
8月上旬にBMW・G310Rが退役し,入れ替わりで同じくBMW・F750GS(40th限定色)が配備されています。
G310Rは軽くて扱いやすいバイクではありましたが,その後導入されたドゥカティ・スーパースポーツやCT125ハンターカブと用途が重なる部分が出たことや,長距離ツーリングの機会が増えたこともあり「積載量と長時間ライディングの疲労の少ない機体」のニーズが強くなったことから機種転換を検討。
競合としてはトライアンフ・タイガーやドゥカティ・ムルティストラーダ950(またはV4),同じBMWのF850やF900XR,S1000XRが候補に上がりましたが,MTS950はSSとエンジンが同じということもあり却下,MTS-V4やタイガー900/1200はコスト面でNG,S1000XRも車格やパワーを持て余す可能性があり除外となり,最終的にはFシリーズから舗装路中心のロングツーリング+SSとの差別化の観点からF750GSが正式採用の運びとなりました。購入店にGS40th仕様の在庫があったのもきっかけではあります。
できれば秋のツーリングシーズンまでに慣らしを終わらせたかったのですが,佐賀県西部や久留米市を中心に甚大な被害をもたらした令和3年8月豪雨のため引き取り後全く動かすことができず。ようやっと先日天気が回復したため300kmほど走ったという状態です。
ですので車体の慣らしもライダーの適応もできていないのですが,ファーストインプレッションとして備忘的にまとめておきます。
(エクステリア・車体構成)
アドベンチャーバイクのベンチマーク,BMW-GSとして十分な車格とGSであることが一目でわかるデザイン。限定色は黄色の差し色がさらに精悍さを増して良い感じです。
ローダウン仕様「ではない」プレミアムラインのためシート高は815mmだが,慎重183cmであれば両足ベタ付きで何の支障もなし。
車重が230kgとやや重い(とはいえ他のアドベンチャーモデルと比較すれば軽量級)ためバイクを降りた状態での取り回しは少し神経を使うが,動き出してしまえば重量感はさほど気にならない。
着座位置やハンドルとの距離はさすがのBMW。長時間乗っても疲れないポジションはここでも健在。若干尻が痛くなるが,これは慣れの問題で解決できそう。
(動力性能)
慣らし中のため6500rpm以下での使用だが,パワー不足は全く感じない。
3000rpmも回していれば十分すぎるほど走るし,慣らしの制限内で高速道路も余裕。
エンジンは270°クランクのツインらしく鼓動感はあるが,十分にスムーズでメカノイズも抑えめ。このあたりエンジンが自己主張をしまくるイタリアンバイクとは一線を画している。ノーマルマフラーでもそこそこの音はします。
他のFシリーズよりパワーは抑えめの77psであることに不満はないが,F850GS(95ps)よりパワーを落としておく必要はないんじゃないかなあ,と思わなくもない。
エンジンの熱は8月でも「まあ我慢できる」レベル。比較対象がSSなので若干評価は甘めかもしれない。
(燃費)
概ね22km/L。
300km走ってタンクが空っぽになる感じ。給油タイミングは250km毎が目安。
(運動性能)
「ローダウンしていない」モデルということもあり,前後サスペンションのストロークは十分に確保され,多少荒れた路面もうまくいなしてくれる。フロントフォークもよく動く設定で「オフ車」のような安心感あり。
リアの電子制御サス(ダイナミックESA)の恩恵ははっきりとは感じない。以前試乗したMY2021のS1000Rは前後の電子制御の恩恵をはっきり感じただけにちょっと意外。
(補記:1000km走行してモードを「ダイナミック」に変更したところ,リーンアウトでオフ車のような乗り方では「リアサスが固くて曲がりにくい」と感じる挙動に。効果がないというのは「効果を感じさせない」ということだったようです。)
アドベンチャーモデルのスタンダードであるフロント19インチタイヤ。同じ19インチでもG310GSは車重の軽さもあってかクイックなハンドリングだったが,こちらはゆったりとした挙動。安定感を活かした乗り方を学ぶ必要がある。
(装備)
クイックシフトは楽だがUPに渋さがある。距離を走ってどうなるか。
オプションのTFTメーターは未装着だが,アナログメーターのほうが視認性がいいし不満なし。なお「WunderLINQ」を使えば車両のセンサーのデータをスマホに表示できるほか,デジタルメーターもスマホで表示できるのでよけいにTFTメーター(と純正ナビ)はいらないかな。
純正のサイドパニア用の取り付けポイントとリアキャリアが標準装備。リアキャリアは汎用品でも問題ないが,サイドパニアは取り付けステーの追加などを考えると純正でも価格差はあまりない。
プレミアムラインはセンタースタンドも標準装備。重量増にはなるが,右側スイングアームがマフラーを避けるために湾曲していることや車体重量の重さからメンテナンススタンドをかけづらいので,現時点ではセンタースタンドは外さない予定。
(短評)
300km走ってもあまり疲れを感じず,体も痛くならないのは◎
GSの旗艦,Rシリーズに比べて小型軽量で取り回しがしやすいので,日常用途からロングツーリングまで幅広くこなせる汎用性の高いGSと言っていいでしょう。
サイドパニアやトップケースを積めば積載量も確保できるので,数日レベルのツーリングでも問題ないと思われます。フェリーを駆使して四国や近畿,北海道にも行ってみたいと思わせられる「旅バイク」の見本です。
(おまけ)
翌日にSSを出したらその軽さや膝をたたんだコンパクトなポジションにちょっとびっくり。SSはポジションは楽なほうですが,F-GSはより安楽だということですね。
Posted at 2021/08/30 14:18:18 | |
トラックバック(0) |
ツーリング | 日記