新規格を論議していた人々は現代量産実用化しているA/D変換ICがΔΣ変調を用いている事実を認識していなかった。
現代のA/D変換回路で出力されるPCM
SACD盤に記録されている周波数成分
SACDプレーヤーで超高域のノイズをちゃんとカットしないで垂れ流すと、
高価なスーパーツイーターが壊れるよ
このホーンツイーターを私が使ってた
日本コロムビア赤坂スタジオではこのスーパーツイーターが七台壊れた。
1998年ソニー本社で開催されたSACD発表会で『ΔΣ変調器の高域雑音を減衰させないとスーパーツイーターが壊れるよ!』と指摘した後に心臓病で入院する事になったので、こんな記事を書きました。
夢の次世代スーパーオーディオとしてDVD-Audioと SACD(スーパーオーディオCD)両規格の骨子が固まった。
規格統一された映像用DVDVideoと
異なり、スーパーオーディオ用光ディスクは互換性のない2方式が発売される見込みだ。このため来年発売を目指したデモンストレーションが活発化している。しかしこれまでのプレゼンテーションではディスク上に記録された量子化ビット数と標本化用波数は紹介されたが、音質の要であるA/D変換のプロセスについては、いまひとつ不明であった。そこで A/D変換器の仕組みを検討し、次世代スーパーオーディオの問題点について解説する。
長江・この手の企画記事は、某誌(ラジオ技術誌)のオハコだったのでは?(笑)
MJ:いきなりジャプですね。
技術をわかりやすく紹介することも大切なので記事企画しました。
小幡:長江さんはスーパーオーディオ音源収録機器やIC 回路に詳しいと聞いております。
長江:私は2方式の各陣営とは無関係です。今日は個人の立場で入手した情報を基にお話します
小幡:イケオンの試職金には業界関係者が登場することで有名です。
蓮見さんはハイエンド機器の動向に詳しいですね。
蓮見:ここ数年20万円以上のCDプレーヤーや DACユニットの販売が激減しています。新規格が速やかに決まらないと買い控えが生じます。
しかし新規格が決まればお客様がすぐに次世代機を購入するとも思えません。
重要なのは音質の良い次世代ソフトがたくさん出版されることと、次世代機で現行のCDソフトを再生したときでも音質が良いことが求められます。
家庭用スーパーオーディオの規格
小幡:映像メディアは DVD-Video ですが、この高密度光ディスクにスーパーオーディオを記録することになり。DVD-AudioVer.09(表1)と SACD(スーパーオーディオCD(表2)の各規格の骨子が固まりました。
MJ:本誌では1998年7月号で柴崎功先生にソニー/フィリップス障営が提唱している SACD を解説していただきました。DVD-Audioは、これから紹介してゆくととになると思います。
小幡:両陣営のコンセプトをまとめると下記内容になると思います。
① 直径 12cmの高密度光ディスク、
② 従来のCD(コンパクトディスクを超える高音質で、CDも再生可能なプレーヤーとする。
③2ch スーパーオーディオや6chサラウンド再生にも対応する。
④ 大量データをディスクに記録するために可逆圧縮”記録する。
⑤ CDへ変換する際の劣化を考慮して標本化開設数は44.1kHzの倍数(も)採用。
⑥厳重な著作権・違法コピー対策。
蓮見:どこが違うのですが?
小幡:違いがあるのはディスク上へ記録する標本化周波数と最子化ビット数くらいのものですね。
蓮見:発売はいつ頃ですが?
小橋:早ければ来春にも発売されるかもしれません。
長江:本当ですか?
蓮見:試作機が公開されてますが、まだ何か残っているのですか?
自然淘汰に任される規格統一
MJ:今回の次世代規格化には。一般の方でも意見を述べることができたのですね?
長江:日本オーディオ協会のADA懇話会やAA 懇話会に参加された方もおられました。
小幡:でも3万円程度の参加費を払う必要があったのでは?
長江:MJの前編集長も参加されていました。
MJ:今回提案された規格をみて。どのようにお思いになりますが?
