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ショックアブソーバやスプリングはカットモデル等で内部構造はなんとなく判っていても、理解し自分の使用しているものへフィードバックすることは非常に難しいです。
それに使用しているパーツやオイル、注入するガス等がどれだけ特別なものなのか?
自分がオーリンズで講習を受けた際、今まで疑問に思っていたことを講師へ質問し快くご回答頂きました。
後は自分が持っている知識&ユーザ視点とを合わせて以下に議事として保存しておこうと思います。
これからオーリンズを導入、又はOH・仕様変更する際お役立て下さい。
申し訳ありませんがこれに関する質問・コメントはご遠慮下さい。
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Q1.OH時期は2年又は2万kmとなっているがこれを守らないと良くないことは判るが実際どうなるの?
A1.サスペンションの摺動(しゅうどう)部分、シール部分が使用限度を超えると劣化してきます。そうするとショックアブソーバのシャフトのメッキ部分が剥離というか薄くなって地肌が見える感じで再利用不可&交換となりOH費用がかさむというかかなり高くつきますよ。
また、オイルの劣化により減衰力特性も変化し本来の狙った値より徐々に「弱く」なってきます。
減衰力が弱くなるとスプリングとミスマッチが起きショックの底突きを起こしショックや車体そのものにダメージを与える結果となります。
(補足)シール部分はOH時、必ず交換されます。
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Q2.わざわざDFVを使わなくてもPCVでセッティングが出せますか?
A2.ほぼNO:DFVはショックのストロークレンジを低中速域と中高速域とで独立して減衰力をコントロールできます。 中高速域の中でも高速域(特に0.6m/s以上)というのはサーキットにおける「縁石」を指し、縁石を跨いだ際の姿勢の乱れを抑えるようコントロールすべきと考えます。
ラリーであれば1.0m/sまで面倒見る必要があるそうです。
ショップオリジナルでPCVを出されているところもありPCVでも高速域をある程度コントロール出来ます。 但し、車の種類や仕様によっては矛盾が発生し完璧にコントロール出来るとは言い難いです。
ただ、エイトに限っては絶対にNOです。
ABSフリーズを起こす原因のひとつに縁石跨ぎがあります。
安物の脚では高速域をコントロール出来ず、ABSコントロールモジュールがフェールセーフに入ってしまい車がご臨終になる可能性があります。
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Q3.オイルは特別なものをブレンドして使用してるの?
A3.1種類のみ
オーリンズでは専用品1種類のみです。 (バイクは2種類) ただ、見た感じ特別な品質・高価なものではないです。
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Q4.封入されているガスは特別なものなの?
A4.ただの窒素ガスです。
但し15k位かけるのでかなり高圧です。
ちなみに封入するガスはほとんどが規程値でセッティングに合わせており、圧を上下させることはほとんどやってないようです。 確かに乗り心地にも影響しますがガス圧を下げるとオイルに負圧が掛かった時にキャビテーションを起こす為でよほど強いニーズが無い限りは推奨してないそうです。
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Q5.ショックに合わせるスプリング(バネ)とレートは何でも使えるの?
A5.YES
基本的に何でも使えますが専用のセッティング(仕様変更)が必要です。
バネレートの変更だけならカタログに記載された値で対応出来ますが厳密にはレート変更=要仕様変更と思って頂ければ良いと思います。
それは減衰力調整機構の縮み側が調整レンジの範囲内に収まらない為です。
(基本縮み側の減衰力はダイヤルを回してもほとんど変化が無いように設定されているのが常です)
それとスプリングのメーカが変わると特性も変わるのでこれも要仕様変更と思って下さい。 特にswiftは反発力が強いので要注意
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Q6.別タンク仕様は調整範囲も広く耐久性も高い、そんなに良いものか?
A6.N…そうでもない(爆
セッティングが出ているのであれば通常のDFVで十分。耐久性も通常のDFVかちょっと良い(かもね?)程度。
違いはレース当日(雨天、コースのグリップの変化など)でバネレート変更が発生した際の適切な減衰力を与えたり(Q5参照)ガス圧を調整したり限られた環境の中でアクティブにセッティング出来るのがメリットです。
通常ユーザが公道で使用する限りは不要です。
ちなみにショックの調整ノブは二つあるがショック本体のノブは伸び側と縮み側が同時に変化し、別タンク側のノブは縮み側のみが変化するそうです。
ちなみにエイトに別タンク仕様はラインナップにありません。 誰もレースやらないしニーズが無いから。
但し、オーダーメイドには応じるそうです。
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Q7.それでもセッティングが出ないときは?
A7.他を見直す
スタビライザー(アンチロールバー・アンチスウェイバー)の強度を変更してみたり、ボディを見直し補強してみたりする。
スタビライザーはサスペンションパーツですがショックアブソーバのメーカからしてみると適用範囲外となるのでオーナー自身のセンスと責任で判断する必要があります。
ショックアブソーバは神ではないのでスタビライザーのメリット・デメリットを理解した上でセットアップして下さい。
Q8.OHはどこでやるの?
A8.都内の工場(足立区)で作業します。
但しオリジナルで出しているショップでは自社でOH出来る環境があるところもあるそうです。
Q9.実作業時間はどれくらいかかる?
A9.約1日
車からの取り外しとは別に純粋なOH作業であれば作業1H程度+念の為オイルの脱泡に一晩置いておくそうです。
シャフトなどの部品が交換となるとさらに時間が掛かります。
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