この記事の最新版の
わかっているようで実はわかっていない!バネレートとレバー比と固有振動数(等)という記事があります。
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わかっているようでわかっていない車高調での車高調整。
ネットを見ているとなんかそれ違うんだよな~ていうことが蔓延っているので…。
まず車高調について。
車高調と一言に言っても大きく分けて2つに分かれています。
1つはいわゆる全長式と言われる「バネ」「ショック」「ブラケット」の3つに分割できるもの。
もう1つはネジ式やCリング式と言われる「バネ」「ショック」の2つに分割できるものです。
それぞれメリットデメリットがあります。
例えば全長式は車高とプリロードをそれぞれ別々に調整ができます。
対してネジ式はプリロードでのみしか車高を調整できません。
つまりサスストロークが多いことによって起こるバンプタッチの突き上げ対策として
(伸びストローク制限を減らし縮ストロークを増やすという行動を行うため)バネにある程度プリロードをかける。
ということをするとネジ式はそのまま車高が上がってしまいます。
どういうことか、と言うと

左がプリロード0の状態だとします。
そして隣りにあるのが1G状態。
ショックの有効ストロークが100mmあったとして
0G-1Gのストローク(伸びストローク)が70mmもあったとしたら残りのストローク(縮ストローク)は30mmしかありません!
単純計算ですがおよそ1.5Gの入力があるとショックは底づきしてしまうことになりますね。
そこでそれを対策するのがプリロードです!
右がプリロードを40mmかけたとしましょう。
すると伸びストロークは70mmから30mmまで減るため、縮ストロークは70mmまで増やすことができます♪
これだけあればおよそ2G以上の入力がないと底づきはしません!
さあ!プリロードをかけたことによって底づきがなくなって乗り心地が良くなったぞ!
と思ってもプリロードをかけたことにより車高は上がってしまいます!
それはなぜか?
簡単な話です。
プリロードをかけた分1G状態で縮ストロークが40mm減ったため、40mmショックが伸びたのと同等のことが起きているから!
この分を緩和してくれるのが全長式車高調のメリットです!
厳密に言えばバネレート・車体重量(バネに掛かる荷重)・レバー比なので若干違うのですが…。
単純にプリロードをかけた分ショックを縮めてやれば車高の変化なく伸びストロークを変えることができます。
バネを変えたときも同様、縮ストロークを計算してその差の分だけショックを短くすると車高そのまま乗り心地を変えられます。
ここだけ見れば
全長式の車高調って最強じゃん!ってなるんですが…。
一応デメリットもあります。
というのもさっきも言ったように車高を下げるにはショックを短くしてやりますね。
つまり全長が短くなります。短くなるとアームのストローク量が減ります。
アームのストローク量が減ると結果的に車の動きは悪くなってしまいます。
とは言え極端に下げなければそんなに気にならないし街乗り程度なら全然問題ないんですが…。
あ、あとなんか全長式って部品が複雑で高いとかよく見ますが全然高くないですw
安価なもの。私がよく利用しているラルグスさんの車高調なんかは10万で買えますしw
じゃあネジ式のメリットは?
と言おうと部品点数が少ないから軽いとか、ショック自体が太く、オイルやガスの容量も大きく取れるとか。そんなところです。
あ、あくまで私一個人のそれらに対するメリット・デメリットですからね?
で、ここからが本題ですw これまではあくまで全長とネジの違いなのでw
車高を下げるメリットとして重心を下げるということがあります。
じゃあその車高を下げたときのアームの動きってどうなるか考えたことありますか?
こちらロアアームの動きです。
基本的にロアアームはボディ・フレームに固定され、もう片側(タイヤ側)が動く
と言った構造です。
つまりロアアームの機動は円弧を書くように動きます。
極端な話、アームを90度下に下げるとめっちゃ短くなりますよね?ってこと。
これがどういうことか?と言うと…。
アームが下がった状態ではタイヤが引っ込み
アームが車に対し水平になった状態でタイヤが外に出て
アームが上がった状態で再度引っ込むような動きをします。
車高を下げるとキャンバーが付く!というのはこれが影響しています。
まぁ、それがどうした?って思う方がいるとおもうので
この図を見ていただきます。
アームが円弧を描くように動いたとしてもアッパーマウントの位置は変わりません。
ということは?
アームが上がるに連れてショックが短くなる、アームの動かせる範囲が狭くなる、ロールセンターは狂っているのにロール限界がすぐに来る、ストロークが十分に取れない、結果的に動きが悪い車になっていく…。
などデメリットもあります。
また、ショックが短くなるに連れてショックの角度も変わってきます。
左が車高が高い状態、右が車高が低い(アームがバンザイしている)状態とします。
基本的にショックは立っている状態が一番固く、寝ている状態が柔らかいです。
が!逆を言えば寝かせれば寝かせるほど動きがマイルドになるというかダルくなるというか。
そういう現象もあります。
まぁこれはショックの減衰いじればわかるよね?ってことで割愛。
あ、あとこれストラットだと車高(と言うかアーム角度?位置?)でレバー比変わるので場合によっては更に柔らかくなったりします。
やべ、色々考えてるうちに何言いたいのかわからなくなってきたw
要は車高を下げれば必ずしもいい動きになるとは限らないよ。って話。
みなさんもプリロード、ショック長、ダンパー角度をちゃんと理解して車弄りましょうねって話。
レバー比についてはこちら https://minkara.carview.co.jp/userid/2249454/blog/44981072/
固有振動についてはこちら
https://minkara.carview.co.jp/userid/2249454/blog/44981328/