長江:超高城を収録するためにメモリーを割り当て過ぎなのではないでしょうか?
蓮見:結局さまぎまな意見があって、異なる標本化周波数と無子化bit数になったようですね。
長江:議論の経緯は知りませんがノイズフロアが平坦であることを前提に論議しているように感じます。
MJ:今回は統一規格にならずに自然淘汰を持つようですね、
蓮見:自然淘汰といわれても購入者は迷惑を被ります。最近すぐにボシャってしまう規格が多すぎます。DVD-Video を一本化した時に仲が悪くなって勝手な規格を提案しているのでしょうか?
長江:子供の喧嘩ではあるまいし、そんなことはないと思います。
蓮見:市場規模は大さくないのに主導権を握ってライセンス料で儲けようとするはずはありませんよね。
デジタル符号の量と質
蓮見:リニア PCMでは量子化bit数でダイナミックレンジが決まり、標本化周波数で帯域が決まるのでしたね?
長江:ちょっと違うと思います。
蓮見:違うのですか?
MJ:スーパーオーディオのデモンストレーション会場でもその説明をしていますよ。
蓮見:光ディスク上に記録された情報量の大きさが音質の良さを表しているとも言っていました。
長江:情報量とは何ですか?
小幡:記録されたメモリー量とか伝送 bit レートのことだと思います。
長江:その数字は情報量ではないと思います。
蓮見:何故ですか?
長江:1bit A/D変換器をCDの約64倍の3,072MHzで標本化すると伝送 bitレートは 3.072Mbpsです。
標本化周波数を低くする回路で192kHz/24bitに間引いて出力すると伝送bitレートは 4.608Mbpsとなります、データ量は3,072Mbpsが4.062Mbpsに増えましたが、情報は増えましたか?
蓮見:標本化周波数を低くする回路とはどのような仕組みですが?
小幅:間引きフィルターのことです。
デシメーションフィルタともいいます
A/D 変換で得たサンプルの何個かを捨てると標本化間隔が広くなります。
間隔が広くなること。すなわち標本化周波数が低くなるということです。
長江:データをフィルターに通すと情報量が贈えるというのも変な話ですよね?(図1)
蓮見:そういわれればそうですね。
長江:DVD-Audio はリニア PCMで、SACD はDSD(ダイレクトストリームデジタル)と区別されてますので全く違う方式だと説明している方も多いですね。
小幡:その説明も怪しいですね。
4bitのビットストリームとか44.1kHz
/16bitでもノイズシューピングを掛けている例があります。
長江:リニア PCMとDSDピットストリームの違いとは何でしょうね。
小幡:その他。どのような解説をしてくれましたか?
高音質の決め手は広帯城再生
蓮見:広帯城録音再生が高音質の鍵だとおっしゃってました。
MJ:20kHa以上の超高城再生が研究されて 100kHzまで収録可能なマイクロフォンや100klzまで再生が可能なスーパートツイータが開発されてます。
中には超高城ノイズを付加するユニットもあります。
小幡:まさに超高域ブームですね。
蓮見:サンプリング周波数も年々高くなってますね。
長江:帯域を伸ばすことよりも帯域制限方法に音質変化要素があると思うのですが、皆さんはどのようにお考えになりますか!
蓮見:でもCD規格の標本化開設数441kHzでは問題があるのは間違いありませんよね?
小幡:標本化周波数が441kHzでは不足しているというのはどのように結験付けたのですか?
蓮見:私の耳で確認しました。
例えば1996年のオーディオフェアで
標本化周波数96kHzと 標本化周波数441kHz の比較試聴会がありました。
長江:あの時の96kHzと 44.1kHzは全く違う音でしたね。
蓮見:CD 規格化の際に20kHz以上は聴こえないという前提で標本化開設数を決めたので後に問題になったと聞いてます。
今度こそ聴感重視すべきです。
比較試の落とし穴
長江:その試期会には私も参加しました。許可を貰って写真を撮影しました(写真1)
小幡:DATにデジタル接続されたD/Aコンバータユニットは英国dCS社の業務用DACユニットのdCS-962で、
CDプレーヤーはパイオニアPD-T07Sですね。
長江:リアパネルを見ると、CDプレーヤーはデジタル接続ではありません。何を比較していたのでしょうか?
