週末のお休みが待ち遠しい木曜日です。
そして早くも11月になりました。
何の脈略もなく、フラッシャー付きの自転車です。
カッコよかったなあ、欲しかったけど、買って
もらえなかったよなあ、という個人的な思い出話です。
書いてるうちにダラダラと話が広がって、
ずい分長くなってしまいました・・・汗)
ご興味とお時間ありましたらお付き合い下さいませ。
写真は借り物ばかりです。
スミマセン。m(__)m
僕のあやふやな記憶を頼りに書いてます。
事実誤認等ご容赦下さい。

フラッシャー付きの自転車です。
昭和40年代半ばにムチャクチャ流行りました。
当時、小学校の高学年だった人は欲しくて
たまらなかったんじゃないでしょうか。
みんカラでメインの世代の皆さんにはとっては
古い話になりますのでピンと来ないかも知れません。
その頃のマンガ雑誌の裏表紙には必ず広告が載っていました。
記憶にあるメーカーは、ブリジストン、ナショナル、セキネ、カワムラ、です。
派手さがどんどんエスカレートして行って、自転車の値段も高いものとなり、
当時の価格で5万円くらいするものもあったんじゃないでしょうか。
とにかく、おいそれと買ってもらえる金額ではありませんでした。
ましてや自力で買うなんてとんでもない話です。
貧乏人の子であるにもかかわらず、5年生で生意気に
1か月500円のお小遣いをもらっていました。
計算してみると、それをそのまま貯金しても、100か月、
8年かかるとわかった時に、気が遠くなりそうでした。
そんな高額な自転車を買ってもらえるヤツはいたんですよね。
結構見かけました。
今の価値に直すといくらぐらいになるんでしょうか。
実感としては、20万、と言いたいところですが、いくらお金持ちの
家庭と言えども、そこまでの高額商品を小学生に買い与えていた
とは考えにくい。
そんなところから推測しますと、10万円前後が妥当なところでしょうか。
とにかくもう、羨ましくて羨ましくて・・・。
要は単に方向指示器とストップランプ、スピードメーターがついた自転車、
というだけなんですけどね。
ところがこのフラッシャー、方向指示器がまた、実に色鮮やかに、
ピャピャピャピャ~、ピャピャピャピャ~って、点滅しながら流れるんですよ。
夕暮れ時にコーナーを曲がって行く後ろ姿のカッコいいこと、カッコいいこと。
最初はみんな面白がって遊んでいたのですが、廃れるのも早かったようです。
電池はスグに切れるし、入れ替えるにはお金がかかりますし、面倒です。
また、装置を盗まれてガランドウになったリアキャリアなど、残念なことに
なっていた自転車をよく見かけました。
所詮は人力が頼りの自転車ですから、この大層な装備が実にムダで、
恥ずかしく、まさにお荷物であることに少年たちも気づくようになりました。
早い話が、飽きた、ということですね。
実際には、多くの少年たちはこんな感じの自転車に乗っていたように思います。
当時「サイクリング車」と言えばこのタイプを指しました。
(これでも充分カッコよかった! 15:53追記)
要は外装の変速ギアがついて、シュッとした自転車のことです。
この写真はアップハンドルですが、これを反転させたような
セミドロップハンドル、という、今思えば中途半端な形のハンドルが
主流になって行きました。
ドロップハンドル、イコール、危険、というイメージがありましたので、
小学生で乗っている者は非常に珍しかったと思います。
この手の自転車に標準で付いていた空気入れ(インフレーターと言ったような)は
もれなく盗まれましたので、皆さんハナから外しておられました。
そんな中、ウチではオヤジの通勤用の自転車を買うことになりました。
小学校5年生の時です。
(ウチには自家用車どころか、自転車すらありませんでした)
僕も時々使わせてもらうという前提で、オヤジと一緒に自転車屋さんへ
下見に行った覚えがあります。
当然ながら、フラッシャー付き自転車という選択肢はありません。
ただ、心中、あわよくばサイクリング車、にならないかなとは期待してました。
帰宅後、家族会議で心優しき母親が下した答えはこれ、です。

この写真もネットから拝借です。
いわゆる実用車、です。
せめて「軽快車」といわれるタイプをと、希望したのですが、
あっさり、却下、でした。
この実用車の値段が忘れもしません、ジャスト1万円でした。
軽快車はもう4、5千円高かったのです。
実用車と軽快車って、サドルや荷台の形、タイヤの太さなんかが
明らかに違うんですよね。
ダサダサ、です。(当時そんな言葉は使いませんでしたが)
ブレーキがまた、金属の棒を介する形で、これがまた更に
オッサン臭さ、カッコ悪さを強調していました。
言うまでもなく、冒頭のフラッシャー付き自転車なんぞとは比較にもなりません。
共通項は、自転車、というだけです。
実際に僕もたまに使わせてもらいましたけれど、これがもう恥ずかしくて恥ずかしくて・・・。
身長130センチちょっとのオボコい小学生が、この自転車を漕いでいる様子を
想像してみてください。
みんなが、シュッとしたサイクリング車に乗る中、この実用車はキツいものがありました。
僕らよりも少し上の世代では、実用車のダイヤモンド型フレームの間に
脚を突っ込んで立ち漕ぎをする、三角乗り、なんて離れ業を
する少年も普通にいたようです。
僕みたいに、運動神経の鈍い者には絶対に出来ません。

