
今年も紅葉撮影が始まりました。
土曜日未明、仕事の疲れがまったく取れず正直なところ撮影を諦めていたのですが、夜には体力気力ともに回復したので日曜日未明に出発を決断。
現地の天気予報は小雨。世間的には生憎の雨といったところですが、これは霧に見え隠れする紅葉が期待できます。おそらく渋峠あたりでは雪と紅葉のコラボも狙えるのではないでしょうか。しかし、渋峠は混雑が予想されるので人混み(車混み)が嫌いな私には行くことができません(笑)。

今回は本気で行きますのでPENTAX67ⅡとNikon D850のフィルムとデジタルの両機材を持ち出します。PENTAX67Ⅱを使うとなれば勿論マユさんもスタンバイしています。

まずは一沼。現地到着は午前5時半。辺りはまだ真っ暗ですが、丁度良い時間に到着することができました。
しかし、ここで軽くアクシデント。一沼前の駐車スペースが封鎖されていました。縁石はそれほど高くないので、車高を上げている私のエクストレイルであれば難なく乗り越えられるのですが、おそらく意味あってのことでしょう。やめておくことにしました。それにこれは以前にもあったので想定内の出来事です。

少しだけ歩くことになりますがサンバレー駐車場に移動しました。この近辺の池沼を散策する場合は、ここに停めるのが一般的です。

しばらく車内で待機していると徐々に空が明るみ始め、周囲の状況が見えてきました。予想通りの霧に覆われています。

いよいよ行動開始です。雨風が強いのでマユさんは車内待機。PENTAX67Ⅱは防雨対策がされていないため、Nikon D850を使用することにしました。

おや? これは今まで見たことがない警告です。ツキノワグマ!? 少々ビビりましたが私の行く方向ではないので更に進みます。

するとまた熊警告!! 警告されているのは一沼方面ではないのですが、大事なことがひとつ。熊が一沼には行かないよって言っているわけではありません! 熊にとっては旭山だろうが一沼であろうが関係ないのです。

さすがに怖くなったので車へ引き返し、ベアベルを身に着けます。これだけの雨風があると、正直なところこれらの音もかき消されてしまうので効果は期待できませんが……。

そんな恐怖心に耐えながら一沼を撮影開始です。
今回は雨ということでアンブレラホルダーを使用してみました。元はドールスタンドを三脚に固定する際に雨除けになればと思って買ってみたのですが、傘が低すぎて使い物にならずお蔵入りになっていたアイテムです。
さて、本来の使い道ではいかがでしょうか?
……。
結論! ダメでした(笑)。
発想は素晴らしいですよね。しかし、このアンブレラホルダーを三脚に固定するということは傘が受ける風の影響は全て三脚に流されます。
つまり、僅かな風でも、それをパラシュートのように傘が受け止めるので三脚は揺れ動きカメラはブレまくるのです。
残念ですが、これはもうゴミ箱行きですね……。

先程の場所に長時間滞在するのはツキノワグマの恐怖に耐えられないので、場所を移動しました。今度は国道側から狙います。
既に車の通りも多くなってきたので、こちらであればとりあえず安心です。

傘は手持ちで、一沼の奥にある紅葉を狙います。
予想では丁度頃合いか、もしかしたら少しピークを過ぎてしまったかも……と思っていたのですが、むしろまだ少し早い印象です。次の週末まで持ちこたえるかなぁ……。

次の撮影ポイントへ移動しました。一沼から車を停めたサンバレー駐車場を挟んだ反対側にある丸池です。サンバレー駐車場から歩いても来られますが、荷物もあるし、雨風の具合によってはマユさんにも活躍して欲しいので丸池の駐車スペースに車を移動させました。
駐車スペースは乗用車3台分くらい。こちらの白い車の方は初見さんでしょうか? この向きで停められてしまうと後から来る車が停められなくなってしまいます。なぜかというと、ここで左にハンドルを切ると大きな段差があり底を擦ってしまうからです。つまり、唯一の出入口を横向きに停めて塞いでしまっているのです。まぁ、私のエクストレイルには無縁の話ですが(笑)。
その後、こちらの車が出ていく際には見事にガガっと音を立てて底を擦っていきました。やっちまったなぁ~!?