蓮見:各モデルのアナログ場子の音を比較していたわけですか?
長江:はい。しかも音源制作用A/D変換器も違うそうです。
小幡:それではフォーマットの比較にはなりません。
蓮見:お客線相手の試聴会では厳密さが求められます。比較試聴の目的は何だったのでしょうか?
小幡:「はじめに 96kHzありき」だったのでしょうか?
長江:一般の方を招いて「441kHz/16bitはこんなにひどい音です」というのはやめて欲しいです。
小幡:でも1996年のエレショーでは同じメーカーのD/Aコンバーターユニットを使い厳密な比較をしてました。
蓮見:同じdCS社のモデルでした。
小幡:ハイサンプリング機がdCS952で通常のサンプリング機はdCS-950でした。
長江:96klzは「サラッとした音のOP アンプであるリニアテクノロジー社の
LT-1028」で
44.1kHzは「しっかりしたアナログデバイセズ AD-797らしい音でしたね。
小種:どういう意味ですか?
蓮見:ひょっとするとdCSの姉妹機でOPアンプが違うのですか?
長江:そうです。オペアンプが違うので音質が違います。
フォーマット比較時には、同一会社の姉妹モデルでも基板上のオペアンプの違いにも気をつけましょう。
自分の耳で比較して結論づける姿勢は賛成です。ただし何を比較したのかがポイントです。
デモ音源制作に用いたA/D変換回路
MJ:1998年4月22日に DVD-Audio Ver, 09の技術説明会が早稲田大学で開催されました。
比較試聴会ではありませんでしたが、標本化周波数や量子化 bit数はバリエーションに富んでました。
小幡:96Hz/24ltに始まり、新たに加わった 192kHz/24bit のデモンストレーションをしてました。
長江:早稲田大学での192Hz24bit
DVD-Audio デモ音源は英国dCS社製A/D変換コニットであるdCS-904が用いられ、96kHz/24bit 音源も同社のdCS-902が用いられたとの事です。96kHz/16bitはパーブラウン社の4倍オーバーサンプリング逐次比較18bit
A/D変換器を1/2デシメーションして得た 96kHz/16bitだったそうです。
小幡:懐かしい回路ですね。
長江:20kHz以上のS/Nはデルタシグマ型のdCSより良好なのでは?
蓮見:192kHzの音源は今までの4
倍速で、96kHzは倍速でサンプリングしているわけですね。
長江:いいえ。4倍速や倍達ではなく従来と同じサンプリング周波数です。MJ誌の1994年8月号で楽崎功先生がdCSのA/D 変換回路を紹介してます(図2)
小幡:記事によると標本化関設数は6.144MHzとのことです。
長江:輸入商社では、dCS-902 から標本化周波数が3,072MH※になり、5bitΔΣ型になったといっていましたが定かではありません。
どちもにしても間引きレートを変えて 48kHzや96kHzや192kHzを出力する巧妙な回路のようですね。
小幡:なるほどフロントエンドの標本化周波数はいつも一定速なのですね。ということは音声入力部のアナログLPF が軽くなったり、パーセバルの定理で量子化ノイズが広い範囲に分布することによるDレンジ向上は期待できませんね(図3)、
蓮見:ハイサンプリング「出力」の目的は何なのでしょうか?
