2016年10月04日
スカイラインGT-Rを維持するという事
別にこの車に限った話でもない。
色々聞いた話をまとめる。
気付いたら書き足したり変更していきます。
少なくとも第二世代GT-Rは基本的に20年前後は平気で経過している車だという事を忘れてはいけない。
そして、中古で乗り始める人も多いと思う。私もその中の一人。
前のオーナーがどんな使い方をしてたかなんて基本的には分からない。
それで20年モノの車に乗る訳だ。
ブラックボックスだらけ、本当のメンテナンス歴も分からない。
そんな車でスポーツ走行、高速走行、は危険過ぎるし、ただの無謀でしかない。
壊れたら人様に迷惑を掛けるし、こちらの整備不良で他人に迷惑を掛ける訳にはいかない。
先ずそこが一番重要。
そういう事をしたいならキッチリとお金掛けて自分の代でメンテナンスしてから乗るべき。
機械は生き物じゃない。回復しない。ただ劣化していくだけ。劣化したらメンテナンスや交換をしないといけない。
ただ、エンジン単体は流石に通常使用では丈夫。
05Uブロックのクラックも、熱害によるものが基本。
オーバーヒート、若しくはそれに近い状態を長らく経験したエンジンではないだろうか。
メンテナンスをサボっていないだろうか。消耗品は大丈夫だろうか。
パワーで壊れるならブロックにクラックが入る前に先ずピストンやタービンが壊れる。
東名のHP等、色々なところで目にする。
ノーマルのブロックはそういうパワーでの壊れ方はしない。
因みにピストンの安全域(ノーマルの溶湯鍛造ピストンの限界は上で約1.2kg/c㎡くらいとの事。但し1.2だとかなり危ないとの事。1.1くらいにしておくべきとの事。中間はもうちょっと掛けてもいい。
N1ピストンも溶湯鍛造で作りも微妙に違うだけだしそんなに変わらんだろう。)で動かしてるならヘッドガスケットも紙で問題無い。これも抜けるのはもっとパワーが上。
但しオーバーヒートさせたら別。水温管理はマジで重要。
ブースト1.2未満での話としよう。
先ず、壊さない、死なないという点から。不調でも動くのは動くと見做す。
0.セキュリティ
盗難多発車種の第二世代GT-Rで盗難されても、文句は言えない…なんて事は無く、文句は好きなだけ言えばいい。但し車は帰ってこないがな。
何も考えずに真っ先に弄るべきはここ。因みにBNR34の標準セキュリティは付いてないも同然だからね。
そして、ちゃんと専門のショップに頼む事。金は掛かるが、盗難に遭うと損害はエグい。
1.油温、水温は適正か。
これが守られてないとブロック割れ、ヘッドガスケット抜けも考えられる。
2.フューエルフィルターは大丈夫? インジェクターは漏れてない?
燃料足りないとノッキング。これはGマガに載っていたBNR32でも起こってた件。
ノッキングから5番シリンダーのピストンに問題発生、だったかな。ブースト上げなければ顕在化しにくいが、やはり長期の車だとノーマルブーストでも最後は燃料が足りなくなるという事。
心は火の玉でも車が火の玉になっちゃいけない。
燃料ポンプもいつか壊れる。
インジェクターは35流用が流行。流用するならドロッピングレジスターは不要なのでカット
3.ホースの劣化は大丈夫?
特にブレーキホース、フューエルホース
流石に死ぬ訳にはいかんw燃え上がるのは自分の心だけにしよう
他も含め。20年での劣化を甘く見ると痛い目に遭う。
ステンメッシュも劣化する。
4.ブレーキは??
