この記事は
わかっているようで実はわかっていない!バネレートとレバー比と固有振動数(等)の記事の一部です。
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・固有振動数の活用方法
今までの話でわかったかもしれませんが、固有振動数の数値が小さい=乗り心地が柔らかい
数値が大きい=乗り心地が固くなります。
普通車は大体1.0~1.5Hz程度
スポーツカーは2.0~2.5Hz程度
レーシングカーは 3.0Hz~らしいです。
理由は言わずもがなって感じですが、普通車は乗り心地がやわかめのほうがウケが良いです。
スポーツカーやスポーツ志向の車は、硬めの足回りにしとけば客が喜ぶでちょっとハイレート目のバネが入っています。
対してレーシングカー(イメージ的には箱車とかそのへん)はトラクション掛けるのがメインなので硬めのバネが入っています。
でもある程度足が動いてくれないとタイヤが浮いてトラクション抜けしちゃうので、そこのバランスが難しいんでしょうが…。
ツインレートにして伸びを確保したり、今後書く予定のバンプラバーでそこら辺は制御してると思うけど。
トラクションをかけたい!なら固有振動数を上げる。
乗り心地を柔らかくしたいなら固有振動数を下げる。
って感じっす。
もちろんこの固有振動数をやみくもに上げたり下げたりするのは無意味です。
じゃあなんのための数値か?というと
前後の固有振動数を揃えるとバランスのいい車になります!
現状のセッティングを確認してあまりにも差があるならレート変更し、固有振動数を揃えるとまた乗り心地が変わってくると思います。
あと用途とか好みもあるんでしょうが、リアの固有振動数を下げて車を物理的に動かしてトラクションかけたり
逆に固有振動数を上げ、ダウンフォースも使いながらしっかりタイヤも潰してトラクションをかけたりします。
私も固有振動数を使い車高調のセットアップしますが、あくまで乗り心地や用途や走りに対しての
参考値だと思ってイジってます。
んで、まあ。このなんのあてにもならなさそうな固有振動数ですが、目安でして使うにはもってこいです。
例えば今まで乗っていた車の固有振動数に合わせて、次の車もそのへんを狙ってバネを選ぶとか
アームを伸ばしてレバー比が変化したから固有振動数を合わせたバネレートに変える
軽量化したから前の固有振動数に合わせたレートに変えるとか
そんな感じに使うこともできます。
もちろんあくまで目安ですが、割と同じような乗り心地足の動きになるので有効な手だと思います。
例えば今までの車がトヨタ86 ZN6だったとします。
重量
前 690kg 後540kg
レバー比
前 1.06 後 1.28
バネレート
前 10k 後 14k
固有振動数
前 2.53Hz 後 2.80Hz
となります。
そしてGRヤリスRZ GXPA16に乗り換えました。
重量
前 780kg 後510kg
レバー比
前 1.02 後 1.42
バネ使いまわしした場合
前 10k 後 14k
固有振動数
前 2.47Hz 後 2.60Hz
フロントは100キロ重くなったけど、固有振動数は0.06Hzしか変わらないので誤差レベル。
対してリアは若干軽くなったのに、レバー比が増えたので固有振動数は0.2Hz落ちました。
同じ車でも固有振動数0.2Hz変わると乗っててもわかるくらい乗り心地は変わります。(ZN6なら14kから12kにすると2.60Hzになる)
固有振動数を合わせた場合
前 10k 後 16k
固有振動数
前 2.47Hz 後 2.78Hz
フロントは誤差レベルだったのでバネはそのまま。
リアは0.2Hz差があったので16kにレートアップ。
これで固有振動数は揃いますね!
とはいえ、車自体の運動性能が全く違うので(駆動方式や車体自体の固有振動数等)全く同じ動きになるか?といえばそれはNOです。
けど前に乗ってた車でいい感じのセットだったから、一旦同じ固有振動数に調整し、その後自分にあった固有振動数(バネレート)にセットし直すのは有りだと思います。
さて、ここで今までに書いてきた、
スプリングや
プリロードを使用し、私のプリウスの車高調のセットアップを。
プリウスPHEV MXWH61
重量
前 890kg 後660kg
レバー比
前 1.00 後 1.32
プリウスに関しては峠やサーキットを走るってより街乗りがメイン。
そのため乗り心地は柔らかめに。
でも車高はある程度落としたい。だからバネが縮みにくくなるようにハイレートなバネを組む。
購入した車高調はRSRです。
バネは前8k 後7kが吊るしで付いてきました。
しかしこのまま組み付けてしまうと前2.11Hz 後1.62Hzと0.5Hz位差がでてしまう。
しかもバネの縮量が前56mm弱 後ろなんて95mmもあります。
ショックのストロークもあまり多くないのですぐバンプタッチしてしまう。
もちろんプリロードをガッツリかければいいんでしょうが、とはいえ0.5Hzの差がなくなるわけでも、ちょっとした入力ですぐ縮んでしまうのは変わりない。
そこで以前乗っていたプリウスで乗り心地が好みだった2.5Hz弱くらいを目指しました。
するとバネレートは前10k 2.36Hz 後14k 2.29Hzになりました。
前後差0.1Hz弱でバネの縮量も前45mm 後48mmと悪くない感じ!
この状態で組み付けました。
ただこんなに伸びストロークは要らない!正味30mmもあれば十分!って感じなので
前10mm 後15mmのプリロードを掛けました。
私事のアレコレでまだ全然乗っていませんが、思ったより乗り心地は悪くなく
というかかなりふわふわした感じです。(減衰最弱ってのもある)
もうちょいレート上げて2.5Hz強狙ってもいいかな?って感じ。
めっちゃあやふやな表現だけど、この様に固有振動数のベースに自分の感性と相談しながらいい感じの足回りにしています。
乗り心地良くしたい!サーキットでもっとタイム詰めたい!もっと好みの足にしたい!って人は、固有振動数の計算は有力な手段の一つだと思うので是非使ってみてください。
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車高調 | 日記
Posted at
2024/06/11 16:41:45