FlashPro 調整(TCS編)
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
![](/images/icon_difficult_on.svg) ![](/images/icon_difficult_on.svg) 中級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
TCSをノンスリップにしてサーキットで試してみましたが、、、結果は惨敗(T_T)
フロントをAD09にしてこれはない。。。
やはりTCSを活かして速く走るのは無理なのか(+_+)
と思いながらいろいろ探ってるとTCSの設定を変更して86を走らせてるショップがありました。
これはワンチャンあるか!?
ということで早速FlashProのCalibrationを覗いてみました。
2
これがSTDの設定。
・一番上のチェックはTCSを有効にする項目です。
チェックを外すとTCSは無効になります。
・その下の項目はTCSが有効となる速度、
・その下はターゲットスリップとやらです。
おそらくですが、左右の駆動輪に何%回転差が生じたらTCSが作動するかを示していると思います。
・その下の表はイグニッションのリタード値の設定です。
TCSの制御方法は①点火リタード値を使ったもの、②スロットルの開閉を使ったもの、③燃料カットを使ったものがあるらしいです。
この表は①のリタードするを使用したものです。
スリップ率が何%になったらどれだけリタードさせるかというのを表しています。
タイヤのスリップ率は10%程度が最適と言われているらしく、STDだとその辺りでタイヤに対して最大の駆動力が伝わるように設定されています。
これ、あくまで純正タイヤでの話だと思います。
ちなみにリタードとは直訳すると点火時期遅角、つまり点火時期を遅らせて燃圧を下げることでピークパワーを落とすわけです。
・次のチェックはTCSをコーナリング補正に使うかという項目なようです。
この辺りはどう働いているのかよくわからないので今回は触りません。
何事も順番です。
・その下の表は、TCSにおけるコーナリングコンプライアンス値の設定です。
これがよく分からないんです、、、
(実はこのあとここを調整してみましたが、それはまた今度のネタとして)
コーナリングコンプライアンスとは、本来はコーナリングフォースを発生させる為に必要なリム中心とトレッド中心の差=撓みのことらしいです。
それはいいんですが、表の上側と下側の%が何を示しているのかがわからないんです、、、
一応予想はあります。
コーナリング時の横Gをコンプライアンス(撓み)と考えれば、Different %は縦の力(縦G)に対する横の力(横G)の割合と考えられるかと思います。
それに対して何%スロットルを閉じるかという表じゃないかと。
フロントタイヤにかかる推進力(縦G)に対して、車が外に逃げていく力(横G)が大きくなっていった時がアンダーステアの発生する状態だとすれば、何となく説明はつくかもしれません。
・縦Gの5%相当の横Gがかかるとスロットル開度が0.34%制限される。
・縦Gの10%相当の横Gがかかると1.33%制限される。
・縦Gの20%相当の横Gがかかるとスロットル開度が20%制限される。
有り得そう。
もしかするとスリップ率に対する制限かもとも思いましたが、それなら度数で表記されるのかなと思ったり。
制御としては②を使っていると思います。
コーナリング中にアクセル分でも加速しないのはこの設定が関係して、スロットル開度が制限されているからかもしれません。。。
・その下の表は車速(車速センサー)に対して車軸の回転差何%になったらTCSが作動するかの表かと思います。
制御としては③だと思います。
Calibration内のトラコンの項目、ホイールスピンの起こらない方の項目とストリート用の設定はこの中の%が異なっていました。
スタックした時に働くTCSはこれかもしれません。
速度出てないのに速度以上にタイヤが回転してるから燃料カットして空転を抑える。
みたいな。
・最後の表はPID比を元にしたTCSの設定なので、点火リタードやスロットル制御とは少し異なる設定方法だと思います。
全能力に対してどれだけマージン持たせてどれだけパワーを発揮させるかを決めるらしいんですが、、、
そもそものTCSの制御とは別物なので割愛です。
3
