
結論は同時点火オプションを入れれば92後期~111迄のデスビ信号は共通なのでそのまま使用可能
TVIS信号線流用のVVT制御はフリーダム側の設定をソフト上で変更すれば動作はするが
基盤によっては動作しない場合も有る(古いバージョン?)動作保証は出来ない
同時点火オプションでダイレクトIGNを使用すると高回転で動作不良が出る(コイルが加熱)
以下一問一答
問1 86ベースのフリーダムに同時点火オプションでデスビが92後期から111用に変更
(5Vに載せ替え)した場合フリーダムの改造が必要か?VVTをTVISの信号線を流用して制御可能か?
答1 AE92後期とAE111ではクランク角センサの信号は基本的に同一ですのでそのまま使用できます。T-VISとVVTでは動作が大きく異なるので、T-VISで動作させてもVVTのメリットがあまり生きません。
両者の動作イメージ ----> 回転数
T-VIS ON -> OFF
VVT OFF -> ON ->OFF
問2 TVIS信号流用で最後のOFF信号を出さない場合の不具合は?
答2 高回転が伸びなくなる
問3 VVTフラグを3(5Vを載せた場合に使用するTVIS信号→VVT流用フラグ)にした場合はどうなるか?
答3 VVTフラグを3にすればVVTの動作になります。ただし、Freedom Computerのバージョンに
よっては正常に動作しない可能性があります(動作保証できません)。
問4 ダイレクトイグニッション(以下DI)使用時には点火信号は92後期以降のディスビを使用しますが、
同時点火オプション使用状態でコイル~フリーダムCPの信号線を追加した状態で同時点火システム
からDIシステムへ変更する事は可能でしょうか?(勿論ドエル角等のフラグ設定は変更します)
答4 1、4と2、3を同時に点火する様に二股配線を行なうという意味でよろしいでしょうか。この場合、
低回転(およそ4500以下)では正常に動作しますが、高回転ではコイルが過熱して(点火回数が本来
の2倍になるため)動作不良やコイルの故障になります。
・VVT制御に関して
平成3年5月発売のカローラ・スプリンターシリーズ(AE101型)の内、スポーツグレードに搭載された
4A-GE型エンジン( DOHC 直列4気筒 1600cc)から採用された機構で、 インテーク側 カムシャフト
の位相を2段階に制御し、 バルブ・オーバラップを変化させる事により、 最高出力,中低速トルク及び
アイドリング安定性など、総合的な性能向上を図ったものである。
その作動は、エンジン・コントロール・コンピュータが各センサ(アクセル開度、エンジン回転数、冷却
水温)からの信号を基に、 OSV(オイル・スイッチング・バルブ)をON,OFFさせてインテーク側のカム
プーリへの油圧を制御することで、 インテーク側のバルブ・タイミングを切り替えている。
そのインテーク側のカム・プーリは、ベルトで駆動される部分とカムシャフトに固定されている部分とに
分かれており、 その間に設けられたヘリカルスプラインを持つピストンを油圧によって軸方向に回転させ
ながら移動させる事により、 位相を30度ずらしてバルブタイミングを切り替える。
-<アイドリング回転時>-
OSVはOFF状態にあり、油圧はカムプーリ内のピストンには作用していない。 従ってオーバラップの少
ない初期設定状態が保たれ、アイドリング回転は安定する。
-<低中速回転時>-
エンジン・コントロール・コンピュータからの信号によりOSVがONし、油圧がカム・プーリ内に設けられた
ピストンに作用する。 油圧によって押し出されたピストンが軸方向に移動するとき、ヘリカルスプライン
のねじにより、 ピストンと固定されたカムシャフトが15度(クランク角では30度)回転しながらスライドす
る。 従ってインテーク・バルブの閉じる時期が早くなり、低中速トルクが向上する。 また、OSVがOFFに
なるとプーリ内のオイルはシリンダ・ヘッド側へバイパスされ、ピストンに油圧が作用しなくなると、 ピス
トンはリターン・スプリングにより元の位置に戻る。
-<高回転時>-
OSVはOFF状態にあり、油圧はカム・プーリ内のピストンに作用しない。 従ってインテーク・バルブの閉
