
先日ご紹介申し上げた大藪春彦御大の「汚れた英雄」です。
久しぶりに読み返そうと思ったのですが、手元に現物がありません。

(1979年に僕が読んだのは、文庫本ではなく
オヤジが持っていた新書版のいわゆるノベルスです。)
amazonで検索しましたところ中古品しかありませんでした。
すでに版が終わったんでしょう。
仕方がないので、良品を見つくろって注文しました。

もともとは1969年の作品と聞いております。
カドカワ映画華やかなりし頃、本と映画のタイアップで売り込みをかけてました。
これは1982年の印刷で今となっては37年も前になります。

1行の違いが老眼にはこたえます。
驚いたのは文字のサイズ。
ゴマ粒のような文字がビッシリと並んだページを見て気持ちが萎えました。
字が小さすぎて読めない!
ハズキルーペの出番です。(^_^)(持ってませんが…汗)
いま読みかけの最新の文庫本「七つの会議」と比較します。
1ページあたりで、最大111文字の違いがあります。
※行数、文字数とも検算しておりません。
ご容赦下さい。
作中には数え切れない程のオートバイ、自動車が登場します。
まさに、綺羅、星の如き名車の数々に圧倒されます。
その1台1台の描写がまた細かい。
実際に乗ったんかい、と突っ込みたくなるほどです。
40年前、最初に読んだ時から頭に残っている印象深い3台です。
当時は今のように簡単に検索することも出来ませんでしたので、
頭の中で想像するだけでした。

ヤマハYA-1
浅間火山レースにメーカーの専属ライダーと混じって参戦。
トップで独走するも終盤に転倒、何とかコースに復帰して、
ギリギリ3位入賞を果たしたと記憶します。

フェラーリテスタロッサ
ハウスボーイとしてアルバイト先のアメリカ将校が、ギャンブルの賭け金代わりに
せしめて来たクルマです。
さしもの北野晶夫も最初は乗りこなしに往生してました。

MVアグスタ350
渡欧してメーカーのレーサーとして契約した時のオートバイ。
年代的に多分これなんだろうと思います。
ザッと60年前…。
※つたない記憶を頼りに書いてます。ご容赦下さい。

それにしても思っていた以上に性描写が多いことに驚きました。
レースの場面よりもヤヤコシい場面の方が多いんじゃないか…。
読みようによってはエロ小説ですわ…。
人並み外れた身体能力と強靭な精神力、さらには極太のナニと
テクニックを武器に極太の人生を駆け抜けた天才レーサー北野晶夫。
作者の大藪春彦大先生も、このご時世としては早死にでした。
(1935年2月22日〜 1996年2月26日 享年62)

浪人生だったショボい自分は、そのままショボいくたびれた
オッさんとなって、何とか日々をやり過ごしております。
小学生の頃には、ひとかどの人物となって世間を見返してやりたいなどと
大それたことを考えたこともありました。
(アホ、ですわ…お恥ずかしい…)
特別な才能もなく、さりとて努力も出来ない人間にとっては、
収入を得て生活をさせてもらうだけでも大変なことであることを
思い知らされた40年間でした。
(2台持ちの贅沢はしてますが、いずれも10年越しのポンコツです。)
生かせてもらっているだけでありがたい、年を重ねるほどに
その思いが強くなります。
以上!です。(^_^)
Posted at 2019/02/24 15:19:26 | |
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