この説で考えると、走行中のTCSに関係するのは、
・トラコンの最低作動速度
・トラコン作動の為のスリップ量(%)
・点火リタード値を元にした制御
・コーナリング時の縦Gに対する横Gの比率を元したスロットル制御
かと思います。
今回は、
・作動速度を30km
・ターゲットスリップを30%
・点火リタードをSTDの半分の値
・コーナリングコンプライアンスはSTD
・各速度の作動速度差を少し大きめに設定
してみました。
おそらくですが、トラコンの最低速度と作動速度差表はある程度先頭の数字を合わせとかないと意味ないかもしれません。
表だと0kmからになってますが、これを30kmからとか。
スポーツ走行自体には関わらない速度域での話なのでいいかもしれませんが、、、
4
あと今回はココのアイコンも足してみます。
ブーストレスポンスの最適化らしいです。
ディーラーの営業さん(営業さんとしての関係を越えたレベルで話す)に聞いてみたら、
「ブーストコントローラ的なものだと思います」
とのこと。
Calibrationでもブーストの細かい設定は出来るのですが、おそらくこつちはそれよりざっくりと全体的に合わせる設定になるんでしょう、きっと。
5
で、実際に走ってみた感想ですが、、、
今回はサーキット行く機会が無かったのでワインディングレベルでの話です。
・まず作動速度に関しては当たり前ながら変化しました。
仕事はマイカーで外回りに行くんですが、出先で砂利道の坂を登ります。
以前だと空転するとTCSのランプが点灯して制御がかかっていましたが、それが無くなりました。
・次のターゲットスリップ、こちらも砂利道で体感出来ました。
今までは片輪が空転するとTCSが介入してスロットルオフ(もしくは点火リタード)されていましたが、それが無くなり駆動力の伝わっている方のタイヤでしっかりと搔いてくれます。
・点火リタード値は比較的横Gの少ない領域で効果が感じられました。
この制御はおそらく左右の駆動輪に回転差がある時に制御が働く設定なので、制御のかかるスリップ%を下げてリタード値も下げれば、介入量を減らすことが出来ます。
理屈上は回転差の生じやすいコーナリング中も駆動力確保に貢献すると思いますが、回転差が減少してくるコーナー出口で効き目があると思います。
・逆にこれで確かめられたのが「コーナリングコンプライアンス」の存在です。
理屈上では点火リタード値を変更すればコーナリング中の介入を減らせるのですが、横Gのかかるコーナーではアクセルを踏んでも吹けないという状態が出ました。
つまり、横Gの生じている状態では、「コーナリングコンプライアンス」の値がTCSの介入に関与しているという可能性が高いです。
実際、横Gの少ない緩めのコーナーでは感触は良かったです。
この段階では点火リタード値の方が関わりが大きいはずなので。
きっと「コーナリングコンプライアンス値」を変更すれば横Gに対する許容量が変わるので、コーナリング中の介入を減らせると思います。
・最後の作動速度は設定速度で激しく空転させなければよっぽど関与しないとは思います。。。
とりあえずこんな感じでいろいろ分かりました。
6
そんなわけで、近いうちに「コーナリングコンプライアンス値」を調節してまた走ってみようと思います。
ちなみにですが、通常バネを硬く短くするとロールは減りますが、コーナリング中に内輪が浮き空転しやすくなってしまいます。
この状態でオープンデフだとただただ内輪が空転するだけでパワー食われて終わりです。
自分はツインスプリングにしてあり、ロール時の内輪の伸び側ストロークを確保しています。
これによってロールしても内輪は接地して踏力もかけやすくしているので、内輪でもトラクションを得ることが出来ています。
今回のセッティングの目的は、TCSによるコーナリング中の駆動力損失を減らし、現状で適切な制御をかけられるようにすることです。
TCS完全OFFは内輪が空転した時には間違いなくトラクションが落ちるので、それが起きないギリギリの制御をさせるのが最終目標です。
いろいろ調節して試してみたいと思います。
※調整は自己責任でお願いします。
7
最後に、設定項目を簡単に英訳したので載せておきます。
一部直訳なのでめちゃくちゃですが、そこはゴメンナサイ。
今回も参考になれば幸いです。
以上!
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