
こんばんは、朝比奈です。
朝晩ずいぶん寒くなってきましたね。
そろそろウインターグローブの出番でしょうか。
流石に0度下回るようになったら車通勤にしますが
それまでは何とかバイク通勤で頑張ってみようかと思っています。
ガソリン、すごく高いしね。
最近ずっと整備手帳ばかりなので
たまには普通に日記も書いてみようかと思っています。
とはいえSRの事ばかりですが・・・
自分はバイクに乗っている時間より
整備している時間の方が長く
それは自分のバイクだけでなく知り合いのバイクも数台面倒見てるからというのもあります。
主に見ているバイクは、ホンダのスクーター、これはオイル交換とタイヤ交換などの消耗品交換が主です。あとVmax1200、これは自分が乗っていたものを譲渡したもので、やはり基本整備と消耗部品交換が主になります。他はたまに臨時でバッテリー交換やらオイル交換が入ったりはしますが・・・
で、自分のバイク、SR400Fiは新車購入直後にエンジン脱着せずに済む程度までは
ほぼ全部ばらしてSMを参照しながら組みなおしたので
素人なりになんとなくですがSR400Fiについてわかってきたことを書いてみようかと思います。
ちなみにキャブでドラムブレーキ世代のSR400もレストア、所有していたことがあるので
違いなども少しは書けるかもしれません。結構前の話なので記憶が定かではないことが多いのですが・・・
エンジン。
空冷エンジンという温度管理が困難なエンジンを現代の厳しい環境基準に生き残らせるために
かなり無理というか歪なことになっています。
初期型のエンジンと比べたら比較にならない程たくさんのセンサーやらパイプやら色々ついています。
サービスマニュアルを見るとわかるのですが各種センサーの項目だけでも
パーツリスト一冊分くらいありそうです(大げさでしょうか)
そしておそらく一番影響が出たのが排気温度の上昇だと思います。
未燃焼ガスを再度燃焼させるシステムと、極限まで薄くセッティングされた燃調で
かなり排気温度が高くなっているようです。
それを感じたのがバルブクリアランスの出荷状態。
EX側を最初に見たのですが、指で動かしてみただけでわかるクリアランスの広さ。
確かEX側は規定値が0.12~0.17mmだったと思うのですが
調整するときは通常は基準の中央に、つまり0.14か0.15mm辺りにしますが
明らかに広すぎる感触。実際0.15mmのゲージがすんなり入ってしまう。
恐らく排気温度が高くなりやすいのでかなり広めに調整してあるのではないかと。
ただこの広さだとかなりタペット音が出る(実際かなり賑やかでした)ので
何回かテストして0.13mm辺りまで詰めておきましたが・・・
逆にIN側は間違えてオーバーラップ状態なのか?と勘違いしてしまうほど狭くなっていました。
こちら側は排気温度の影響を受けないので騒音防止のため極限まで詰めてあるのかもしれません。
ちなみに自分は色々試した結果IN0.08EX0.13位に落ち着いています。
排気温度の上昇は、マフラー、エキパイのつくりにも影響しているようで
元々SR400はエキパイが2重、3重になっています。
排気音の軽減もあると思いますが、主に熱による焼けを防ごうという理由が大きいと思います。
ですが、Fiモデルになって今度はナノ膜コーティングというものまで加えられました。
エキパイのメッキの上にコーティングすることで灼けや変色を防ごうというものです。
このコーティングがどれくらい耐久性があるかはわかりませんが
とりあえず今のところは焼けなどはなく役に立っているようです。
他にも各部に防音材(らしきもの)が張り付けてあったりして
騒音基準を満たすのにメーカーがかなり努力しているのがうかがわれます。
ブレーキ。
Fiモデルになってブレーキの構造自体は変更はありません。
フロントは2ポットの片押しフローティング、リアはリーディングトレーディング式ドラムです。
ですが、フロントはパッドの素材に変更があったのか
結論から言うと恐ろしくパッドの減りが早いです。
どれくらい早いかというと、新品時のパッドの厚みは約5㎜程なのですが
自分の場合は2200km走行した時点で残り2mmになっていました。
断っておくと、自分はおとなしく走るほうでスポーツ走行も全くしません。
そんな乗り方でも1000キロで1mm以上減っている、つまり4000キロ程でパッドが無くなる計算です。
実際、あちこちで5000キロ前後で残量が無くなったり
パッドの地金が出てしまいローターも交換になった話などを目にします。
これはちょっと異常です。
自分は社外品に交換してしまいましたが純正にこだわる人は大変なのではないかと思います。
そして当然のことながら減りが早いということはブレーキダストの量も物凄く
ちょっと走っただけでホイール、エンジン、フレームがブレーキダストだらけになります。
自分はどちらかというとこっちの方に閉口してしまいました・・・
フロントフォーク。
文を書くのに疲れてきたので簡素に。
新車時は動きが悪いです。
あと、何か金属が擦れている音も。
これはしばらく乗ると馴染んできて消えますが
この時点でフォークオイルを一度交換しておくといいかもしれません。
開けてみるとわかるのですが、慣らしが終わった時点でもフォークオイルは真っ黒です。
更にギラギラと金属粉も。
たぶんスプリングの表面が剥がれ落ちているのだと思いますが。
これは他の車種のバイクも新車後しばらくして開けるとオイルが真っ黒なので
SRに限った話ではないのかもしれません。
リアサス。
ダメだダメだと悪評のすごいリアサスですが
普通に乗っている限りは不満はありません。
ただ、2名乗車を基準に設計されているので、1人で乗るとちょっと固いかもしれません。
とりあえずサスの設定を一番柔らかくして乗っています。
タイヤ。
長らくメッツラーのME77が新車装着されていました。
