RX-Rspec03のブログ一覧

昔の記憶を引き出してみる。
そこには甘いも酸いも苦いも含めて自分の人生を形成しているものが収納されている。

「出来るなら忘れてしまいたい過去ばかりだ」なんて人もいるかもしれないが、「あれは楽しかった」とか「もう一度あの日に帰りたい！」と思えるものを、ほんのわずかでも残せていたら、その人の生きていた意義は十分にあるだろう。

そのためには今日の一日、いや、今の瞬間を大切にして行こうと思う。

写真の彼は約14年間の人生で我が家の中に沢山の思い出を築いてくれた。
人間不信で見知らぬ人を見ると素早く逃げてしまう弱虫野郎だったが、家族には甘ったれた声でスリ寄ってくる憎めない奴でもあった。
お気に入りの場所は居間のテーブル下と椅子の上に置いてあるカゴの中、そしてアグラをしている人の膝の上などがあった。
そう言えば亡くなった親父の膝にもよく居座ってたな。

そんな彼が昨年の末から急に様子がおかしくなった。
腹水が溜まっているのか腹がブクブクに膨れ上がり、餌を与えると食欲はある素振りはするものの直ぐに食べるのをやめてしまう。
そのうちに背骨が見えるほどゲッソリとなり、ついに先日力尽きた。

失神したまましばらくは呼吸していたが、それも次第に弱くなり、そして・・・。



彼が息を引き取ったのはお気に入りのテーブル下。


今までに何匹も飼い犬や猫が死んだ経験はあるが、こんな事に慣れなんて言葉は無いと思う。

母が「さ、入ろうか」と泣きながら彼を段ボールに入れたのを見た時、思わず涙が出た。


思えば隣に住んでいた女の子が子猫だったコイツを連れてきた時から14年間の思い出は始まった。

今はそれを思い出すのが辛い。
しかし、忘れてしまいたい思い出ではない。

数年後、コイツの事をどんな風に思い出しているのかな？






すっかり悲しい話になってしまいましたが、先日の「東日本縦断紀行2009」をUPしました。

こちら

をご覧下さい。

これもまたどんな思い出として残るのか・・・。