
みるんじゃない、みてはならない…。
個人的に「封印」していた映画です。
(なんで?)
先日、原作についてのブログを投稿しました。
頂戴したコメントを拝読しましたところ、映画をご覧になった方が
たくさんいらっしゃいました。
映画を知らずに原作を語るのもどうかと思うようになりました。
とりあえずDVDを取り寄せて視聴しました。
大平洋戦争末期から始まる原作の時代背景とは大きく異なり、
現代(と言っても今からだと37年前)に置き換えてあります。
容姿端麗、運動神経抜群の天才ライダー北野晶夫が、性能で劣るマシンを
テクニックでカバーし、ワークスライダーに挑む、というコンセプトは
引き継がれています。

まさに英雄!
レース半ば、コーナーで転倒。
コースアウトするも、マシンを立て直し戦線復帰。
先行車両を次から次に追い抜き、見事悲願の優勝を果たす。
(これは耐久レースだったんでしょうか)
レース中の事故で瀕死の重傷を負い、その後2年間のブランクを経て
こうして不死鳥のごとく蘇るまでが描かれています。
冒頭シーンなかなかいい雰囲気で、その後の展開に期待を抱かせる
作りとなっていました。

このBMWがナイス!でした。
木の実ナナさんを空港まで迎えに行くシーンでこのクルマが登場しました…。
…?、恋人?、パトロン?…汗
序盤、終盤で、2つのレースが描かれています。
僕のような素人でも展開がわかるように撮影してありました。
ハングオン、というのでしょうか、車体を大きく傾かせて
コーナーを駆け抜ける様子が実に気持ち良い。
昔オートバイに乗ったことのある人なら、もう一度乗ってみたくなる、
そんなシーンが続きます。

男前!迫力あるレースシーン最大の立役者。

シブい!う〜ん、時の流れ…。

「地獄を見たかい?」ですね。

こんなカッコいい部屋が欲しい!
こういった場面に心を動かされない男は少ないと思います。

ゴージャスなクローゼット!
毛皮のコートはいつ着るんだ…。
草刈正雄大先生、洋服を着た姿はさすがバッチリでしたが、
トレーニングシーン、特にランニングはイマイチ、でした。
競歩に見える(ワタシが言ったのではありません)のは何故…?

室内プール完備!
…草刈正雄大先生のイメージ映像としては大成功だったと思います。
この作品の魅力の一端はよくわかりました。
熱狂的なファンの方もかなりいらっしゃるようです。
…敵に回したくはないので、多くは語りますまい…汗)

「汚れた英雄」
112分、1982年、天下の角川映画!
DVDにて視聴いたしました!

映画をご覧になって本をお読みでない方、オートバイがお好きな方、
できれば原作も是非ご一読いただきたい。
そこには全く別次元の壮大なスケールのドラマがあります。
北野晶夫の破天荒な生き様が描かれています。
それこそまさに汚れた英雄です。
以上!です。(^_^)
以下は補足です。
※関連記事で拝読した、みんカラユーザー「エイジング」さんの
ブログが実に面白かった!
「汚れた英雄」の文庫本を、何と10年間、しかも居酒屋で酒を
飲みながら読み続けている人のエピソードです。
これまた最高!です。
(「酒を飲みながら、こんなことをする人がいるとは」2017年12月7日)
※ご参考までに、大藪春彦「汚れた英雄」より一部引用させていただきます。
火山レース参戦に備えて、自分のオートバイを改造した時のくだりです。
(昭和32年のお話です)
「その車を買ったとき、圧縮比6対1で出力5.6馬力を出すことになっている
125cc単気筒2サイクルエンジンは、かなり力が落ちていて、せいぜい
最高速は80キロどまりであった。
それを晶夫は、エンジンのシリンダーヘッドや燃焼室、それに吸排気
ポートを改造して圧縮比を11対1に上げ、キャブレターは軽三輪用の
三国アマル式を改造したのを取り付けた。
それに、各回転部分の擦り合わせ、電気廻りの調整、マフラー改造、
高熱値のプラグとレーシングタイアの取付け、車体改造なども行なった。
俺のエンジンは少なくとも9000回転で15馬力は絞り出している筈だと、
晶夫は微笑した。」
お世辞にも文学的とは言えない殴り書きに近い文体ですが、
メカニズムの解説、ライディングシーン、ドライビングシーンの描写で
大藪春彦の右に出る人はいないんじゃないでしょうか。
Posted at 2019/03/06 07:43:49 | |
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