「三角乗り」
スミマセン、うだ話は更に続きます。
お1人でも興味をお持ちいただければ嬉しい限りです。
引き続きネット検索しておりましたら、懐かしい画像が出て来ました。
これです。
小学校6年生の時に買ってもらった自転車です。
これ、間違いありませんんわ。
ブリジストンのヤングウェイシリーズ、10段変速付きのドロップハンドル車です。
この頃には、フラッシャー付き自転車は、少なくとも僕の周辺では完全に終わって
いました。
おぼろげな記憶で3万何千円かしたと思います。
1万5千円の軽快車が買えなかったのに3万超えです。
しかも、危険と見なされていたドロップハンドル。
(4畳半と6畳二間の団地住まいの貧乏一家でしたが、
わずか1年チョッとの間に多少の生活改善があったのかな・・・。)
同時に夕刊配達のアルバイトを始めて、手に入れたお金で
返済するという話でした。
秋から中学に上がる3月までの半年でしたので、完済出来たかは
ハッキリ覚えていません。
最後グジャぐじゃで誤魔化したような・・・(^^;)
ところで、この自転車の特徴は、まずディスクブレーキです。
どこで植え付けられた知識か忘れましたが、雨天時には
これが安全だと信じて、これがついている自転車を優先しました。
(雨の日に2人乗りをしていて、下り坂でブレーキが効かなくて
怖かったことがあったようです)
もう一つは、変速レバー。
フレームのダウンチューブではなく、ハンドルポストについています。
この手の自転車でこんな変なところについているのはこれしか
なかったと思います。
このシリーズはちょっと変わっていて、他にも変な装備がありました
まず、オーバルギア。
ご存じの方がいらしたら、握手したい!
ペダルのついているフロントの大きなギアが楕円状になっているのです。
漕ぎながら又の下を眺めますと、ウニャウニャと妙な回転をしていたことを
思い出します。
もう一つはトリアルタイヤ。
聞いたことあります?
当時自転車でもラジアルタイヤ、というのが流行っていたのですが、
これは、接地面を非常に狭くして、「転がり抵抗」を減らした、という
のがうたい文句でした。
更に続きます・・・。
中学に入って、「サイクルスポーツ」という月刊誌を読むようになってから
自転車に対する興味の内容が大きく変わりました。
自転車ツーリング、というものに心惹かれるようになりました。
そして、そのツーリングに適した、頑丈でありながらも軽量に
作られた「ランドナー」という自転車が欲しいと思うようになりました。
※この時に、ツーリング、と言えば自転車、というイメージが出来ました。
自動車にツーリング、という言葉を使うのには何となく抵抗を感じます。
ヨーロッパならともかく、日本なら、ドライブ、でいいんじゃないのと思います。
2018.11.01(木)13:30追記
そういった自転車はこれまでの自転車と違って、大人の趣味の範疇に
足を踏み入れるものであるということも感じ取りました。
6年生の時に買ってもらった「サイクリング車」も、後ろの荷台を取っ払って、
まがい物のランドナーみたいにして乗ってました。
こだわっていたディスクブレーキも邪魔で仕方がないと
思うようになっていました。
センタープルブレーキ、カンティーレバーブレーキなどの
言葉を知ったのもこの頃です。
中学1年の時は四六時中自転車のことばかり考えていました。
そしてちょうどその頃、ミヤタ自転車から、衝撃的な自転車が登場しました。
エデイメルクスシリーズ、というラインナップです。
ヨーロッパの自転車レースで、「鉄人」と称されたエデイメルクス大先生の
名前を冠した自転車です。
(ブリジストンにもダイヤモンドシリーズという高級車がありましたが、
それを大きく凌駕したイメージがあります。)
いわゆるロードレーサーだけではなく、小旅行用の自転車から、
重装備のキャンピング用、トラックレーサー、果ては
サイクルサッカー用までと、たくさんの種類が網羅されていました。
(サイクルサッカー、って今でもやっているのか?)
上の写真は輪行車、分解して列車に積んで長距離を移動することを
想定したランドナーです。
(これはスポルティフというタイプかも知れませんが)
今でこそ、自転車をバラして列車で運ぶというのもそんなに珍しいことでは
なくなりましたが、昭和40年代、そんなことをするのは、競輪選手くらいなもので、
少なくとも僕の周辺には1人もいませんでしたし、駅で実際に目にしたことも
ありませんでした。
この自転車の特徴的なところは、車輪をワンタッチで外すために、
クィックレリーズという仕組みのハブがついているところです。
このクィックレリーズ式のハブと、フレームに直付けのカンティレバー
ブレーキというのが憧れでした。
そして最も肝心なのが、「クロモリ」フレーム。
高価なクロームモリブデン鋼という金属は、一般的な「鉄」よりも
強度があるので、フレームのパイプを薄くすることが出来る。
つまり、軽いパイプを使って軽いフレームが作れる。
その軽いフレームにこれまた軽量な部品を組み込むことで、
結果として一定の強度を維持したまま自転車は軽くなる。
「サイクルスポーツ」を読んで、その理屈を知った時に、
人間の軽い僕は、心の底から驚きました。
僕が買ってもらったサイクリング車が、たぶん20キロ近くあったと
思うのですが、クロモリ鋼を使った高級車は12キロ程度であると知り、
もの凄く憧れたことが忘れられません。
ワンランク下に、ハイテンション鋼、というのがありましたけれども、
それすら手が届くものではありませんでした。
それ以来、自転車のカタログを見ると、まずフレームがクロモリで
あるのかとうかというところ目が行くようになりました。
リムがアルミであるかというところも大きなポイントです。

