リアスプロケットの側面摩耗の原因とその対策方法
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
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リアスプロケットの裏面、左側からバイクを見て内側になる側のスプロケットの側面が削れるのってSRのアルアルではないでしょうか?
原因は車体側の原因によるチェーンラインのズレと、ドライブスプロケットの裏表問題が重なった物だと思います。
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私の車両の現状をイラストにするとこんな感じとなっていて、スイングアームが右に2mmずれているのでリアタイヤとスプロケットも2mm右へオフセットしていて、さらに前後のスプロケットのズレが右へ0.125mmあるので合計して 2.125mmのチェーンラインのズレが発生している状況です。
excelの1セルが1mmで横方向の感覚が分かるように何となく書いてます。
これにスプロケットの表裏の間違いが重なると最大で4.125mmのズレになるので結構なズレになってしまいます。イラストを見るとスプロケットの頂上付近で内側の側面が強く当たる感じが想像できると思います。
スプロケットの側面が削れてしまう原因はここの辺りにある様です。
よくネット上でチェーンの貼り過ぎでスイングアームが曲がっている物があるという記述を見かけますが、上下方向なのか横方向なのか、又は捻り方向なのかの記述を見かけません。しかも理論の解釈が不可能で煙に巻くような記述が多い気がします。
(当然きちんとした記述のショップさんなどブログもあります。“曲がり過ぎたスイングアーム” などと書かれていたりしますが、これはよく分かります。)
実際には設計上のチェーンラインのズレが主原因として先ず有って、更にチェーンの張りが強かったりスプロケの裏表を間違っていたりするとチェーンの当たりが更に強くなって側面摩耗が発生して、結果的にスイングアームの曲りと診断されている様な気がしますがスイングアームは多少の差あれ生まれ落ちた時からから右に曲がっている??
逆にスイングアームが2mm曲がっていないとサスペンションのフレーム側のマウントとスイングアームのマウントのアライメントが合わなくなります。
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簡単な作業で極力良い感じになるように今回はこのパーツ、左側のチェーンアジャスターを加工します。
コの字型の金具部分が2mm厚。ワッシャー部分は2.4mm厚になっています。
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ワッシャー部分のスポット溶接を外して2.4mm分薄くします。
外したワッシャーはスイングアームに挟まる物の幅が変わらないように右側に挟み込むようにします。
するとタイヤとスプロケットの位置が2.4mm左側へ移動することになります。
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移動後の状態をイラストにするとこんな感じです。ズレている?様に見えますが上のイラストと比べると雲泥の差でしょう?
リアタイヤのセンターもチェーンラインもピッタリとは来ませんが、まぁ良い位置に収まっていると思います。チェーンラインもほぼ良し。タイヤと車体センターの位置もほぼ良し。手数の少なさも良し。3方良しです👌 絶対的な数字を見たら誤差の範囲です?
チェーンラインをキチンとするとチェーンラインを見てチェーン引きする手法で合わせた場合のスイングアームの左右の目盛りもほぼ合う様になりました。スイングアームのメモリは左右で合っている様です(使えるとは思いませんが)。
逆説で言うと、チェーンラインに合わせてチェーンを引いてスイングアーム側のメモリがズレる様であればチェーンラインが出ていないと言えます。
チェーンラインを見る時にハブクラッチが真っ直ぐなのか?。大丈夫です。ユスってどのくらいの誤差になるか?確認してみて下さい。3箇所くらいで確認したら完璧です。基本的にはダンパーの反力でハブストッパー側で面直が出る構造です。ゴムだから不安定と言う事は理論上はありません。
アクスルシャフトに付く物は切削やシムで位置を調整して、ドライブスプロケットやカラーも裏表の組み替えや年式違いのものを使用して微調整する方法でチェーンラインを整えます。パテントですwwwww。
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リアタイヤを2.4mm動かした場合のデメリットは、ここのクリアランスが詰まることかな。チェーンも結構ギリギリになるので、可能であればチョット手前にカバーを引っ張った方が良さそうです。
実際に運転した感じはデメリットはありません。乗り味が一段とスッキリしました👍
ですがリアタイヤは相変わらず少し左側へ向けた方がスッキリ(真っ直ぐ?ニュアンスが難しい。軽くローリングした時にトップブリッチの周りの重心を素直に感じる?アルミビレットステムだから感じられる範囲の話?) 走る様です。
2.35 × 3 - 0.325 =6.725mm
チェーンラインのズレ量を把握して、リアタイヤの進行方向がフロントタイヤの位置でセンターのラインと何ミリズレているのか? おおよそ計算で求める事が出来る様になりました。今は真っ直ぐよりも約7mm左にずらして良い感じです。一つのセッティングとして押さえられる数字が増えました。計算の理屈は別に整備手帳にまとめたいと思います。
すぐに知りたい人に向けてヒント。数式中の「3」はチェーンラインでのチェーン引きでの計測値、ズラシ量です。チェーンラインで3mmずらすとフロントタイヤで約7mmとなります。一般に公表されている数字をあと一個使って算出できます
スイングアームの目盛りでズラシ量を7mmに合わせようとすると、7/6.15=1.138mm、目盛に変換すると1.138/5= 0.23目盛りのズラシ量になります。難しいですね。
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因みに、サスのマウント部分とリアフェンダーも車体との中心がずれているので、右サスは車体側のワッシャーレス。左サスはワッシャー2枚にして合計4mmの調整。
右のシートレールがサスに大きく掛かって見えますがこれが正解。
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フェンダーには右に3mmのワッシャーを追加して左に寄せて中心を合わせました。ウインカーステーとフェンダーの隙間の違いが6mmあって少し悲しい感じですが、シートを付ければ目立たないかな?。
腕力でシートレールを曲げようかとも思いましたが、なかなか強敵だったので今日の所は許すことにしました。無理に曲げても良い事ないと思います。
リアキャリアには22mmのカラーが付いていたので右20mm、左25mmに変更。移動量が1mm足りないけどシンプル優先です。
右のシートレールが6mm程広がってるんですよね
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リアタイヤを左に2.4mm
リアサスを左に計4mm
リアフェンダーを左に3mm
リアキャリアを左に2.5mm
動かしましたが、シンメトリー感OKです。
ウインカーステーとフェンダーの隙間で見るとあんなにズレてるんですけど不思議?。シートも真ん中に来る様にマウントを長穴加工して合わせます。シートレールに合わせると3mm右にズレますので真っ直ぐにも走り難くなります。。
見た目には左サスの奥まった感じが直ったのを感じるかな。チェーンラインのみでは無くサスとリアタイヤとシートの車体中心との関係くらいは直しておきたいですね。
もう一台のSR400の方も同じ感じでズレてましたので、みんな同じ様にズレているのだと思います。
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もう一回。分かり易く。
ウインカーステー(シートステー)でコレだけずらさないとフェンダーがセンターにならない。シートも同じだけずらさないとセンターに来ない。
コレ事故とかじゃなくて生産時からの設計?誤差。この辺りが1978年w ゆるい。
次は右のステップが左に比べて前に出ていて右コーナーでお腹が窮屈になるので、それを修正したいな。
Fantastic “SR world”
泳いでいる様な 溺れている様な
終わりが見えません。。
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