2025年05月07日 車の剛性って、何で決まる?
このブログに書いた、車の剛性の話の続きです。
もう、2か月経っちゃいましたけど。 (^^;;
先のブログでは、タイロッド曲がりの修理でアーム交換をした後、Z4 M40iの剛性が良くなった話を書きました。
タイロッド曲がりの修理でアーム交換もして、そのアーム交換時にアルミ補強板などを一旦取り外して、取り付けています。
ぼくの推測では、車の下回りを一度取り外して、取り付け直したことで、剛性が上がったのではないかと思ってます。
その理由ですが、2週間ワインディングを駆け抜けた最終日、fockewulfさんと会ったときにも、あれこれ話して、概ね意見は一致しました。 (^^)
それは、量産時の組み立てでは、ロボットが使われていたり、作業効率優先での組み立て作業になるので、車の剛性を考えたときに、理想的な組み立てには、なってないんじゃないかという事。
そのため、どこかがたわんでたり、突っ張ってたりと、ちゃんとバランスがとれていない状態で、ボルト締めされてしまって、固定されちゃってる。
その理想的でない条件で組み立てられたものを、一旦取り外したり、緩めたりして、手作業で取り付けることで、たわんだり突っ張ったりしていたところが、理想的な状態に近づいて、ボルト締めされるので、結果、剛性が良くなったのではないかということです。
新車状態では、この写真の様なボルトにマーキングはされていません。
手作業で締め付けしたときの、締め忘れ防止や角度用のマーキングでしょうね。
これは、オイル交換の時の写真ですけど、写真の上半分にアルミプレートが写ってます。
これ、アンダーガードだと思ってる人も多いかと思いますけど、アンダーガードの役目も果たしてますけど、フレームの補強板なんですよね。
RealOEMの画像ですけど、
Stiffening plate (補強板) と書かれてます。
そうそう、RealOEMですけど、ずっと2019年の情報のままでしたけど、最新情報に更新されてますね。(^^)
で、びっくりしたのは、車種の一覧表示に Z4 E85がなくなってたことです。
カタログの選択を「現行」から「クラシック」に変更すると出てきました。
もう、E85もクラシックなんだ。(^^;;
話を戻して、
このアルミプレートを取り付けているボルトの締め付けトルクは、それなりの強さで、56Nm+45° の指定です。
G29は、この補強板に頼る割合が低いんでしょうね。
こんな凄いサブフレームがついてます。
で、このサブフレームを取り付けるボルトの締め付けは、100Nm+90°とか、108Nm+45° なんていう指定になってます。
Z4Mロードスターは、サブフレームが小さいので、補強板に頼る度合いが大きいようで、補強板を取り付けるボルトの締め付けトルクは、59Nm+90°でZ4 M40iよより強く締め付ける指定です。
こういった部分のボルトを、手作業で締め付け直すことで、新車組み立て時のたわみやツッパリなど微妙な歪が取り除かれて、良い状態になるんだろうと。
その結果、剛性が高まることになる。
そんな風に考えています。
また、剛性を高めるために、リジカラは効果があるのか、以前、リジカラの資料を送ってもらって検討もしてみました。
https://www.rigidcollar.jp/reason/
ここに書かれている「効果の原理」ですが、
ボディとサブフレームの隙間の問題については、隙間があるから動くというような内容の説明になってますが、指定の強度でボルト締めして、固定されているフレームとサブフレームがズレたりするのか? と思うんですよね。
そんな、ゆるゆるなボルト締めじゃないだろうと。
隙間は無い方がいいだろうけど、その隙間を埋めるためにリジカラを取り付けて、元々面接触していたフレームとサブフレームの隙間にリジカラのカラー部分が挟まって、逆にカラー部分以外の面同士が接触していた面積を減らしてしまってるのでは?
なんて思ってしまうんですよね。
で、ボルトは、『規定トルクで締め込む』と書かれているんですけど、取り寄せたZ4M40i用、Z4 M ロードスター用の説明書には、規定トルクが記載されていませんでした。
車種ごとの説明書なのに、なぜ肝心な締め付けトルクが書かれていないの? と。
そこ、めちゃくちゃ重要でしょ!!!
って、思うんですけど、どうも、そこは、施工する整備工場任せのようなんですよね。
さらに、対応車種全てで実際にテストを行った感じでもないんですよね。
そんな疑問やなんやかんやも含めて、fockewulfさんと話した時の内容としては、リジカラ自体の効果はとっても疑問。
リジカラを取り付けた結果に効果があるのではなくて、リジカラを取り付ける作業を行ったことが剛性を高めたのではないかと。
組み立て時の微妙な位置ずれやたわみ、突っ張りなどが、リジカラを取り付けるという作業によって、取り除かれた結果として、剛性が高くなったのではないかと。なので、その作業だけ行って、リジカラ自体は取り付けなくても、同様の効果が現れる可能性が高いのではないかと。
新車から一度も、下回りの取り外し交換などの整備がされていない車にリジカラを取り付けた場合、締め付け直しそのもので剛性が上がっているのをリジカラの効果だと思ってしまっているのではないかと。そんな風にも考えたりしてます。
なので、リジカラそのものに効果があるかないかの検証は、リジカラを取り付ける作業工程をリジカラを取り付けず一度行って、その状態で、車の剛性がどうなったか確認し、その後、リジカラを実際に取り付けて、比較しないとちゃんとした検証にはならないでしょうね。
と、そんなことを考えたので、nobupinaとしては、リジカラの取り付けはしないことにしました。
今の、剛性が良くなったZ4 M40iの状態を、とっても気に入ってるので。(^^)
2週間のワインディング旅行も、その良くなった剛性感を存分に楽しんできました。 (^^)