キャンピング車。
専用のキャリアに括り付けてあるバッグがゴージャスです。
こんなの、本当に買った人がいるんだろうか・・・。
本格的なキャンピング用自転車のフレームは、強度を高めるために、
シートステーがシートチューブとクロスしてトップチューブに繋がっているのが特徴です。
これもサイクルスポーツから得た知識です。
ところが、このシリーズ、いずれも軽く10万超えで、当時の中坊ごときには
とても手が出せるものではなく、ハナからカタログを眺めるだけで諦めていました。
「サイクルスポーツ」を購読するうちに、もっとマニアックな自転車があることを知りました。

雲上自転車、トーエイランドナー。
直付けセンタープルブレーキ、直付けシフトレバー、直付けボトルケース。
ブレーキワイヤー、シフトワイヤー、フレーム埋め込み。
自転車をフレームから注文して、そこへ様々な細工をあしらって
作るなんてこと、それまで全く知りませんでした。
もちろん、こんなもの凄い自転車をを買ったわけではありませんよ。
今も作られているようですが、一体どれ位の金額になるんでしょうか。
軽く30万、40万、50万?
でも、自動車を買うことを思えば、自転車は安く上がります。
高級外車のホイール1本分も出せば、そこそこの自転車が買えます。
税金もかかりませんしね。
安心して走るところさえあれば、少し上等な自転車を買って乗ってみたいと
思うのですが、なかなか難しいと「ビワイチ」で思い知らされました。
とか何とか、カッコいいことをほざきながら、

現在僕が持っているのはこれです。
ホームセンターで買った2万円の折り畳み自転車。
スミマセン、もう少しお付き合い下さい。
強引に話を変えます。
改めて、実用車です。
ここ最近とんと見かけることが少なくなりました。
オッサンもいわゆるママチャリに乗る時代です。
絶滅したのかと思いきや、何とか生き残っているようです。
写真はブリジストンのジュピター、という自転車です。
パナソニックからは、レギュラー、という名前の実用車が
販売されているようです。
さすがに、ダイヤモンド型フレーム、ロッドブレーキ仕様は
メーカーでも廃盤となったようです。
いずれも5万円代の価格となっています。
純然たる物の価値として見た時に、安い、と思います。
残念ながら、ジュピターは検索をかけても、在庫なし、売り切れ、
と表示されます。
もう作っていないのでしょうか。

これ、シブいわ・・・。
手に入りづらい、となると、これまで全く関心のなかった実用車が
カッコよく見えて来ます。
オッサンくさい、としか思えなかったフルカバーのチェーンケースには
風格さえ漂っているような気がして来ます。
ところで、ハンドルから車輪の中央部に伸びている棒は、何だろうと
前々から気になっていたのですが、今回調べてわかりました。
補助フォーク、と言うんだそうです。
重量物を積んだ際には、大きな力がフロントフォークにかかり、
折れることもあったようで、それを防ぐための部品です。
このヘビィーデューティ感、自転車版ディフェンダーとでも
言えそうな迫力です。
(いきなりディフェンダーを持って来ました)
しかしながら、動力となるのは生身の人間の足です。
自転車単体でも重量がかさむ上に、変速機もありませんので、
実際の走行性能はママチャリにも劣るであろうことは間違いありません。
汗をしたたらせながら、こんな実用車をガーシガーシと漕ぐのも
ストイックでカッコいいような気がして来ました。
ピッタリとした流行のウェアでロードバイクを走らせるよりも魅力を感じます。
実用車、エエわ~~♪
現行販売している本格的な実用車がありました!

受注生産、112,800円だそうです。
フレームがダイヤモンド型ではない、チェーンケースがハーフ、
更にヘッドランプが付いていないせいもあって、漂う雰囲気は微妙に違います。
しかしながら補助フォークはしっかり装着されています。
絶対にしませんけど、こんな自転車でビワイチも楽しそうです。
絶対にしませんけどね。

それにしてもこれ、どうやって降りるんだろう・・・。
フラッシャー付き自転車よ永遠に、という気持ちで書き始めたのですが、
写真の検索を重ねるうちに、興味は実用車に移り、
こんなオチとなってしまいました。(^^;)
以上!です。
最後までお付き合い下さった皆さん、
ありがとうございました。m(__)m