走っているとどうしても消耗品になってしまうローターだが、18インチ仕様のフロントだと純正ローターでも2ピースだけに1枚76010円、左右で152020円もしてしまう(いずれも税込み)。これぐらい高価だと、社外のローターを検討する人も少なくないんじゃないだろうか。そこで今回は調べられた範囲内で社外ローターについてまとめてみた。
まずは比較的早い時期に発売された、デッキ メカニカルパワーの
ガーランドローター。
(画像は
weboptionさんの紹介記事よりお借りしました)
フロント用2ピースローター:税抜き175000円(税込み192500円)
同社によると純正で28mmの厚みであるGRヤリスのローターは熱容量が不足しており、直径は変わらないものの厚みを30mmに増すことで熱容量を確保しているというのがポイント。調べた限り、GRヤリス用で30mmのディスクは他では見つからなかった。ベンチレーション幅も10mmから13.5mmに増えている。また重量は約9.5kgで約0.8kgの軽量化となっている。
熱容量の確保と軽量化を両立、フルフローティングという点で、個人的には性能面では一押しなんじゃないかと思っている。しかし高価だが…。
なお補修用のディスクは59500円/1枚(税込み65450円)。ベルハット部分はローター3セット分ぐらい使いまわし可能(ただしヤリスに限ればそこまでの実績がなく未知数ではあるが)ということで、こちらのコストも考慮することにはなる。なお補修ローターは来年早々に値上げを予定しているとのことだった。
同社からはリア用も発売されており、2ピースで165000円(税込み181500円)、3ピースで税抜き205000円(税込み225500円)。補修用ディスクは46500円/1枚(税込み51150円)。
こちらは直径を297mmから330mmへ大径化、厚みを18mmから20mmに厚くしている。ベンチレーション幅も4mmから8mmに増加。重量は純正の約6.7kgが3ピースで約6.1kgであり0.6kgの軽量化だが、2ピースは7.6kgであり0.9kgの重量化。ただしサイドターン対応は2ピースのみのようだ。
次いでエンドレスの
レーシングローター。これもフルフローティング。
Racing CURVING SLITが税込み226600円/2枚(実売18万ちょっと)、Racing E-SLITが242000円/2枚(実売19万ちょっと)。補修ディスクの定価は前者が53900円/1枚、後者が61600円/1枚。補修用固定ピンが1セット9900円で、こちらは毎回交換?ベルハットが何回使えるのか問い合わせメールを投げているがまだ返ってきていないので、判明しだい追記する予定。
んでこれ、品番に左右の区別がなくスリットやベンチは左右共通なようだ。純正でも区別はあるのに、ちょっと微妙。
次は海外から。
LAMSPEEDというサイトで
MOTION CONTROL 2 PIECE FLOATING FRONT BRAKE ROTORSというのが売られている。
見たとこフルフローティング。$999.00は割と安いが、送料込みだと純正よりちょっと高いぐらい?7.95kgで純正の10.02㎏より約2.07kg軽量化ということだが、純正ローターの重量がデッキの値と違うのは何故?軽いのはいいが、熱容量的にはどうなのかというのはある。説明文には"a reduction in rotational mass is King! "(回転重量を減らすのがイチバン!)とあるが…。特に記載はないが、厚みはおそらく28mmだろう。
なお
補修用ディスクは固定ピン付きで$850.00。
お次も海外から。ちなみに以下は海外ばっかり。
ドイツのHRNSHN-Racing(なんとなく阪神っぽい)からはAP製のローターが販売されている。
HRNSHN AP Racing OE Austausch Yaris GR 356x28
フルフローティング、純正同サイズで8.1kgであり、約2kgほど軽い。ベーンの湾曲が純正より強く、冷却効率が上がっている…らしい。
ポルシェなどスポーツユースでは定評のあるメーカーらしいGIRODISCからも出ていて、上記の阪神っぽいサイトでも販売されている。
Girodisc OE Austausch Yaris GR 356x28
新製品らしく本家のGIRODISCのサイトにも記載がない。これは純正同様の28mm厚で、
ここによると約2kg軽いとされている。送料抜きで€948.74(約121500円ほど)はコスパ的にもいいんじゃないだろうか。でも見た感じではフルフローティングではなさそうに見える。
なお
補修用ディスクは片側約47000円(もっと安いところもあるかも?)。
上記サイトでは
Carbopadというところのローターも販売されている。こちらは€1,000.00(約128000円ほど)。フルフローティングだろう。純正サイズという以外の詳細は見つけられなかった。
オーストラリアのRace divisionというサイトで
BRYPAR, MOTORSPORT BRAKE DISCS GR YARISというのが売られている。
2,495豪ドル(202000円ちょっと)と結構なお値段。
これもフルフローティングのようだ。サイズは純正同等で、7.3kgということは約2.7kg以上とかなり軽い。ローターを横から見た画像でもベンチ部の厚みが大きく、ディスク面はかなり薄くできているようだ。よく冷えそうだが、熱容量的にはどうなんだろう。
あとイギリスのGRヤリスのフォーラムで見つけた
このローター。
NST PARTSというロゴが付いているが、ググり方がまずいのか本品についての詳細は分からなかった。重量は8.7kg。これはフルフローティングではなさそうに見える。
ここのフォーラムはディスクのベーンの方向についての考察があったりしてちょっと面白い。
つらつら書いてきたけどまとめてみる。
・送料を考えると純正より価格面で安いものはほとんどなさそう。ただ補修ディスクのあるものは逆転する可能性はあり。
・より大きい熱容量を確保するための厚さ30mmはデッキだけ。軽量化としては少しだが、熱容量とのトレードオフなので仕方ないところか。
・あとの製品はだいたい2kg程度の軽量化のものが多い。当たり面を薄くしてベンチ部を増して軽さを出しているのだろうが、熱的にどちらが有利なのかはちょっと分からない。
・またローターはもちろん鉄の材質による性能差もあるが、こればっかりは使い比べてみないと何とも言えないだろう。
・昔PFCローターを個人輸入した時は円高も相まってかなりお買い得だったが、当時より円安なのと日本の経済成長の低迷のせいで今では割高感は否めない。
個人的には熱容量の点でデッキが良さそうな気はするが、あとはどうにも決め手に欠けるかな。それにしてもGRヤリスのパーツは全般的に海外メーカーのほうが動きが活発なように思うので、国内メーカーにも頑張ってほしい。
だいたいネット上の情報は網羅したつもりだが抜けがあるかも知れないので、こんなのもあるよとかこっちのほうが安いとか気付いた点などあればご指摘頂ければ幸いです。
Posted at 2021/12/01 13:45:58 | |
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