2008年04月15日
ブローバイ還元装置の考察 その3
今回は前回に続き、具体的なチューニング例を挙げて
そのメリットデメリットを比較します!
「考察その2」にて2系統のブローバイラインのお話を掲示しましたが、
基本的にサブ系統(PCVバルブ系統)をいじる方は少ないようです!
皆様が懸念されるのが、吸気ラインの汚染なので吸気の先端である
「サクションに戻すメインのライン」を加工する場合が一般的ですね!
最も加工例で多いのが、ヘッドからサクションまでの間に
オイルキャッチタンクを割り込ませる手法でしょか?
ヘッドからのブローバイガスをタンクを通すことで、
液化オイルをタンク内に溜めて、ガスのみをサクションに戻します!
この手法では大気開放もしておらず、万一多量のオイルがライン内に流れても、
吸気ラインを大幅に汚染することも無いです!
また、エンジンブロー時など多量のオイルを噴いたときに
コース内にオイルが流れないように、公認競技の規定では決まった容量以上の
キャッチタンクの設置が義務付けになってる場合も多いので、
最もベターな手法の一つだと思われます!
次にキャッチタンクは装着しているが、タンクから先はサクションに戻さず、
大気開放する場合です!
これも仕様的には多いですが、ブローバイを大気開放してる点で
車検には不適合です!
戻しラインをサクションにつなぐか、つながないかの単純な違いですが、
大気開放することにより、タンク内を通過したとはいえ、
油分を含んでいるガスをエンジン内に戻すことが全く無いので、
吸気ラインの汚染という観点では最大限の効果があります!
ただし長期の使用を考えた場合は大きなデメリットもあります・・・・
先に説明のとおり、基本的に負圧を利用したケース内圧力コントロールなので、
普段はヘッド内をサブ系統側がサージタンクへ吸引し燃焼室に送っている為、
メイン系統を大気開放している場合は、常にそこからエアをヘッドを通して
吸い込んでいるのです!
開放出口の処理にもよりますが、フロア下などに開放してる場合、
走行による埃などがそのままヘッド内に吸い込まれ、バルブ系統の磨耗や
オイルの汚染を助長します!
そうなると更にブローバイを多く噴く環境となり、
加速度的にエンジンの磨耗も促進されていきます・・・・
開放先のホースにフィルターを設置する場合もありますが、
細かい埃を取り除けるほどのフィルターだと、
今度はガス開放時に油分があっという間にフィルターに付着し、
圧力抵抗となりますので、結局こまめなメンテナンスを怠ると、
エンジンに悪い環境で運動させる結果になります・・・・
街乗りがメインでたまにサーキットという方には全くお勧めできない手法ですが、
少しでも吸気ラインの汚染を嫌う場合は、
状況によってはありかもしれません・・・・
ただし、サーキットでもエンジンブロー時のオイル噴出を考えると、
大気開放する場合は、相当大きなキャッチタンクが無いと
コース内にオイルをばら撒きます・・・・
小さなキャッチタンクしか設置できない場合は、
やはりサクションに戻したほうが、マナー的にはベストかもしれません!
そこで最後の手法はキタオフィスデモカーでも採用してきた
オイルミスト除去タンクの設置!
メイン系統から流れたブローバイをキャッチタンクで
一次処理するまでは同じですが、そこから直接サクションに戻すのではなく、
ガス内に含まれている微量な油分をフィルターを設置した第二のタンクを
通過させることで濾過し、その後サクションに戻す手法です!
これによって、ミストタンクから出たガスには油分がほとんど無いので、
吸気ラインを汚染することもありません!
また、サブ系統作動時は前記の通りエアを吸い込みますが、
エアクリーナーを通過した綺麗な空気をサクション経由で
さらにフィルターも通過してからヘッドを仲介しサージタンクに吸い込まれるので、
大気開放している場合に提示した弊害も無いことが最大のメリットとなります!
唯一のデメリットは、キャッチタンクとミストタンクの2個を
設置しなければらなず、エンジンルームの狭いマシンには採用が難しい事です!
また、ミスト除去タンクは市販品がほとんど無いため、
ワンオフ製作する必要も出てきます!
要は車の使い方と、何を優先するかで最適な方法が変わるので、
今一度、考察してみるもの良いかもしれません!
次回は最終回!サブ系統の加工編です!
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キタオフィスの独り言 | クルマ
Posted at
2008/04/15 00:23:57
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