このタイヤも評判が悪いですが
これは使用目的が日本での一般ユーザーと乖離していたのが問題かと思います。
日本においては主に短距離、そして比較的低速コーナーが多く、1人乗りが多いようですが
このタイヤは減りが少なく(コンパウンドが硬くグリップは低い)剛性もかなり高く作ってある、
つまり長距離を二人乗りで延々と走るようなタイヤなのです。
絶望的にミスマッチなタイヤ、それがこの悪評の正体なのではないかと自分は思います。
ヤマハもそこがやっとわかったのか、他に理由があるのかはわかりませんが
ブリヂストンのBT45のSR用タイヤを装着するようになりました。
自分はIRCのSR用タイヤを履いていますがME77の時とはまるで別のバイクかと思うほどよくなりました。
具体的には腰をつかって身体全体で荷重をかけて曲がらなければいけなかったのが
視線移動とほんの少しの体重移動だけでひらひらと曲がるようになりました。
そしてかなり乗り心地が良くなりました。
SRはそれほどタイヤも高くはないので、一度交換してみるといいかもしれません。
メーター。
バックライトの配置が上手くないのか下半分がとても暗いです。
トリップメーターが夜はほとんど見えません。
クラッチ。
新型になってかなり軽くなった(クラッチスプリングの変更)ので
乗りやすくはなっているかもしれません。
ただ、相変わらずアジャスト機能はブレーキクラッチどちらも大昔の構造のままなので
手が小さい人には辛いかもしれません。
ポジション。
よくバイク雑誌やwebの記事では、女性や初心者向きをありますが全く違います。
それは実際に乗っている人ならわかるはずです。
まずキック始動。
普通にスタンドをかけてキックできる状況ならいいのですが
道路上でエンストしてしまった状況でそれができるでしょうか。
ニュートラルを出してスタンドを出して上死点を出して・・・
難しいと思います。
となるとスタンドなしでキックすることになりますが
そのためにはある程度の身長、恐らく175cmくらいはないと
スタンドをかけずにまたがったままキック始動するのは困難です。
あと、意外と思われるかもしれませんがSRはコンパクトなバイクではないです。
確かに正面から見るとスマートですが、実は前後方向にはかなり長いのです。
実際、自分の身長は175ですが腕に余裕を持たせた理想的ポジションになるには
シートのかなり前方に座る羽目になります。
恐らく165以下の方だと乗ることはできてもちょっと厳しいのではと思います。
また、足つきも意外と悪いです。
シートの形状がぶ厚く、角が立っているので内またがどうしても当たるのです。
なので数値上はシート高は低くても実際に乗ろうと思うと足つきが・・・となります。
他にも基本設計が40年前のバイクなので
現代のバイクと比べるとどうしても走行性能は落ちてしまいます。
これらの理由から、SRは無責任に初心者や女性に勧めてはいけないバイクだと思います。
整備性。
もはやSRはシンプルなバイクではなくなりました。
フルカウルのバイクほどではありませんが、整備性は悪いです。
特にリアブレーキペダルのピボット部分。
ここはシールもなく水も侵入しやすいので定期的にグリスアップしたいところなのですが
ここを外すにはスイングアームまで外さなければなりません。
他にも整備していくとあちこち辛い部分があります。
タンクの脱着もその一つです。
スペース。
収納スペースはゼロです。
レギュレーターをエンジン下に持っていくぐらいです。
全くスペースはありません。
そしてこれで困るのがETC車載器の設置場所。
サイドカバー内もシート下もみっちりと詰め込まれているので場所がありません。
なので、大概は一体型を付けるか分離式で本体はケースに入れてクラブバーにつけたり
あとはワイズギアの外付けキットを使うか、となっているようです。
自分は最初はワイズギアのキットを使ったのですが
これがびっくりするくらいお粗末な作りで、早々に外してしまいました。
では今どこにつけているかというと
リアフェンダーとシートカウルの隙間です。
実はギリギリ薄い車載機なら入る隙間があります。
そこに防振シートとマジックテープで固定してあります。
配線はメインハーネスに沿わせる形ですが
どうしてもガソリンタンクを外さないとできないので
ここでも整備性の悪さが・・・というわけです。
燃費。
大体、リッター20~30位に収まる感じです。
エンジンオイル。
いくつかのオイルを同条件でテストしてみました。
劣化してから交換してしまうと比較できないので劣化する前に交換。
更に銘柄変更するときは新しいオイルを入れて一度抜いてから再度新しいオイルを入れる方法です。まだまだ十分きれいな抜いたオイルの消費(主にうちに入庫するバイクのオーナーに説明して無償提供)が大変でしたが・・・
結果から言うとメーカー指定の粘度で鉱物油が一番いい結果が出ました。
逆に硬めのオイル、合成油はメカノイズが酷くなったりしました。
それでもほとんどのショップは高価な合成油、そして硬すぎるオイルを勧めていますが・・・
なぜでしょうね・・・
振動。
一般道で走っている限りはいいのですが
高速道、それも時速100キロ前後の速度域で猛烈な高周波の振動があります。
解りやすく言うと、お尻がものすごく痒くなります。
手足は余程変な力が入ってなければ問題ありませんが
お尻が痒くなるのは避けられません。
長距離を高速で移動したい人は、低反発の座布団か
自分が好感触だったのはロードバイクの人たちがよく履いているピチピチパンツ
あれはお尻にパッドが入っているのですが、あれは下着として使えるのでそれを使っています。
とにかく何か対策をしないと厳しいです。
お尻が痒くなります。
なんだか悪いことばかり書いているような気がしますが
趣味性の高い乗り物とはこういうものです。
そこに楽しさを見出せるか・・・が大事だと思います。
たぶん・・・