モトグッチ V7Ⅲが納車される前に、
いろいろとネットでインプレや評価を見ていたのですが、
一番多い書き込みが、サスペンションの固さ。
特にリアサスペンションは、突き上げが厳しくって、
腰が痛くなると。
社外のサペンションに交換している人も、
ちょくちょくいるようでした。
で、とりあえず納車されて、軽く試乗。
普通の路面では、快適なのですが、やはり段差や
デコボコ路面では、固さを感じます。
それで、リアサスのストロークを確認。
ダンパーストロークは、60mmほどしかありません。
レバー比があるので、リアタイヤトラベルではもっとあります。
それで、写真のように、リアのバネは、大きく分けて2種類の
バネレートの組み合わせ。
この下側の部分のバネレートはものすごく低いです。
それで、プリロード(バネの下のお皿の位置)の調整ですが、
写真の位置は、すでに調整後の位置ですが、まず、
プリロードを一番弱く、下げます。
そうすると、乗車1G状態で、リアサスは、ほぼバンプタッチします。
そうなんです、乗っているだけで、底付き状態です。
バンプラバーがあるので、底付きではないのですが、
バンプラバーのバネレートは、2次曲線的に急激にレートが
上がりますので、ガツンと来るんです。
ではどうするか?
バネにプリロードを掛けます。
そうすると、乗車1G状態のリアサスの沈み込みが少なくなっていきます。
いろいろと試して、最終的に設定したプリロードが写真の状態。
これ、お皿は、一番上なのです。
もうこれ以上は、プリロード掛けれない上限値です。
この状態での乗車1Gストロークは、
ダンパーのシャフトに黒いタイラップが見えますか?
ダンパーストロークの確認は、ダンパーシャフトにタイラップを
巻いて、ストロークに合わせて、上に上がるようにしています。
この写真の状態で、下から40%くらいの位置でしょうか?
リバウンド側40%、バンプ側60%のストロークが使えると
言うことです。
この状態で、土曜日、川崎大師など、往復90キロほどを走行しました。
それほど大きな段差や、荒れた路面も無かったのですが、
走行後のタイラップの位置はここ。
バンプタッチしていません。あと10mmくらいしかありませんが、
バンプラバーに当たっていません。
拡大してみると、
すぐ上にバンプラバーありますが、ストローク代は少しあります。
多少荒れた路面でも、まだストロークに余裕があるので、
大丈夫でしょう。
ですので、川崎ツーリングは、乗り心地、快適でしたよ。
それにしても、体重67キロの一人乗りで、プリロードを
目いっぱい掛けた状態でこのストローク位置。
ちょっと設計自体、おかしいと思います。バネレートの
設定、合ってなくないですか?
それとも、正規の日本仕様は、本国仕様よりもバネレートを
下げているとか・・・・ 日本人は小さいので、よくある話ですが。
さてさて、そこで、非常に多いプリロードに対する勘違い。
実際に、他の方のブログとかで、突き上げがひどいので、
プリロードを緩めました。と言った記述がちょくちょくあります。
これ、間違いです。プリロードを変えても、バネレートは
変化しません。なので、固くも柔らかくもなりません。
乗車1G状態で、まったく動かないくらいプリロードを掛ければ
別ですが、1Gで多少でも沈み込むようでしたら、バネレートは
変わりません。
プリロードは、乗車1G状態でのダンパーのストローク位置を
変えるためにあります。
最初に書いたとおり、プリロードを最弱にしたら、乗車1G状態で
バンプラバーに当たるのです。縮み側のストロークがすでに無いのです。
バンプラバーのレートになるので、当然、固いです。
オマケに段差などで急激に入力が上がると、バンプラバーは
2次曲線的に一気にレートが上がります。ガツンと来ると言うことです。
さて、目一杯、お皿を上げてプリロード最強に掛けているのに、
このストローク位置。体重が90キロ以上の人や
二人乗りをした場合は、間違いなく、底付きしますね。
元々、タンパーストロークが短かすぎる上に、バネレートも柔らかすぎ
(2段レートの柔らかいほうの)だと思います。
私の体重67キロですので、それ前後の人は、リアサスの
プリロード、一番上まで上げて、目一杯掛けてみてください。
ガツンとした突き上げ、減ると思いますよ。
体重の軽い人は、もう少し、お皿の位置を下げて、プリロードを
抜いたほうがいいでしょう。
二人乗りする人や体重の重い人は、諦めましょう。
社外品のリアショックに交換してください。
モトグッチV7で、突き上げがひどいと思っている人、
ぜひ、試してみてください。
緩めるのではなく、もっと締め上げる!です。
で、デメリットもあります。
乗車状態でのリアサスの沈み込み量が減るので、
足付き性が悪くなるんですよ。
両足ではつま先くらい。
片足でもカカト付きません。これはこれで、ちょっと疲れますね。