長江:フロントエンド部のΔΣ変調器をノーマル時の4倍速とするのは全面的な設計変更が必要です。
約20MHzで動く5 bitΔΣ型変調器を作るのは大変です。
信頼性のある回路で安定動作する機器を市場の要求に応えて供給するのがトップシェアを確保する秘訣だと思います。
小幡:定評ある A/D 変換回路の間引きレートを変更して 192kHz/24bit 出力を得たので無理なく実現できたのですね。
長江:輸入商社でも192kHz/24bit時は従来の4倍速で標本化しているわけではないといってました。
蓮見:良くわからないのでAID変換のしくみを説明していただけないでしょうか。
オーバーサンプリング
小幡:では(図4)を見てください。
蓮見:オーバーサンプリングはアナログ LPF が軽くなりますね?
長江:その通りです。最近のA/D変換回路はCDの64倍や128倍の標本化周故数でオーパーサンプリングしていますからアナログ LPF は1次~2次程度に軽くなりました。
蓮見:あぁ良かった!やっと正解。
小幡:図4をみると量子化ノイズの分布も広がっています。
蓮見:量子化ノイズとは?
小幡:本来アナログだった波形をA/D→D/A 変換した際に生じた歪み成分の集まりです。
長江:ノイズでもあり歪みでもあります。
MJ:なるほど、量子化 bit数を増しても標本化周波数を速くしても量子化ノイズは低くなるということですね。
小幡:量子化ノイズの総パワーレベルは同じですが、標本化周波数を高くすると広い帯域に分布します。
その後でデシメーションフィルターで標本化周波数を下げて再生帯域を制限するとDレンジは向上します(図4)、
蓮見:bit数がDレンジを決めて標本化周波数で帯域が決まるのではないというのはそういう事だったわけですね。
小幡・原理的には標本化周波数を3GHz程度にすると1bitでも約100dBのDレンジが得られます。
現時点では 3GHzでは動かないのでΔΣ型変調器を用いて20kHz以内の帯域の量子化雑音を20kHz以上の帯域に寄せ集める事でS/Nを確保しているのです。
ΔΣ変調のしくみ
長江:デルタシグマ変調回路は1960年代に早稲田大学理工学部大学院生だった安田晴彦氏が考案しました。
小幡:ΔΣ変調器を用いると、本来ならばフラットな量子化ノイズの分布形状に傾斜が付きます。
ΔΣ変調器はノイズシェーピングとも言います。
量子化ノイズは20Hz以上に押しやられます。
96kHzとか192kH zなどのハイサンプリングで標本化した後にデシメーションフィルターで441kHzの標本化周波数に間引くと、20kHz以上の帯域に寄せ集められた量子化ノイズがカットされます。
長江:中には量子化ノイズをそのまま出力する「ハイサンプリング出力」A/D変換回路もあります。
小幡:本当のハイサンプリングであれば標本化周波数が速くなって量子化ノイズはもっと高城に押しやられるはずです(図3)。
蓮見:20kHz以上のノイズが多いΣΔ変調器から40klIzや80kHzを出力すると高城「ゴミ」はどうなりますが?
小幡:そのまま出ます(図2)
蓮見:普通。音楽の超高城成分は低いレベルですが最子化ノイメにマスキングされませんか?
小幡:15kHz以上の耳の感度は低いので大量のノイズでも糖こえないと思います(図5)。
長江:ソニーのSBMの様に44.1kHzの中でノイズシューピングを掛けて聴感S/Nを稼いでいるCDもあります。
蓮見:早稲田大学のデモンストレーションでも量子化ノイズはこえなかったのではないでしょうか
小幡:マスキングなのか。そもそも聴こえない帯域だったのか…?
リアルハイサンプリング
MJ:dCS の他には96kHz/24bit録音には、どのような回路が使われているのですが。
長江:ノーマルの倍速で動作する96k
Hz/24bitA/D変換ICもあります。
20k~40kHz帯域のS/Nは良好です
小幡:高城S/Nにこだわる場合は通過帯城内での高S/N化が必要ですね。
長江:早稲田大学のデモには間に合わなかったようです。
蓮見:部品の供給が間に合わなかったのでしょうか?