さて、丸池ですが、駐車スペースの奥から対岸を狙うのが一般的です。ここからだと手前の白樺などを前景に持ってきても良さそうですね。
私の他にも熱心に撮影されている方がいました。いつものことですが、相手の画角に入らないように注意し、時には声をかけて確認したり、お互い気持ちの良い撮影ができるよう心がけています。

それはさておき、今度は少し歩いて東側から撮影です。残念ながら前景になるようなものがないので、主題となる岸の紅葉と、尾根の向こうに流れる濃い霧を取り入れます。霧は常に姿形を変化させているので何枚も撮影しておきます。

元の場所に戻ってきたところで、今度はウッドデッキから撮影。タイミングよく丸池にも霧が流れ込んできました。ついでに雨も強くなってきました。
傘は自分が使いたいので、カメラにはレインカバーを……と思ったのですが出すのが面倒だったので車内にあったクロスで対応。汚っ!(笑)
マイクロファイバークロスなのでタオルみたいに繊維がカメラにつきにくいのでこれは良いかもしれません。
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次の撮影ポイントはもっと登って木戸池です。木戸池温泉ホテルの駐車場をお借りします。

木戸池です。今回の撮影で一番霧が多いです。それもそのはず、一沼との標高差はおよそ200メートル。霧と言うよりも雲の中といった感じです。

霧の量も凄いですが、鯉の量も凄いです! ウヨウヨいます。飢えているのでしょうか……皆必死に水面に向かって口をパクパクさせています。

これだけ視界が悪いとオーソドックスな木戸池な写真は撮れそうにないので、無い知恵を絞ってオリジナリティのある(?)構図を探ってみます。
前景に小島のように浮かぶ草紅葉(というほど赤くないですが)を配置して、左から巻くように岸のラインを強調してみようと思います。
全体的な紅葉は脳内で補完しましょう(笑)。と言うのは冗談で、主題を紅葉とするのは無理があるので諦めます。そして何よりここで印象が強い霧を主題として描きます。そのため、できるだけ多くの表情を集めるため、何枚も撮影しておきます。

ここで突然ですがマユさんの登場!!ヽ(´ー`)ノ
PENTAX67Ⅱと言えばマユさん! マユさんと言えばPENTAX67Ⅱ! 我が家の唯一の写真家、PENTAX67Ⅱ遣いです!
マユ「ねぇ、撮らないの?」

後ろ姿も良いですが、レリーズを手にするこのアングルもなかなか良いです!
マユ「フィルム入ってないよ? 撮らないの?」
ぐぬぬ……。マユさん、それ言っちゃだめだよ。撮ってないのばれちゃうじゃないか。
その通り、今回は既にNikon D850で撮影を終えているうえ、撮影予定終盤の木戸池まで来てしまったので、ここでPENTAX67Ⅱに切り替える気力体力がないため、マユさんの撮影のためにセッティングしました(笑)。

木戸池の撮影を終えた後はこのまま山を越えて山田牧場経由で高山村の八滝を目指しても良いのですが、来た道を戻って撮り逃していた澗満滝を撮影して帰ることにしました。

駐車場にある案内図。後から来た観光客は皆真剣にこれを見てどこだろう? どれくらい歩くんだろう? 滝の近くまで行けるのかな? などと言っていましたが、ここから見上げたすぐそこです。滝は向かいの山にあるので近くまで行くことはできません。
つまり、この案内図は初見さんにはとても分かり難いということですね。これがお客様目線になったつもりの自分目線というやつです。よくあることです。

一度様子見で観瀑台へ登ったら霧の下に落ちる滝の光景が見えたので急いで車へ戻りました。機材を持って再び観瀑台へ到着すると、様子見で登ったことをあざ笑うかのように丁度滝が霧に覆われて見えなくなってしまいました。

見えなくても何年も通っていれば心眼で見ることができるのです!
真っ白の中、ベストポジションに三脚を立てて待つこと20分。再び、流れ動く霧の中から澗満滝がその姿を現しました。
刻一刻と変化する霧の隙間。夢中になって霧中の滝に向かってシャッターを切ります。

このベストなタイミングで訪れた観光客の方々がいましたが、本当に申し訳ない。滝が姿を見せていたのはおよそ2分間。ベストポジションをお譲りする余裕はありませんでした。できるものならお譲りしたかったのが本心。ギリギリになりましたが再び霧に隠れる前に私は場を空けたので記念撮影くらいはできたようでしたが……。
まぁ、あと20分くらい待っていればまた姿を現しますよ……きっと。うん、寒いですけどね。
※あくまでもベストポジションのことであって、そこ以外でも滝を見ることはできます。
あとは観光協会や行政へのリクエストになってしまうのですが、観光名所として管理されているのであれば、観瀑台前の木々の手入れは毎年行うべきだと思います。
ここに限った話ではなく、各地にこのような”ほったらかし観瀑台/展望台”が存在します。訪れた人の中にはどうしても見たい、撮りたいという方が少なからず存在し、そのような方々の中には柵を超えてでも、私有地に入ってでも……という行為に及ぶ方もまた存在します。
このような事例を未然に防ぐには、やはり普段からの管理が必要と感じるのです。しかし、現実問題として、予算、人員確保、災害復興がまず第一なので着手する優先度が低いなど様々な壁が存在するのも事実です。
とても観光客には来て欲しい。でも観光名所を管理する余力がない。……難しい課題です。
久しぶりに真剣に風景写真を撮影できて、気分はとても晴れやかです。天候は霧と雨でしたが。
私の予想では今週半ばが見頃でしょうか……。
といったところで、今回のれぽ~とはここまで。