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ところで、遺伝子解析の世界では、ミトコンドリアDNA研究の分野があります。

すべての動物細胞の中にはミトコンドリアがあります。
ミトコンドリアは、もともと細菌で、動物細胞に寄生して共生した生命体と考えられています。このミトコンドリアが酸化的リン酸化という代謝を行うことでグルコースを使用して生命のエネルギーの根源であるATPを作り出します。
ちょっと難しい話になりましたが、ミトコンドリアは我々の持っている遺伝情報の46本の染色体とは全く独立したミトコンドリアDNAによって、寄生体として存続をしています。

しかも、受精の際に精子内のミトコンドリアは排除され、母親由来のミトコンドリアのみが連綿と受け継がれます。
したがって、ミトコンドリアのDNAを解析すると、純粋な母系遺伝の解析ができるのです。

この手法を用いて、全世界のさまざまな人種のミトコンドリアDNAを解析した研究によって、人類の祖先をつきとめる研究が発表されました。人類の祖先は、中央アフリカの一人の女性に遡れるそうです。ミトコンドリア・イブと呼ばれています。



この図を見ると、色々と面白いことが分かります。

日本はモンゴロイドとアメリカインディアンの間にいること、アボリジニーはまだ起源に謎があることなど、とても面白い。
ただ、この論文、僕が研究者だった頃のものなので、20年以上前のものです。
今では、さらにあらたな知見がありそうです。

またまた医学的な話題です。

血筋について。

あなたの血筋、祖先について、どのくらい知っていますか。
私の祖先、父方は駿府の商家です。
母方は津軽藩士です。このくらいまでは遡れると思います。

794うぐいす平安京の頃に話を遡ります。一世代30年として、1200年、40世代遡るとあなたの先祖は、近親交配がなかったと仮定すると、2の40乗=1兆人になります。平安時代の日本の人口は550万人だそうです。
近親交配がないと仮定していることが間違いで、さかのぼった祖先の中には重複する近親者がいなければなりません。平安時代から更に遡れば、根っこは神武天皇に行き着きます。

ところで、日本は、神武天皇が建国して以来、他国からの侵略を退け、全世界で唯一、有史以来独立した君主制（厳密には現在は立憲民主制ですが）の国家を維持している稀有な島国です。したがって、こんな単純な計算での推論ができるのです。

逆に言うと、現在の日本人の祖先は平安時代にまで遡ると、平安時代人の誰かで必ず繋がります。

嵯峨天皇は子沢山で有名で、50人以上の子供を設けていました。徳川家斉も同様です。為政者は子供をたくさん作ることも仕事の一つです。
現在の日本人は、皇室の血脈を全員が受け継いでいることは、数学的には確実だと思います。言ったら、みんなが光源氏の血を受け継いでいます。

鈴木さん、斎藤さんのようにものすごく多い苗字でなければ、同じ名字の人は数世代遡ると
同じ先祖に行き当たると思います。

人類みな兄弟、日本人は全員、神武天皇の子孫であることは確かです。

剣道は、高校のとき武道という科目があってちょこっと経験したくらいで、全くの素人です。そのときに思ったんですが、面と胴はわかりやすいし、打たれたときの衝撃とダメージはそれなりのものがあります。
で、「小手」って？？地味だし、打たれてもさほどのダメージを受けない。
小手の一本て、どうなの？と思っていました。
基本的には小手面といって、小手を打った流れで面を取る、みたいな感じの使い方のような。

では竹刀ではなく、真剣でと考えると、どの技が最も有効か。

真剣で、面で頭を割ることは現実的ではありません。

胴は、内臓に損傷を与えることができます。

突きは、頸動脈に損傷があれば即死させられます。

人斬りといえば、岡田以蔵ですが、一般的な人斬りは、袈裟懸け、逆袈裟懸けが基本です。

それすらも、費用対効果的な観点からは、よほど切れる刀でなければ鎖骨を切って、肋骨を12本切って、心臓を損傷させることは相当な力が必要です。

子連れ狼の拝一刀は、斬首の公職人（公儀介錯人）でした。
斬首介錯は、うなだれた状態で第6第7頚椎棘突起間を狙って刃を入れると刀を骨に当てることなくスパッと首をとばすことができます。
下手な介錯人だと、頸髄にまで刃が達することなく途中で止まってしまいます。とても痛くて、再度挑戦！となりますが、これは死ぬ以上の痛みだったと思われます。拝一刀は一瞬で首をきれいにとばすため、痛みを感じさせなかったそうです。余談ですｗ

戦国の時代、数人切ると日本刀は、付着した脂肪と骨で刃こぼれして切れなくなります。
整形外科の手術でも、メス刃は頻回に交換します。

で、最も費用対効果があるのが「小手」です。
小手は、手首の親指側を切ることにより、長母指外転筋腱(APL)、短母指伸筋腱(EPB)、橈側手根伸筋腱(ECRLB)を切断します。

この腱を切られると、まともに剣を振ることができなくなり剣士生命は終わります。小手こそが、最も費用対効果が優れた技であることは、整形外科医の立場から断言できます。

ベルセルクで、手足の腱を切られて廃人になった剣士グリフィスの下りがありましたが、手首の数本の腱を切るだけで、剣士生命を断つことができます。


更に余談ですが、ヤクザが落とし前をつけるときには、小指を切断します。
小指がなくなると、匕首やチャカをしっかりと握ることができなくなるので、ヤクザとしてのパフォーマンスが下がります。

今回は、あくまで手外科医としての考察です。
剣道・居合道の達人のコメントをお待ちしますｗ