長江:パソコンも同様ですが倍速動作では冷却する必要があります。
小橋:熱が問題になるわけですね。
蓮見:さすが24bitにもなると冷却しないといけないわけですね。
長江:そうではなくて冷やさないと1Cが壊れるそうです。(笑)
一同:えっ?何ですかそれ?
SACD (DSD)のA/D変換回路
MJ:さて一方のSACD のデキは1998
年3月19日に東京・池袋のプリンスホテルで開催されました。
蓮見:SACDにはDSDという方式が使われているのでしたね。
小橋:DSD とは1bitΣΔ型A/D変換出力にデシメーションフィルターを酒さず記録し、
再生時にアナログ LPEを通すだけで音になるというシステムです。
これは早稲田大学の山崎先生が提唱している高速標本化 1bit ΣΔ変調記録方式です。
長江:早稲田大学の高速橋本化1bit ΣΔ変換器は図6のような7次特性ですが、
ソニーフィリップスのDSDの方は図7のような5次特性ではないか?と推定しています。
山崎先生の高速標本化1bt方式はエンファシスを使い標本化周波数も48kHzの倍数でしたが今は44.1kHzの倍数になっているかもしれません
小幡:つまり1bitΣΔ変調回時はソニーと早替田大学では異なるということですね。
長江:はい、基本的なアイデアは山崎先生の高速標本化1bitΣΔ変調録音システムと同じです。
私は何故ソニーとフィリップスがこの高速1bt 方式に目をつけたのか、とても興味があります。
(と言うか内緒の話ですが、次世代スーパーオーディオの規格に関してオランダのフィリップス社のガルさんと世界初の実用PCM録音機を駆使して欧州でのデジタル録音を実施していた日本コロムビアの穴澤建明氏が会っていたことを知ってます。当時の穴澤さんの部下だったNさんが早稲田大学の高速標本化1bit方式と、当時市販されていた旭化成マイクロシステムズ社のAK-5390と言う44.1kHz/20bit出力のICの8番と21番ピンから1bitDSD信号を得られる事も報告したのを知っています。
小幡:誰かがこのA/D 変換方式を提案したのかるしれませんね。
長江:DSD は従来のA/D 変換方式と全く造う新方式と誤解するからしれませんが。 DATやMDに搭載されている A/D変族 ICの前半部分を使います。
従って部品その物は量産されてます。
小幡:A/D変換IC後半のデシメーションフィルターを通せば、いわゆるマルチピットになるわけですね
蓮見:という事はDSD信号をDVD-Audioの符号に変換する事もできるわけですね(国8)。
小幡:はい。出力 bit数はフィルターを通せば何bitにもなります。
長江:ひとつのマスター音源が様々なフォーマットになる点がレコード会社にとって魅力的です。
特に標本化周波数をCDの44.1Hlzの倍数としたことがソニーの功績だと思います。
小幡:数学製争をする朝合も32bitや
64bitにもなりますから、DSD方式で収録しておけば良い訳です。
長江:いっそのこと1.4MHz/100万 bitにしてはいかがですが?(笑)
蓮見:そうか!DVD-Audioでいっている標本化周波数や量子化bit 数というのは、単にデジタルフィルターから何 bit で出すが?ということですね!
小幡:ディザというテクニックもあることですし。デジタルICの出力 bit 数とか標本化周波数にこだわるのはあまり意味がないと思います。
長江:こだわるべきは、高速標本化1bitΣΔ変調回路の出来映えの方なのですが。
フィルターの従属接続による演算誤差
小幡:この数字はCDプレーヤーのデジタルフィルターと似ています。
8fs/ 20bitと同様、数字を大きくしても音源の音質性能が向上するわけではないのです。
長江:DAT に搭載されている相化成のA/D変換 IC Iに、AK-5326という 16bit出力のICがあります。
姉妹モデルには AK-5328という18
bit出力ICがありますが、Dレンジが18bit になるわけではありません。
MJ:でも多bit出力にするとフィルターの演算誤差が少なくなるのではないですか?
