
前回のブログ
ネコ社38年前のもうひとつのPerfect bookの最後の方で1978年のS1 Espritの販売価格が695万であったことにについて触れました。
いろいろ考えてみると面白いことになってきたので、いつもの通りワインチビチビやりながら、以下に記しておこうと思います。
実はこんな本も持ってるんです。
“Lotus Esprit” –The complete story



1991年発刊。ロータスオーナーになるまえのずっと昔、ロンドンの本屋さんでブラブラしているときに、偶然巡り合ったのでした。
そのときは、あ!エスプリだ!金も大して持っていなかったのに速攻買い。その後、写真だけ眺めて、ろくに読みもせず、何年もずっと本棚に。。。(笑)度重なる引っ越しの際も、ロータス関連本は、なぜか処分する気にならなかったんですよね。
まずは、1978年当時のS1 Espritの日本での販売価格の話です。
日本での販売価格は695万円と、当時の企画室ネコ発刊のThe Lotus 1978に記されてます。日本での現在のElise、Elise Sと同じくらいの価格帯でしょうか?
で、当時の695万円って、どんな?
それで、比較指標として、当時のサラリーマン平均給与を検索してみました。
あくまでネットで拾える情報ですが、1978年当時の
サラリーマン平均年収は2.600.000円!
同ページの2012年は4.633.000円なので、2012年を指数100とすると、1978年は56となります。約半分ってことですね。
また物価指数を調べると、
1978年当時は今ごろを指数100とするとだいたい69ですね。。
1978年はどんどん物価も平均給与も上がっていった、まさに高度成長時代ですね。
上記両者の比較指数56と69の間のだいたいの指数63として、当時のS1 Espritを現在価値に置き換えると、695万円/0.63=11.031.746万円!となるんでしょうか。当時のエスプリ、やっぱ、今の価値で1千万円以上はしたのかあ。。。当時の平均年収の倍以上ということになり、今のV6 Exige, Evoraのイメージとなるのでしょうか。
(わたしゃ、経済学者じゃないので、こういう比較のやり方正しいのかはよくわかりません、ワインもはいってちゃってるし-笑。経済・会計ご専門の方、読まれていましたら是非アドヴァイスを。)
そして、冒頭紹介したLotus Esprit The complete storyにはS1 Esprit販売当時のUKでの価格に関する記述もあります。
UKでの税金登録料前でGBP6820、登録後でGBP8125!!なんだこれ、ヤスい!!
目を疑ってしまう数値。為替、物価上昇率も関係してるとおもいますが、今のレート換算だとたったの150万円でEspritオーナになれるではないですか!!
さて、調査開始、まず当時の
為替です。
なんと、1GBP=78年平均で400円!としましょうか。(しかしすんごい円安、その後どんどん円高になるんですけど)
8125x400円=3,250,000円となりました。
ん??日本での売値が695万円、現地での売値が325万円?倍以上の価格?その差370万円。
輸入関税はWikiによると、50年代には自国産業保護目的で40%近い関税がかけられていたが、徐々にさがり、78年にはついに自動車に対する輸入関税は撤廃された。というわけで78年当時自動車輸入関税はゼロ。
当時の自動車海上輸送費については、検索しても解答を見つけられませんでした。
当然当時のインポータは恐らく、6820ポンドより低い価格で購入していたでしょう。海上輸送、日本での輸送費、登録、販促、アフターサービスなど、いろいろお金はかかると思いますが。。。
単純計算ででてきた370万円の差って、今の物価にすると370/0.69=536万円となるのでしょうか。
S1 Espritの日本での販売価格は異常に高かった、と思うのは私だけでしょうか?
また同本には当時の生産台数についても記述もありました。
興味深いのは1969年には4506台も生産してます。ライトウウェイトのエラン、ヨーロッパがヒットしたのですね。その後の後継モデル、新エリート、エクラ、エスプリはヨーロッパほどの安定した人気を得られなかったのが一目瞭然となり、1980年以降の生産台数は著しく低迷しています。
やっぱり、メーカのブランドイメージ、路線変更って経営的に危険なんですね。
同本にはポルシェやマセラッティとのスペック比較もあり、やはりこの辺と戦えるクルマを目指していた、ということも察することができます。生産台数からも見て取れるとおり、うーん、やっぱりエラン、ヨーロッパの従来型の強み、ライトウウェイト系も残しておきおながら、ハイエンド層をターゲットにしてゆくべきだったのでしょう。
Maserati Merak 当時のボーラとの兄弟車でしょうね。
911 1978年式
おしまい。
では、アムステルダムに早く春がくることを祈りつつ、Happy Lotus days!