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2008年12月28日 イイね!

巧い運転を目指して:車が動く/車は手足

※自分は今こう考えている、というものであり、
 これが正しいとは限りませんので御了承ください。

人馬一体という言葉があります。元は身近な乗り物である馬を乗りこなす際の一体感を表現する言葉ですが、現在では特に対象は限定せずに乗り物を乗りこなす際の一体感を表す言葉として使用されるのが一般的です。
車でも人馬一体という表現を使いますが、車は馬ではありません。馬は何らかの自発的動作を行う事が可能で、例えば牧場に放すと走ったり牧草を食べたりします。車はそうはいかず、例えば駐車場に置いといても動き出しません・・・通常は
詳しくは知らないながらも考えてみると
・馬の人馬一体

乗り手の意思を如何に伝えるか、馬が乗り手の意思を如何にくみ取るか。馬が持つ能力・個性とお互いの相性にも依存

・車の人馬一体(強いて言うなら「人車一体」)
乗り手が車を理解し、如何に車を動かすか
という違いがあります。馬の場合は人と馬がお互いに歩み寄るのが可能であるのに対し、車の場合は人が動かない限りは近づかないという点が、その最大の違いです。

以前、巧い運転は
 ・車が自然に動く
と述べましたが、これは実に奥が深いです。なぜなら
 ・車を自然に動かす
とは異なるからです。後者が
 ・ドライバーが、車が自然に動くように操作している
もしくは
 ・ドライバーが自然な運転によって車を操作している
という状態を指しているのに対して、前者は
 ・車が自然に動いている
という状態を指しています。この二つの決定的な違いは、車の動きが後者は受動的であるのに対して前者は能動的である点です。
車の走行を純粋な挙動で考えると、「加速/減速/旋回」となります。車を主体に考えると「走る/曲がる/停まる」が基本要素であり一見能動態と見えますが、ドライバーの操作により車に発生する動きである為、その実は受動態となっています。この時にドライバーが行う運転は「走らせる/曲げる/停める」という指示体もしくは命令体となります。この時はドライバーと車は別体ですが、人馬一体となった時はドライバー≒車となりますので、運転の基本要素は「走る/曲がる/停まる」という実としての能動態になります。

「手足の如く」という表現がありますが、これは
 ・意のままに/自由に操る事
を指しています。これを一歩踏み込むと、
 ・感覚を共有する事
となります。表現は違えど既述の為、詳細は割愛します。「車が自然に動く」はこの延長線上にあり、二つの事を指しています。
一つ目は、車が能動的に動く事です。例えば、車が動く時には必ず慣性が働きますが、その慣性の働く方向=車が動こうとしている方向と車の進む方向=車を動かそうとしている方向が一致している時、車は何もせずに動く事になります。擬似的にですがこの時、車はあたかも能動的に動いているかのような振る舞いをします。
そして二つ目は、ドライバーが車と一体化することで、あたかも車が意思を持っているかの如く動く事です。ドライバーが車を動かす部品の一つとなった時、ドライバーも含めて車となりますので、車が動いている事になります。これは同時に「車が運転している」と表現する事も出来ます。


もう少し具体的に考えてみます。
コーナーリングを行う際にはハンドルを操作しますが、理想は車が行こうとしている方向とタイヤが向いている方向を揃える事です。これは例えば、荷重移動やアクセル/ブレーキにより、ハンドルがその方向に取られているような状態を先に作り出した上でハンドル操作を行う事です。この時、車が走行している方向とタイヤが向いている方向が異なる時には抵抗が発生する為、前を向いているタイヤは既に曲がろうとしているのを抑える方向で働いており、ハンドルを切る事でその抵抗が減って旋回を始めます。この場合、ハンドルは曲げる為の物ではなく、抑えているくさびを外す物となっています。カウンターをあてている状態からハンドルを戻した時に近いかな?また、旋回中はタイヤの角度を変えて抵抗を減らす為にハンドルを切っている事になり、その状態は車の特性やコンディション等でアンダー/オーバー双方があり得ます。この状態が「行きたい方向に車が行くようにする」運転の一つとなります。「行きたい方向に車を行かせる」ではありません。
そして、運転する際の操作感覚が車と完全に同体化する事があります。例えばお腹がかゆいと思って掻く時には、掻こうという意志を脳がくみ取って各筋肉に指令を出す事で腕が適切な場所に動き、その後に指が動いてお腹を掻きますが、これらは無意識に行われている動作となります。車と同体化している時はこれと同様に無意識に車を運転します。例えば車を曲げようという意思を脳がくみ取って、その状況に見合った適切なステアリング量を動かす事で車が曲がっていきます。この「ドライバーの判断を交えることなく状況にあった適切な操作を行える」状態が、ドライバーと車が一体化する第一歩となります。更に同化していくと車両感覚等も一体化します。人が飛び出した時に条件反射でブレーキを踏むのと同様に、「車を曲げよう」という動作がドライバーの意思に端を発するのでは無く、状況に見合った反射に基づき発生していきます。このように状況に対するリアクションも同体化していく事で、同体化する範囲が拡がっていきます。いずれドライバーの意志は「先に進む」という事のみとなり、全てのアクション/リアクションが「行おうとする」事ではなく、「必要に応じて行われている」状態になります。また、これは感覚であり実際そうなる訳ではありませんが、完全に車とドライバーが一体化している時は体と車の境目がある意味で分からなくなっている状態でもあり、一体化している事にすら気が付かない事も珍しくありません。この時は脳での情報処理量は通常時に比べて多くなる為に負担が大きく、長く続けられるようになるには相応の訓練が必要と考えられます。

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余談ですが・・・以前スポルトにてジョッキーの武豊が「馬を右に曲げたい場合には馬を右に行かせるのではなく、馬に『右に行った方が良いよ』と話しかけている」というような発言がありました。ちょうどハンドリングに行き詰まっていた時に聞いたのも手伝って、目から鱗が落ちたような思いで聞き入ってました。
Posted at 2008/12/28 19:42:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | 運転について | 日記

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