7月最終週から8月初にかけて黒部源流域にトレッキングに行ってきました。
登山口は富山県の折立ですが、ハイシーズンは平日でも駐車場争奪戦の厳しい登山口であるため、登山前日19時前に折立に到着しました(20時から6時まで通行禁止)。その時点で空きは3台程度で、朝来ていれば、500m以上離れた臨時駐車場にしか止めれません。
初日は折立から太郎平を経て薬師岳へ。薬師岳山荘で昼食代わりの白玉小豆と白玉あんみつを食べていた時は山頂も晴れていましたが、いざ登ろうとするといきなりのにわか雨。止むのを待って再度山頂にトライしましたが、濃いガスで何も見えませんでした。登っている途中から雷が近づいてきていたので、焦って走りながら下ってきましたが、山小屋に飛び込むと同時に土砂降りに。間一髪で濡れずに済みました。
2日目は黒部源流域の薬師沢を経て、雲上の楽園と言われる雲の平(標高2,600m近辺)へ。猛暑の中で800m下ってからの700mの急登の登り返しで、思った以上にバテました。
宿泊する雲の平山荘は女性にも人気の山小屋で、お花畑が最盛期ということもあって平日にも関わらず激込みで、到着時に「今日は、布団1枚に2人です。」と言われてがっくり。団体のキャンセルのお陰で最終的には布団2枚に3人(十分余裕があります。)となりましたが、花畑が見頃で登山客が多いことを甘く見ていました。
写真は咲き誇るコバイケイソウ(今年は数年振りの当たり年だそうです。)の奥に雲の平山荘が霞んで見えるものです。
ここから鷲羽岳を経て3泊目の水晶小屋を目指しましたが、次の写真は黒部川の最源流域の景色です。
水晶小屋は定員30名の北アルプスでも最小の山小屋ですが、”裏銀座”の要所にあり、テント場もない(強風のため山小屋でさえ過去何度か吹き飛ばされた)ため、平日にも関わらずやはり激混みで、布団1枚に2人と、足の踏み場もない混雑でした。しかしここでも秘密兵器の”耳栓”が大活躍。いびきの大合唱の中でも十分に寝ることができました。
上の写真の水晶岳、下の写真の赤牛岳を経て問題の”読売新道”へ。
読売新道はあの読売新聞が周年記念で開発した珍しい登山道ですが、長いだけでなく、苔むして滑りまくる岩だらけなうえに、2~3mもある木の根を何十も登り降りしなければならないとても”いやらしい道”で、小屋でご一緒したベテランの方達もこぞって避けたがる過酷な登山道です。ちなみにこの日この道を歩いた女性はうちのバアバだけです(男性も含めると10名前後)。
次の写真は読売新道の終点近くにある不思議な木で、岩の上にここまで根を張っている木を見るのは初めてです。
さてこの木を過ぎるとすぐに4泊目の奥黒部ヒュッテに到着です。黒部湖の東沢谷出合にある小屋で、登山家だけでなく、沢歩き・渓流釣りファンにも有名な小屋です。この小屋から上流にある”上の廊下”、”奥の廊下”は沢歩き(ほとんどの方は同時に渓流釣りも)ファンには有名な上級者向きの沢で、ベテランの方でも条件が整わないと歩けない難所と言われています(ウエットスーツを着て、泳いで渡渉が必要なところも多い。ロープで渡渉する箇所も多く、単独行は一層困難。)。
我々はこの小屋から黒部ダムを目指すのですが、前半は次の写真のような梯子等が40前後も続くとんでもない道です。
そのあと”平の渡し”で船で対岸に渡るのですが、この渡船もあのとんでもない歩道も、黒部ダムを開発する際の条件として関西電力が維持しているものです。
さて対岸に渡った後も楽な道のりではなく。次の写真のような”地味に”危ない箇所を何カ所も通過しなければなりません。
簡単そうに見えますが、斜度は60~70度、狭い所では幅は40㎝もなく、もし足を滑らせると、100m下の黒部湖の底まで一直線です(落ちればまず助かりません)。
バアバが予想外にバテて大変でしたが、何とか予定したケーブルカーの時間内に黒部ダムに到着できました(折立まで時間内にタクシーで戻る必要があるため)。
これで3年連続の立山・黒部山域の登山行も終わりです。
1昨年:早月尾根ー剱岳ー大日平ー称名滝
昨年:剱岳ー剱沢雪渓ー仙人池ー雲切新道ー水平歩道
帰りはバアバともどもフラフラで運転(1時間ごとに交代)しましたが、それでも安全に運転できるX213の有難さを改めて実感しました。本当に楽でいい車です。
このあと実家の山口県周南市往復(大阪から)と過酷なドライブが待っていましたが、この車は楽に運んでくれました。
今年は残雪が少ないので、機会があれば黒部ダムから阿曽原温泉小屋までの”下の廊下”(旧日電歩道)を歩ければと思っています。
Posted at 2019/08/18 22:32:29 | |
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