天候概ね良好。蒸し返すような空気。第20夜。

体はだいぶ悲鳴を上げている。特に関節が痛い。
日中は歩き、夜間はロクに寝返りもうてない車両のシート。誰だってそうなるだろう。
でも、この時ギブアップしてホテルで休息を取ろうという選択肢は自分にはなかった。お金は払って楽をするとここまでの努力は水泡と消える気がし・・・? 気合を入れ、今日も行く!
午前10:36 有明沿岸道路 柳川西入口
有明海を沿うように佐賀、長崎方面へ。
午前10:50 佐賀県 佐賀市
県境を越える。九州西部は湾が入り組んだ複雑な海岸線でアクセスに時間を要する。
佐賀市より長崎市へは有明湾を南進しないと行けない。
午前11:52 佐賀市 吉野ヶ里遺跡
誰もが歴史で習ったのではないだろうか、“吉野ヶ里遺跡”
佐賀県を観るのは長崎の後と考えていたが、近いので来てみた。前日みたいな天候ならパスしていたと思う。入場料420円。
“南内郭”
ここで国の偉い人達が生活していた。
櫓では番人が不届き者の進入を見張っていたのだろう。
櫓からはこのように見える。点在するのが支配者層が暮らしていた家々。

周囲は壕が造られ、このような集落を「環壕集落」という。ちなみに「ごう」の漢字はただ掘ったものは「壕」、それに水を張らせたものは「濠」と書くそうである。
内部は当時の様子が再現されている。
いかにも位が高い雰囲気だ。それにしても人形がリアル。子供が泣き出しそう。
“北内郭”へ。
あまりに有名な“高床式”の住居や倉庫。テストで出さなかった先生はいないだろう。
遺跡の中心的存在の“主祭殿”。
大事な会議を開いたり、祖先の霊を祈ったり祀ったりする。
会議といっても当時はどのような話をしていたのか?「実は予算がね・・・」とか話していたのだろうか。
“北墳丘墓”は歴代の王の墓と考えられている。甕棺に入れ葬られた。当時は土葬。

これについては復元ではなく、当時使われていた本物である。
弥生時代から現代へ戻ってきた。
昼食はカップ麺で済ませた。スーパーでお湯をもらえるのはありがたい。
午後3:35 佐賀県 鹿島市の山中
プレオを購入して8年。総走行距離が10万kmを突破した。
地元から遠く離れたこの地で迎えるとは!
購入時が2万4246kmだったのを考えると以外と走っていない。まだまだ乗れる。
ひとつの区切りを経験したプレオは長崎へ入る。写真は駅前。
今年は原爆投下から70年の節目の年。単なる偶然か、長崎が呼んだのか。
“平和公園”へとやってきた。
当時この場所には“長崎刑務所浦上刑務支所”が存在した。
その跡が今も残されている。
この場所の約100m先で原子爆弾が爆発し、建物が一瞬で崩壊、職員・受刑者ら134人全員が犠牲になった。

当初、第一目標は福岡県の小倉市(今の北九州市)だったが、天候不順のため長崎に変更になったようだ。悲惨な結果になることに変わりはないが・・・
“平和の泉”は水を求めて亡くなった人への慰霊、冥福を祈り造られた。
ちょっと歩き、“浦上天主堂”。
異国情緒溢れる長崎ならではの建築物。煉瓦造りでどっしりしつつも凛としている。
その建物も原爆の被害を受けた。
聖人の石像は熱線で焼け焦げ、吹き飛んだ壁がその威力と悲惨さを物語る。
「戦争」からは何も生まれない、未来永劫。
午後8:22 長崎市 稲佐山
長崎のそんな悲しい出来事だけの町ではない。今度は美しい長崎を見に行く。

運転中、突如腹痛が襲う。まずい、この辺トイレあるのかな・・・
稲佐山中腹。マイカーで頂上アクセスも可能だが、ここにクルマを置いて私の大好きな無料送迎バスで行くのがお得。

次のバスが来るまで20分待機。トイレに行ってる間にバスが出発してしまった。
バスが来る。乗客は自分ひとり・・・ さっきのバスはすごい客待ちだったのに何でだろ?
カメラ性能上、キレイさを伝えきれないのが残念。
長崎港の“女神大橋”

こちらの写真、あまりの出来の酷さに載せるのを迷った・・・ チラッと他の観光客の撮影を見てるとどの人もクッキリ明るく撮れている。デジカメとスマホの進歩っぷりに驚愕したのであった。
山を下りる。バスの運転手さん、さっきと同じ人だった。そして乗客はまた自分だけ・・・ もしかして自分嫌われてる?
運転手さんに何故か聞かれた。
「あの~失礼ですが、中腹までどうやって来られました?」
「マイカーで来ましたが?」
「あっ、そうですか・・・」
超ラフな格好にリュック姿だから疑問がられたのだろうか?
夕食にちゃんぽんを平らげる。リンガーハットだけど・・・ 10時半もとうにまわり、ここ以外やっていない。でも美味しい。無料で麺2倍システムはすごいと思う。
ちなみに「ちゃんぽん」意味は中国・福建語で「飯食った?」の意味。※諸説有り
長崎市北部、道の駅夕陽が丘そとめで走行終了。
佐賀で弥生時代、長崎で激動の昭和を感じ、この日はドライブというより時間旅行した気分だった。
《本日の走行》
熊本県和水町 道の駅きくすい → 長崎県長崎市 道の駅夕陽が丘そとめ
第21夜へ
Posted at 2015/08/27 22:27:26 | |
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