DC/ACインバータ、電源スイッチ改良
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クルマの中でAC100Vが取れるのは何かと便利かと、Cellstar HGU-350を買ったのですが、最大出力350W、定格出力280W程あることからシガーライタから電源を頂く訳にはいきません。 シガーライタはせいぜい10A程度しか取れませんからね。
そこで、バッテリから直接配線する訳ですが、付属の直接配線用のケーブルはとても短いので、代替のケーブルを用意する必要があります。
消費電流が大きいのでそれなりの太さの電線が必要ですので、消費電流をザッと計算してみると、出力÷効率÷電圧=消費電流なので、
・定格出力のとき 280W/80%/12V=約29.2A
・最大出力のとき 350W/80%/12V=約36.5A
となります。
一般的なビニール被覆銅拠線の許容電流は、
・2mmsq:27A
・3.5mmsq:37A
・5.5mmsq:49A
・8mmsq:61A
となっていますから、最低でも3.5mmsq、過熱によるマージンを考えると5.5mmsq程度は欲しい計算です。
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問題は、3.5mmsq以上の電線を切り売りしてくれるところが少ないこと、NET通販でも、10m単位だったり、別途送料が結構掛かったりで、1m単価が300~600円にもなってしまうことです。
そこで、容易に手に入るブースターケーブルを利用しようと言うことで、許容50A、3.5mのものを買ってみました。
でも、よく見ると電線仕様は3.0mmsqとなっています、3mmsqで50Aも流せるんでしょうかね?被覆が結構厚くできているので良いんでしょうかね。
まぁ、取り敢えず両端のクリップを切り離して6mm5.5sq用の丸端子を圧着します。
このとき、決して半田付けするのは止めておきましょう。 通常は問題ありませんが、まさかのショート事故の場合に半田は溶けてしまいますから、更に大きな事故に繋がる危険性を孕んでいます。
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HGU-350でもう一つ気になる点が、「エンジンスタート時には電源を切っておくこと」と言う注意書きステッカーです。
短時間に電源をON/OFFすることによって回路に何らかの問題が出るのでしょうか?
詳細は解りませんが、わざわざステッカーを貼っていると言うことは極力守って貰いたいと言うことなんでしょう。
ところが、インバータ本体の電源スイッチはただのシーソースイッチですから、切り忘れることもある訳で、そんなときは常時通電であっという間にバッテリー上がりを起こしそうです。
エンジンキーを抜いたときにはインバータが作動しないようにするには、一般的にはAcc電源でリレーを駆動してバッ直配線に割り込ませます。(fig1)
でも、40Aを安全に開閉できるリレーなんて簡単に入手できません、エーモンの大電流と称するものでも30A程度の接点電流です。
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で、こんな回路を考えてみました。
ONスイッチはno接点、OFFスイッチはnc接点で、ONスイッチを押すとCR1のリレーコイルに電気が流れ、CR1がONし、その接点のCR1がONするので、ONスイッチを放してもCR1のリレーコイルには電流が流れ続けるという、自己保持回路というものです。
OFFスイッチを押すことにより、CR1のリレーコイルの電流が切れて、CR1の接点もOFFします。 LEDは動作確認用です。
この回路をAcc電源に繋ぐことで、Accに電気が流れている間だけ回路が有効になります。
リレーの接点には大電流が流れませんので、12V1Aみたいな信号開閉用の安価なリレーで構いません。 安全性を求めるなら極力低感度のものを使用しましょう、私の場合手持ちの高感度型のものを使用しましたので、電源が5V以下くらいにならないとリレーがOFFしませんでした。
Acc(シガーソケット)に電源OFF後に自己放電するようなものが付いていると、インバータがOFFするのに時間が掛かってしまうことになっています。(いつまでも切れないという訳ではありませんし、遅延もせいぜい2~3秒くらいですが・・・)
これで、キーOFFでOFF、Acc ONのときにONスイッチを押すとONして、OFFスイッチかキーOFFでOFFになるようになります。
このCR1の接点をHGU-350のスイッチ部分に並列に接続することにより、上記の動作でHGU-350の電源スイッチを操作することができ、キーOFFの状態でもどうしてもAC電源が欲しいときには、本体の電源スイッチで操作できます。
※no接点:定常OFFのスイッチで押している間だけONする。
nc接点:定常ONのスイッチで押している間だ開けOFFする。
回路図中の太線の部分は大電流が流れるところです。
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無論、インバータを改造することになる訳ですから、メーカ保証は受けられませんので、インバータの分解方法は敢えて載せていません。
ブースターケーブルも「本来の用途以外には使用するな」となっていますので、もしケーブルが燃えてしまっても誰にも文句は言えません。
この記事を参考に改造を実施され、何らかの要因でクルマが燃えてしまっても私は責任を取れません。
全ては自己責任でお願いします。
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