小幡:フィルター内部回路で誤差が出ては意味がありません。
MJ:フィルターが従属接続されるたびに肩特性がゆるくなるそうですね。
長江:フィルターの従属接続の間題は肩時性よりも。阻止帯域の減衰特性が平組でなく凸凹になるとか、段間のデータ受け渡しの際に誤差の切り捨てで誤差が出ることです。
この話もCDプレーヤー内のデジタルフィルターと同じです。
CDプレーヤーのデジタルフィルターは、入力信号を2倍→4倍→8倍という様に3段階で補問します。フィルタの多段従属接続は聴感に効くのかもしれません。
MJ:ソニーはデシメーションする時に演算誤造を回避する為にSBM ダイレクトという技術を開発したそうですね(図9)。
小幡:今度の話は A/D変換回路のデシメーションフィルターの話です。
長江:これは 2.8224MHz/1 hit個号を32768TAPものフィルターで一気に441kHzにダウンサンプリングし、その24bitデータをSBM 特性用のデジタルΣΔ変調を掛けて聴感感度が高い帯域のノイズフロアを稼ぐという仕組みです。
小幡:2MHzは音源は友人のオクタヴィアレコードの江崎友淑さんがチェコのプラハでDSD1 bitで録音したアレシュ ヴァールタのトッカータ&フーガの冒頭
VIDEO
MJ:今のA/D 変換はすべて多段従属接続なのですが?
長江:いいえ。18bit 出力の4096TAPフィルターや、204STAPの20bit出力A/D交換ICも量産中です。
ところでサラウンド音声は映像と一緒に用いる可能性があります。映画の5.1chマスターは48kHzですから 48kHzの倍数にすべきだと思いますが実際はどうなるのですが?
小幅:44.1kHzベースの標本化周波数をチョイスするとハリウッドから文句が来るかもしれませんね。
夢か現実か? 200kHz再生
MJ:DSDで100klzまでの収録等生が可能になりましたね。
蓮見:波形再現性から考えると標本化周波数を高くするのは意味があると温います。DSDの技術紹介でも10kHz矩形波を用いて説明してます。
小幡:「10kHzの節形彼はCDの標本化周波数44.1kHzでは正弦波になる。
DVD-Videoの 96kHzでも正弦波に近づいてしまう。
しかし標本化周波数が28224MHzの
DSDでは10kHz矩形波再生が可能となる」という説明です。
長江・以前はもっと珍んでいましたが最近は鉛筆で書いたようにS/Nが改善していますね。(笑)
MJ:SACDの100kHz再生が影響してDVD-Audio に 192kHzが加わったといわれていますね。
長江:DSDの場合、再生帯域は再生側アナログ LPE カットオフ周波数によって決まりますから200kHz再生にも対応できますよ。
小幡:ディスクには一応1.4MHzまで収録されているわけですね。
深見:SACDが200kHz再生をアピールした時、DVD-Audioは384kHz/24
bitモードが登場するのでしょうか?
MJ:インターフェースの規格を追加しなければいけませんね。
蓮見:96kHz対応DACがやっと出てきて、これから 192kHzだというのにまた規格変更ですか!
小幡:プレーヤー内部の伝送 bitレートが 2チャンネルで9.6Mipsまでと
されていたはずです。18.432Mbps
もありますから384kHz/24bitは
無理ですね。
光ディスクに記録されたもの
小橋:24bitの性能に過かに及ばないデータを 24bit出力のデシメーションフィルターに通すと24bitA/D変換回路に化けるようですが実際の性能は?
長江:帯域幅を20kHzにするか、40kHzなのか、はたまた 300kHzにするのかによります。
小種:音楽のハーモニックス成分は存在していても振幅が大きくないわけですから、その帯域に20bitものメモリーを割り当てるのは無駄使いではありませんか?
