満足の食事も済み、ぐるっと海の幸を中心とする地域物産品販売所「夢市場」を
見てまわり、楽しみにしていた、
「
ほっくん・・おらんやんか・・」
ひとつだけこころ残りではあるが、角島へ向かう。
「うひゃ~!」

うみとそらのブルーが混じりあうなかの一本道を流す爽快感は、それは素晴らしい。
夏場の最盛期に向かい混雑していく「角島」は、悲しくも、わたしにとっての「シーズンオフ」。
ただひとつ。
「夏の日の出の誰もいないこの道」をいつか体験できればと思う。
往路で通った広域農道を戻る。

途中でクルマを交換して、緩いカーブの続く綺麗な道を走ってみる。
KさんのM3は、6速マニュアル。
M3のマニュアルのものは、「もう少しだけ、シフトがショートだったらもっと楽しいだろうなあ」と、
タイトコーナー好きのわたしとしてはつい思ってしまう。
以前ドライブした経験のあるスープラやGT-Rの「ゲトラグミッション」はどうだったろうか?
それぞれに違ったフィーリングだった気がするが・・。
そう、M3のようなコーナリングも高次元で楽しめるクルマだからこそ、
ちょっぴりの不満が大きく感じるのだろう。
それは、B3も同じだ。

何度か運転した経験のある”E46 M3”。
当時いくつもの賞を受賞した珠玉の「S54」エンジンフィーリングは、B3 3.3「E44」よりも
高回転型で、日本が生んだ名車「ホンダ S2000 F20C」を凌ぐピストンスピードを持つと聞く。
走行フィーリングは経験的に「はっ!」と脳裏に浮かんだのは”E46”ALPINA B3S。
エンジン&トルク曲線は両車どうなんだろうか?似ている。
思い出しつつ比較すると、B3SとM3とは低速からのトルクも十分ながら、4~5000回転を迎え
VANOS(バノス)可変バルブタイミングが変化し、”カムに乗る”フィーリングが顕著となる。
その「ググッ!」とくる豹変する感じは、明らかにB3Sが勝っていたように思うが、
ロングストロークで且つ高回転型のM3は絶妙なトルク追従型回転フィーリングを維持しつつ、
ピークパワーに向かい、6500~7000回転ほどまで続いていく感じ。
B3 3.3はイン側カムシャフトはアルピナ専用品で、
エキゾースト側カムシャフトは”E36”M3「S52」エンジンと同じもののよう。
B3Sは、ここからリフト量を増やしたカムを奢られ、3.3の3299ccから3346ccへ47cc増え、
タコ足も付いた。
M3は、B3&Sと同じ鋳鉄製シリンダーを持ち、2,990cc~3,201cc~3245ccへと変化してきた。
可変バルブタイミングはインとアウト両側にあり、6連スロットルを持ちエンジンレスポンスを重視。
わたしの中では、
フラットなB3 3.3、荒々しいB3S、両車の中間的フィーリングのM3、というイメージがある。
この3台は、ある一定までの速さはトルクの出方からするとほぼ同一で、
ストリートでの差異は到達方法が違いつつも似た場所に辿り着くというところが面白い。
わたしは前を走り、バックミラーを確認しつつ、少しずつスピードをあげてコーナーに
飛び込んでいく。
綺麗に維持整備されたこのM3も15年ほど前のものだ。
ほぼ同い年、我がB3とのあきらかなる違いはフレームの剛性感。
ノーマル”E46”から比べM3は純正であちこちにボディ補強してあるが、
我がB3はそれを上回っているようだ。
これは、B3をドライブしたKさんも同意見だが、高速コーナーの怖さが違った。
M3は上のパワーの盛り上がりがあるので尚更感じるようだが、
ステアリングレスポンスにワンテンポ遅れて足回りが追従する。
直線で感じないこのフィーリングは、やはり重量から来るもので、
意外と重量級「1560kg」の慣性を支えるブッシュ類の劣化から来るのだろう。
このフィーリングは”B3と比べ”「じゃじゃ馬的」でとっても楽しいが、
B3と比較し多目の距離のワインディングを走るとなると、ちょっと辛いのかもしれない。
あ、普通は走らないか、多目の距離のワインディング(汗)。
このときB3は以前やっていたボディ補強35ヶ所、強化ブッシュ交換、
50kgほどの軽量化(約1480kgに)に加え、リアタワーバーも増やしていた(笑)。

B3から降り、開口一番「こんなにも違うもんなんですね!」と、言っていただき、
「好き放題いじくりまわしたけど、方向性は間違っていなかったんだ・・涙」と思った次第。
でも、普通はここまでやる人はまずいませんからねぇ(汗)。
B3に施した強化ブッシュや、ボディの補強。
これをM3に施して、5~60kgほど軽量化したなら・・・
そして、高音が響く音色の良い調律されたマフラーを付けてしまったなら・・・・
そして九十九折れのワインディングを、汗とテールを(笑)流しながら操れたのなら・・・・
と妄想すると、堪らなく楽しくなってしまった(笑→汗)。
「いや~でもビーエムはやっぱすごいね!」とかあちゃんと話しながら帰路に着く。
どんなシュチエーションでもドライバーに訴えかけてくれる乗り味は、流石”E46”だといつも思う。
この当時のBMW3シリーズは、やさしい顔つき、カタチの優雅さを身に纏い、
走り出せばハンドルを繰る喜びが凝縮されていて、人間の五感を刺激してくれていると感じる。

「さ~て、のんびり帰りましょう!」と、28℃を超える夏を思わせるアスファルトの上、
ほんとうにのんびり高速を帰っていたのも束の間・・・
バックミラーに映るM3のうしろから、ヘッドライトを点け迫ってくるクルマが視界に!
「お!なんだ!・・・ん~良く見るとビーエムだぞ!キドニーグリルが光ってるもん!」
徐々にスピードを乗せるも、全然離れず付いてくる(汗)。
「ん~あのカタチはE23かE24のはず・・・・!」
「このあたりでニーヨン!?」
「あ!」
先に行かす・・・
「やっぱEさんやん(笑)」
そして「ボッ!」一瞬黒煙を噴いたか!と思うとギュンギュン加速していく”M6”。
「おりゃっ!」
追いすが・・・・れない!?
引き離されるB3(あれっ?)。
あれれ?確か加速は互角のはず??
「あ!改造したんやろか!?」
いやいや、待て待て。
そういえば・・・
前回のツーリングでもあったぞ、こんな場面・・・・
そう、帰ってトラブルコードが出てたんやった「カムシャフトセンサー不良・・オモイダシタ」。
部品注文しました。
いや~しかし、根本的に考えると、30年ほど前に作られた”E24”「M6」。
追い越し車線に居座る新型モデルたちを押しのけ(笑)高速コーナーをクリア
していくそのポテンシャルは驚嘆の出来事である。
E24が綺麗にラインをトーレスして走る後姿は文句なしに格好が良い。
タイムスリップしたようで、夢のようでもあった。
Kさん、奥さん、いろいろありがとうございました。
今度はもう少しのんびり走ろうと思っていますので、宜しくお願いします。
Eさん、今度また御一緒いたしましょう!(笑

ああ、楽しかった!