じる時期が遅くなり、高回転域での吸気効率がUPする。
・111カムと101カム流用について
111カムの流用でそのままポン付けで流用できない理由は、111カムがハイリフトゆえに、バルブと
バルブリセスとのクリアランスに余裕がなくなってしまうため。
AE111とAE101はピストンのリセスの形状も違い流用する際は、クリアランスの確認と、必要に応じてリ
セス加工も必要になります。
・AE111とは ピストンのバルブリセス カムのリフト量 バルタイプーリーの幅 タイミングベルト が異なる
→突き出し量や、スプリングの底付き等 寸法チェックが必要
・リフト量が変わるのでバルブクリアランス調整が必要
・IN側カムの肉がかなり薄いのでAE101の動弁系で持つかどうか 不明
・リフト量は111の方が大きいです(0.5mm:要確認)
公称バルタイ図より
・AE111
IN250度 中心角120度(オーバーラップ5度)
VVT作動時 90度(オーバーラップ35度)
EX250度 中心角109度
・AE101
IN250度 中心角125度(オーバーラップ0度)
VVT作動時 95度(オーバーラップ30度)
EX250度 中心角109度
86 デスビ
Ne信号
クランク位置を検出
G信号
カム
92後期
G1.G2信号
86は、クランク2回転で、G信号1回。92後期以降は、クランク1回転で、G信号1回
フリーダム(86ベース)
5V or 5V and ダイレクトIGNオプション使用時は 5Vデスビを使用
ダイレクトIGNオプション使用時は 92後期デスビを使用
5バルブデスビの信号と 92後期デスビの信号は共通?→86ベースのフリーダムに同時点火オプションを付ければ 5バルブオプションを付けなくても5バルブ用のデスビを使って同時点火に出来る?
・フリーダム制御に関しての基本情報
センサが読んだ情報は、電圧。これを、A/D変換。
2.5Vを、プログラムで2.5Vと認識させるには、タイミング毎に、変換。
全センサに対して、この処理を行う。プログラムには、以下のものが入力される。
・ 車速(パルス)
・ デスビ(パルス)
・ 水温(電圧)
・ 吸気温(電圧)
・ 吸気圧(電圧)
・ 大気圧(電圧)
・ アクセル開度(電圧)
・ 燃調(電圧リーン/リッチ)
それぞれが、AD変換されて、この情報を元にして、出力を決定。
処理手順として
・ 各係数
・ 燃料マップ
・ 点火マップ
・ スロットル開度補正マップ
・ 大気圧補正マップ
となる。
各係数とは、入力直後、出力直前に掛け算させ、値をずらしたり、ON/OFFの選択をします。
マップとは、2個の条件から、値を行列に並べて、それを選択します。
補正とは、選んだデータを若干修正させます。
このとき、センサが、もし、間違えて読んでしまったら、出力は、大幅に狂う。加えて、
急激な変化があっても、滑らかに変化させたいので、なまし処理をします。
係数の場合 入力値×A+前回の入力値×(1-A) = 今回処理する値
Aを「なまし量」と、言う。
ex)吸気圧なら 350mmHg×0.7+750mmHg×0.3 = 470mmHg
マップから、4つの値の平均を取っていきます。
まずは、回転数、吸気圧を別に考えます。
回転数を固定して考え、吸気圧が715mmHgなら、回転数1000rpm,1500rpmのときの値を計算します。
吸気圧を固定して考え、回転数が1380rpmなら、吸気圧700mHg、750mHgのときの値を計算します。
それぞれ4つの平均をとって、出力とします。
これで、マップの処理より計算した出力値より、補正をかけていきます。
出力増量補正、大気圧補正、その他を、計算させ、出力させます。
プログラムの計算結果を、D/A変換させ、電気的に出力します。
・気筒別制御のメリット
5V換装時に水周りの変更で冷却効率が変わる場合が有る(4Vと5Vでは水の流れが逆)
5Vではノーマル状態でも4番の冷却が厳しいのに4Vの水の流れにすると更に厳しくなる
気筒別制御で4番の燃調を増やす事で有る程度解決出来る
シーケンシャル噴射だけではあまりメリットが無いが、気筒別制御が可能になる事でそのメリットが出る
ノックに対しても気筒別でリタード出来るのもメリット