長江:高音質ディスクに、あまり長時間収録すると著作権料だけで膨大な価格になになります。ですから約80分程度を収録するわけです。
小種:性能の伴うリーズナブルな無駄使いをして欲しいものですね。
長江:20kHz以上に記録容量をわり当て過ぎたために、光ディスク上のメモリーが不足して可逆圧縮を導入するというのも本末転倒です。
メモリーは聴感感度の高い帯域に割り当てるべきだと思います。
蓮見:早都田大学でのデモ音源は、
20kHz以上の帯城では何割が量子化雑音で、何割が音楽のハーモニックス成分だったのですか?
長江:A/D変換器の出来映えによりますが、99%以上が量子化雑音だとしても聴こえなかったわけです。
FFT測定器でのロレンジ論議
長江:とある高性能1bitA/D変換ICの2.8224MHz出力信号を100kHzのアナログLPFに通すと図10のスペクトラムになります。
小幡:かなり大きな量子化ノイズが残留しているのですね。
長江:でもこれがなかなか良い音がします。大振幅ノイズが含まれていても全然うるさくあかません。
小幡:忠実な波形再現というのが滑稽に思える凄い波形ですね。
長江:デジタルフィルターを使えばノイズはきっちり除去出来ます。(図11)
小幡:アナログLPFでは遮断特性は急峻になりませんね。
蓮見:大振幅の高城ノイズが含まれていた方が良い音だというのは。一体どうゆうことでしょうか?
長江:高域成分が含まれているから良い音なのではなくて、高域をカットする時に音質が劣化するわけです。
AD→DAを行う際に有限語長のデジタルフィルターが何段も従属接続されていることが問題です。語長の切り捨てや演算誤差などは、あくまでも聴感感度の高い帯域で効いてきます。
アナログLPFには語長の切り捨てでの演算誤差はありませんので演算誤差発生時の歪は生じません。
小幡:10kHzの矩形波をオシロスコープで見ると、オーディオマニアの方の中には顔をしかめる人もいるかもしれませんね。
蓮見:これはど大きをノイズでも聴こえないということは、どういう事でしょうか?20kHz以上に記録された音は量子化ノイズだったのか音楽の成分だったのか?
長江:聴こえたか?感じたか?気持ち良かったか?は個人の主観なので分かりませんが、少なくとも高い周波数帯域にはDレンジが必要ではないことが証明されたことになります。
小幡:ある高速標本化1bit方式の説明会で技術者が「わが社のA/D変換回路はFFT測定の結果、こんなに高性能なのがわかりました。」と熱弁を振るってましたよ。
長江:「我が社」ですか?早稲田大学の7次特性の変調回路なのではありませんか?(図6)
小幡:「FFTは何ポイントですか?」とお尋ねしました。
質問趣旨の「FFTはポイント数を多くすれば、その1kHz以外のノイズが低く見えるのでDレンジがどのくらいあるとはわからないはず」という指摘はわかっていただけなかったようです。
ΣΔ型A/D変換器のトレンド
長江:ところで最近ΣΔ型のA/D変換回路で 1bitのものが少なくなっているのはご存じですか?
小幡:えっ?そうなのですが?
長江:この理由は2レベル(1 bit)だとディザを用いる事が出来ない事でΣΔ変調器のループフィルターが発振したり、高次ΣΔ変調器が必要なので帯域外量子化ノイズが大きくなるためなのだそうです。
MJ:ということは高性能A/D変換国路の主流はマルチビットΣΔ型に向かっているわけですね。
長江:その通りです。マルチピットΣΔ自体は今から15年前に発表されて実用化されていますが。日本のA社旭化成マイクロシステムズも、米国のA社アナログデバイセズ、B社バーブラウン、C社シーラスロジック社でも同様にマルチビットΣΔ型変調器になっています。
高次のΣΔ変調器であると20MHz以上のノイズが大きくなってしまうので、S/N確保のためマルチピットΣΔ型に向かっています。
小幅:ただしマルチビットΣΔ型ならば何でも良いわけではありません
ループフィルターの設計が秀逸でいかに安定しているかが重要です
長江:はい。その通りです。オフセットを入れると発振してしまい「ピー」と言う音が出ないことがポイントです。
蓮見:DSD 用の1bit A/D変換器はどうするのですが?
