
砂浜から見る 水平線の彼方に
夕陽が 真っ赤に燃えながら 沈んでゆくやうに
今年の夏が 過ぎ去っていった。
それは何となく とても仲の良かった友達や
とても好きだったけど 結局想いを伝えられずじまいだったひととの
静かな別れにも 似ている気がした。
(一年後、また“会える”…)
そんな事を思ったとしても 過ぎ去った今年の夏は
もう二度とやっては来ない。
過ぎ去った今年の夏とは もう二度と会う事は出来ない。
“あの人”はもう既に 遠い所へいってしまった…
何日も降り続いた 秋口の長雨が上がる頃には
(むしろ、余命いくばくも無い)自らの命そのものを高らかに鳴らし 響かせていた
あの蝉たちの声も止み
その後 あちこちで目にしていたはずの 彼らの亡骸と抜け殻さえも
何処かへ 流し去られた。
あの 遠慮も手加減も無かった 熱い陽射しも
既にその 名残さえ無い。
暑苦しく 寝苦しい夜を吹き抜けた
湿気混じりの熱気を帯びた 夜の風までもが
気がつけば 毛穴の芯までひやりと冷やす 涼風(すずかぜ)に変わった
八月が過ぎても なおしぶとく居座り続け
空気中に溶け残り 或いは淀みのようにもなっていた夏の残り香 熱気の残党達は
全て残らず洗い落とされ
今では何処を探したって
既にもう 跡形もない。
そして後には 秋の空気が満ち始めているのだった。
砂浜に独り 立ち
彼方の水平線を 眺める。
じっとりと汗が滲んだ肌を 汗ごと焼くようだった あの太陽と
熱い風とあいまって 身体を中から蒸すようですらあった あの熱気は
今はもう 此処には居ない。
(代わりに)今 此処に居る
半袖を着た腕にそよと吹き 身体を冷やし
透き通らせるように吹き抜けていく 秋の波風に
ふと思い浮かべ 感じるものは…
『夏の終わり』
それをふと 口にしてみる。
昼間の太陽の下 汗ばむ中
熱気と湿気にむせながら 過ごした一方で
凜と冴え渡るように 空気が冷える 夜明け直後
ひっそりと 一晩中眠らずに待ち続けた
一日でも“一瞬”ほどでしかない その一時も
今ではむしろ肌寒くもある程の 涼しさに変わった。
今夜 この夜が明け
明日の朝にはもう 次の台風がやって来て
それが過ぎ去った後には
こんな夜さえ もう来ないかも知れない
(そして やがてやって来るのは…
凍てつき 灰色に重く霞んだ『冬』)
夕暮れ時 燃え上がるやうな色彩(いろ)の
夕焼け空を見る事が出来るのは あとどれ位だろう?
夜明け直後の冷えた空気と 其処に在る風景を
心地よさと共に味わう事が出来るのは
あと どれ位だろう?
今はまだ はかないほどに色づきの淡い 秋という季節の彩りも
いずれ焦らずとも 例えそれを望んでいなくとも
季節の深まりと共に 燃え上がるように それは色づき
生命(いのち)が燃え尽きる前 最後で一番の華やかさを見せつけるかのように
やがて極彩色の彩りに 染まってゆくのだろう。
『夏の終わり』
波が穏やかに凪ぐ 人影見当たらぬ 昼の砂浜で
静まり返った 夜明け直後の公園で
ひた走る 開け放った窓から風が吹き当たる 車の中で
それを口にしながら 何事か思いを馳せ
一人 感傷に浸る。
はるか彼方 虚空を見つめながら その傍らで
(姿、形のない)大切な何か
誰かとの別離(わかれ)を 思い(想い)
そして 一人こうつぶやくのだ
「あのひととは…もう二度と、会う事は出来ない…」
(初出:2010年10月1日)
2020年の「夏」が終わるのにあたり、今の自分が思う「所感」を、
感受性どころか物事に対するモチベーションまで枯れて衰えてしまった自分に代わり、
10年前の「自分」に代弁して貰いますた(´・Д・)」
本当に本当の「初出」まで遡れば、更に年代は古くなるのだけど、
その辺までを部屋中捜索するのは最早メンドクサイσ(^_^;) ので、
一番最初に、人前に出した時点を「初出」という事にしときます。
自分の中に在る感受性の「種」は保存しといた「ビン」の中で、気がついたらいつの間にかカビを生やしてしまったけど(´・ω・`)
もう今となっては…土に植えたところでちゃんと「芽🌱」を出してくれるかすら怪しいけど(´Д` ) とりあえず今年。
ここ何年かの間は毎年さっさと夏バテしてしまい、魂の抜け殻のような有り様で過ごすばかりだったこの季節を。
勤め人としての再びの日常が始まった事もあって、気がついたらそれなりに生気ある状態で凌ぎきれた事もあり。
過ぎ去るのを、幾許かのもの寂しさと共に見送る事が出来そうだったので、
まぁ実際のところを「セルフパクり」でしかない中身ではありながらも…今の気持ちを、散文的に著してみた次第ですた m(_ _)m
最後まで見てみたところで、何の得にもならない古びた「作品」めいたモノに、最後まで御目通し頂けた事は、誠に有難い限りでございます m(_ _)m
此処に…改めて感謝を ヽ(*´ー`*)
…とはいえ、このまま終わりにしちゃうのは、
なんかもの寂しい感情を引きずったまま、にさせてしまいますので…
最後にはおまけとして、スッキリとした清涼感のある、美しい奴を。
スピッツには「夏が終わる」という楽曲が実際にありはするけど、ちょうどいい具合のがネットには無かったので(´・ω・`)
代わりと言っちゃあナンですけど…⬇︎の一曲をヽ(´・∀・`)
『恋は夕暮れ』
※どのくらいの間…ちゃんと視聴出来るかは分かりませんが σ(^_^;)※
…といったところで、今回はこの辺で。
次回は多分…今回のやぅな手抜きヴログもどき⁉️σ(^_^;) じゃなく、
ちゃんとしたのをお送りしたいと思います( ̄▽ ̄;)ゞ
そんじゃみんなまたぬーヽ(´・∀・`)
Posted at 2020/09/01 22:38:16 | |
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