界にはCDトランスポートとD/Aコンバーターがありますが、その現代版としてネットワークやメモリーのトランスポートとUSB-DACなんて組み合わせも面白いと思います。
車載分野では
オーディエンスさんが純正ナビに接続するAndroid端末を発売していますし、海外には
XTRONSのような2DINサイズのAndroidナビ?もあります。こういう形(ナビの画面で操作できて、好みのUSBオーディオが使えるトランスポート)で、本格的なオーディオ用にケアされた製品が出てくるといいですね。
てゆーか、ナビにUSBホストかS/PDIF出力があれば、こんな苦労はないのですけど。
初の車載USB-DACを出したあの会社とか。あるいは沈黙を守っている「χ」の次期ソースユニットがこんなのだったら楽しいのですが、どーでしょ。