長江:さあ?従来のICを使うか早稲田大学の回路をIC化するか、全く新しいアーキテクチャーで開発するかが必要ですが、従来のICを使っても周波数特性を欲張らなければ素術らしい音質となります。
糖こえないノイズにも注意
長江:FFTの測定図を示して「わが社の開発した A/D変換回路は、こんなに高性能です」とおっしゃる場合、「その優れたダイナミックレンジを体験したいのでラベルのボレロの冒頭部分を大きな音で聴かせてください」とリクエストしてはいかがでしょうか?
VIDEO
小橋:これはディザなしのCDで問題となる微小レベルでの量子化ノイズを試験するのですね?
長江:ええ。確かに量子化ノイズの試験ですが、スーパーツイーターの安全確認が主目的です。
小橋:は?
長江:最子化ノイズの遮断が不十分な場合は悲劇が訪れるかも?
MJ:おっしゃっていることがよくわからないのですけど?
長江:最近のスーパーツイーターは 100kHzまで再生可能ですよね?
聴こえないと思ってアンプのボリュームを上げるとツイーターのポイスコイルが溶けませんか?
一同:なるほど!
蓮見:壊れたらどうしてくれるのですが?一台80万円もするスーパーツイーターもありますよ!
長江:再生側LPF の遮断特性はツイーターが壊れない特性にすべきです。
周波数特性を欲張らない方が良いと思います。。
小幡:「基子化ノイズは再生時にどの程度抑制すべさか」とか、「どのようなアナログLPF回路が必要か」などの検計が必要ですね。
MJ:いろいろなフィルター回路も考えられますね。パッシブLC型、アクティブLPEとか。
長江:コイルの非線形に注意。OP アンプのTIM歪に注意
MJ:スーパーオーディオは、スーバーアナログフィルターですね。
長江:LPF のカットオフ周波数を100kHzまで伸ばすよりも30kHzあたりから緩やかに減衰させた方が良い結果が得られます。
蓮見:でも良く考えてみるとSACD 6 DVD-Audio 6,生録のように編集せずに出版されることはないのではありませんか?
長江:あっ!そういえばそうです!
小橋:編集機の演算誤差による歪みが加わります。量子化ノイズも編集機でカットするかもしれない。
長江:量子化ノイズをカットすると録音→再生特性は 100kHzにはなりませんが寂しくないですか?
今後の課題
小後:新規格策定の際は「情報量の大きな A/D 変換回路」と「デジタル編集機の演算誤差に関するビジョン」も必要ですね。
長江:そろそろ広帯域再生の効果を検証すべきです。どこまでの帯域を再生するべきかとか音質劣化の少ない帯域制限回路の検討をすべきです。
実際のA/D変換回路を考えずに数字競争したり、ムードで周波数帯域を議論するのは問題です。
蓮見:我々が自信を持って勧められる統一現格をお願いします。
少なくとも大きな音で聴いてもスーパートタイーターが壊れない安心できる規格をお願いします。
MJ:本日は長時間、どうもありがとうございました。
小幡大介:
東京都出身,43歳。
TEDDIGITAL主宰。
国際コンサルタント。
長江哲也:
東京都出身、43歳.
某オーディオ機器ソフト会社勤務、
現在はマルチメディア部門在籍:
元オーディオ機器の商品企画に従事。世界各国の半導体メーカーやオーディオ機器メーカーとも交流がある。
蓮見寿:
東京都出身、45歳・
東京・池袋のハイエンドオーディオショップ「イケオン」勤務。
毎週金曜のハイエンドオーディオ機器試聴会は業界で有名。
すでに1998年8月で380回の試聴会が開催された。
1)可逆圧縮:AC-3やATRAC,MPEG とは異なり、圧縮されたデータを展開すると元と同じデータに戻る。
https://minkara.carview.co.jp/userid/2252957/blog/48638946/
その後、超高域再生に拘る人々がこんな事をアピールしてるので書いてます