2006年12月08日
ラリーに於けるハンドル操作
ラリーの車載映像で他人の運転を見ていて、とても気になった
のが、ハンドル操作だった。
ちょっとそれ危なげ、って思うのもあれば、某評論家のラリー
参戦映像ともなると、もう目茶苦茶、あれじゃ落ちるって。(汗)
よくWRCドライバーの映像を見ると、まずシートポジションが
普通より前であることに気付くと思う。
ハンドルを抱え込むような位置、これがラリードライバーに
多いポジションなんだ。
では何故抱え込むような位置にいるのか。
それは、ハンドルを抱え込むからに他ならないのだ。(笑)
ハンドル操作は教習所で習うことだけど、ラリーのそれとなると
ちょっと事情が違う。
教習所で習うのは、少し回したところで手を交差させて持ち替
えるといった方法で、手は9時や3時(時計の短針位置の数字)
より下へは行かない。
でもラリーでは、基本的に持ち替えずに、回せるところまで回す
と言う方法になってくる。
ではなぜ持ち替えないかと言うと、その方が正確かつ早い操作
が可能になるからだろう。
・・・と、実際自分はそんな理由は考えたこともなかったけどね。
自然と、そう言う風になっていっただけだから。
でも考えてもみれば、舗装路面なら、まだ車の挙動が安定して
いるからイイんだけど、ダートだったら持ち替えの為に手を交差
させてなんかしてたら、キックバックでハンドルが勝手に回って、
ハンドル位置がわからなくなる可能性だってあるから危険だ。
日本の右ハンドルなら、右手は2時から3時の間くらいの位置。
基本的に、この右手位置が基準で、常にここを軸に操作する
ことになるのだ。
つまりこれが、ホームポジションとも言える握り場所。
これで、右に回す引き側なら6時の位置、左に回す押し側なら
8時の位置くらいまでは、右手だけで普通に回せる。
勿論右手だけでここまでしっかり回すとなると、それなりに力が
必要になってくるわけで、そのためのシートポジションが、抱え
込むような位置になるのだ。
ハンドルから離れていたら、無理。
ここから、回し方の話。
○時から○時ってのはめんどいので、○時と簡単に書くからね。
ハンドルを右に回すとき、右手が6時まで行ってもまだ足りない
場合には、予め左手でハンドルをちゃんと固定しながら、右手の
持ち位置をスッと上方1時くらいにズラしていって持ち、その手で
右に引けば良い。
このとき、左手は10時位置のまま手の中でハンドルを滑らせて
おけば、右手で回し足りない分を、そこから先を左手で更に回し
ていくことができる。
そしてこのとき先に6時にいる右手は、この位置のまま手の中で
ハンドルを滑らせておいて、そこに待機する。
ここからの戻しは、左手を9時まで戻したら、右手で6時から元の
1時まで戻せば、最初のハンドル位置に戻るので、ここで右手を
ホームポジションの2時に戻すと言う寸法になる。
逆に左に回すときも、要領は一緒だ。
ただ右手が10時を超えるときは、左手はそのまま下に行っても
いいけど、更に切り込むことが予想されれば、左手を瞬間放して、
右手が通り過ぎたら、この左手で10時を支えてあげる。
もし右手で8時以上もっと回すことが必要であれば、予め右手の
持ち位置を、4時位置など下方に持って行っておけば良い。
そして更に回す場合は、上記のように持ち替えた左手で、今度は
アシストしていくのだ。
と言うふうにホームポジションとも言える右手の基本位置、ここに
常に戻れることが要になってくる。
ハンドルをきちんと持つことが出来れば、ハンドルの頂点がどこ
だか(直進状態の位置が)、わからなくなるなんてことは無いし、
ハンドルの頂点マークすら必要はなくなってくると言うもの。
実際自分は、ハチロクの時分からハンドルの向きが分からなくなる
なんてことは経験しないし、ペースノート作成用マーキングを除いて、
頂点を印すマークなど付けたことがなく、それで何ら不自由は無い。
そもそも、ハンドルを見ながら操作なんてしないしね。(笑)
さて、いまどきのWRカーはシフトレバーはハンドル脇だし、ハン
ドルを回す量自体があまり多くないので、今日日のWRCの車載
映像を見てもあんましピンと来ないと思うんで、たまたま丁度良い
のを見付けたので、ここにペタッと貼り付けてみた。
懐かしい!
ユハ・カンクネンが、セリカで丸和を走ったときの映像だぁ~。
足元の映像には注目せず、ぜひハンドル操作を見て欲しい。
カンクネンの運転操作ってのは、先生と呼びたくなるほど基本に
忠実で無駄無く美しく安定しているから、これは大変に参考になる
であろうと思う。
これを見ると、手を交差させて持ち替えるということなどしないで、
極力回せるだけ回しているのがわかると思う。
但し、手の中で滑らせて持ち位置を微妙に替えるということを多用
しているので、見た目に解り辛いかも。
これ、今となるとクラッシックな風景かもしれないね。
でも、N基準の国内ラリー車だったら、凄く参考になる筈。
勿論左ハンドルなので、左右は逆に考えて見るべし。(笑)
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Posted at
2006/12/09 01:20:03
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