サンクラのブログ一覧

内容はかなりマニアックです。興味の無い方はスルーしてください。

実は星は、「24時間で1回転(360度)」しているわけではありません。
もし、24時間で1回転していたら、毎晩見える星空は同じになってしまいます。
実際には1日あたり約4分ほど星が昇ってくる時刻が遅れて1年間＝365日(正確にはうるう年も勘案する必要あり)で、一回転(360度)しています。24時間(1440分)÷365.25日＝3.94分(265.6秒)したがって、恒星は、約23時間56分(86134.5秒)で、360度回転しています。

このズレにより、1年間かけて四季の星空を楽しめることが出来ます。
(本当は、恒星が回転しているのではなく、地球が太陽の周りを、自転しながら公転しているからですが、判りやすく「恒星が回転」としています。)

そうすると、簡易赤道儀20号機では、M5ネジを1分間に1回転(0.8mm上昇)させ、恒星の動きに合わせて動かして星を点にして撮影しようとするもので、この角度を三角関数で計算すると、丁番の回転軸から、182.84mm(228.55mm×0.8)の位置にM5,ネジで、1分間に0.8mm(1回転)ずつ押し上げれば、恒星のスピードと一致させることができます。

トップの写真は、ネジを1分間に1回転させて南の空の星を撮影したもので、300mmの望遠レンズで3分間追尾した後に、15秒間固定撮影したもので、よく見ると、星が右上にずれています。これは、「丁番のガタつき」「ネジの位置が182.84mmからズレ(工作精度)」また「極軸のズレ」から、理想どおりの回転角度とならずに、撮影をすると星がズレて、線状になってしまいます。
原因としては、①ｽﾃｯﾋﾟﾝｸﾞﾓｰﾀｰの回転スピードが遅い(＝丁番の回転軸からM5のネジまでの距離が182.84mmより長いのでは)「追尾速度の誤差から東西＝左右に星像がズレる」、②極軸が天の北極より西に向いている「極軸が東西にブレると、南の星像が南北＝上下にズレる」ことから、斜め右上になっているものと思います。
①については、ﾓｰﾀｰの回転スピードを少し上げれば解決できるのでしょうが、どの程度スピードを上げれば良いか試行錯誤しています。②については、極軸を東に動かせば修正できますがあえてしていません。
①の要素と②の要素が複合しているために、斜め右上にズレているので、①の要素を修正できれば、ズレの要素が②だけとなれば、斜めにズレずに、真上にズレるはずなので、これで検証をすすめています。なお、この方法は極軸あわせの手法のひとつである「ドリフト法」を応用しているものです。

この写真は、59.75秒で、1回転させていて、回転速度が速すぎで、左上にズレでいます。
回転速度を微調整(59.95～59.80秒?)する予定です。