20年選手で、そこまでハードブレーキをしていないうちの車でも、フロントピストン計8個のうち、4つが半固着していた。ピストンが完全に固着すると費用も相当に掛かってくる上に、ブレーキ効かない→即死亡なので10年に一度はキャリパーのOHをするべきとのこと。サーキット走るならもっと頻度は上がる。
5.他
タイミングベルト、クランク角センサー
交換時期から考えてもこの辺りも気にするべき。クランク角センサーは、回ってるのに壊れてて点火時期ズレてる例があるので注意。
ブレーキも、マスターシリンダーの劣化からフルードが漏れて周囲腐食、とかもある。ピストン固着とかもある。ローターの残り、パッドの残り、劣化は大丈夫だろうか。少なくともブレーキが死んだら…うーむ。
他は、取り敢えず壊れても追突されない限りは死なないだろう。多分。事故らなければ部品取っ替えとかで何とかなるだろう、多分。
正直タービンとかも距離乗ってるなら気にするべきだが、取り敢えず最低限だとこのくらいなのか。
別に点火系が一部死んで直5とかになっても即終了ではないだろうという判断。
エアフロが死んでも即エンジンが壊れる訳じゃあない。
それでもこれくらいは最低限見とかないと何かあると致命的な故障になる…
ここいらは点検若しくは交換必須か。20年前の部品は壊れる可能性は新品と比べると確実に上がっていく。
次。先手を打っておくべきところ。壊れても即致命的ではないにせよ、壊れるところ。
1.点火系
ハーネスとかヤバいらしいよ。あと、よく聞くパワトラ、コイル。34も34でダイレクトイグニッション部は弱いっぽい。
35流用とかがメジャーかな。
ハーネスは製廃との戦いかも…色々アフターでも出てるから最悪どうにかなると思うけど。
2.吸気系
エアフロは定番の故障箇所。2個で部品代8万くらい。自力修理する人もいるけど、35流用とかも流行してる。35化は諸々で初期投資は掛かるが、その後はエアフロ代が半額以下になる。
スロットルガスケット、インテークマニホールドガスケット
定番、何もしなくても壊れるところ。ノーマルでも抜けるときゃ抜ける。
ここを紙にしたのはマジで弱点。
一応、サージタンクが純正だとエンジン車載状態でも交換出来るとの事。
ヘッドガスケットは開けるのでなければそのままでもいいが、ここはメタルにしよう。
3.ホース類、カムカバーガスケット等々
オイル漏れそのものはカムカバーからが多いとの事。うちのも例外ではなかった。
ホース類も流石に20年も放っておくもんじゃない。一度大掛かりに見直すべき。
ECUのコンデンサがやられて基盤腐食のパターンもある。
因みにブースト1kg/c㎡以下でもインタークーラーパイプは抜けました。
いきなりエンジンがアイドリングしなくなりました。吹けもしません。煽ってないと止まります。ここもやるならアルミパイピングにするべき。
その次。稀にあるから気を付けよう
1.駆動系
トランスファーのチェーン切れ事例があったらしい。
クラッチは大丈夫?ホースも?
ドラシャは大丈夫? ハブベアリングも大丈夫?
ミッションオイルは適正量入ってる? R30系ミッションは中に仕切りがあるから適正量まで相当時間掛かる。少ない状態で走るからガリ音が出てるんじゃないか、と最近思い始めた。因みにうちの車でも買った時のミッションが、その後のオイル交換後に起こった。オイル量は計測したが十分量入っていなかった。
今はミッション交換してるけど、大手の店でもやらかす可能性があるから注意。
ここまでが、ゆっくりのんびりとしか走らない人用。
ちょっとでも飛ばして遊びたいなら以下はやっておくべき
1.冷却系の強化
最低でもラジエターは交換。オイルポンプは、純正の水冷オイルクーラー(ヒートエクスチェンジャー)があれば、純正+αくらいなら何とかなる。
但し、ブーストアップやら、タービン交換等をして最高速をやったりすると一瞬で油温が危険域に入るため、オイルクーラーは必須。
その際、純正のヒートエクスチェンジャーは街乗りするなら取り外さない方がいい。暖機運転が長くなるとそれだけブローバイ吹く。
よく取り外している人を見掛けるけど、サーキットしか走らないんかねぇ…
ラジエターもオイルクーラーも強化してれば両方ともしっかり冷却出来るため、付いてても水温油温はガチで心配要らないレベルになるのに。
2.潤滑系の強化
横G、縦Gによるオイルの偏りと油圧不足で致命的な破壊が起こる事がある。
ゆっくりのんびりなら大丈夫なので上には書かなかったが、正直これも標準でやっていいレベル。
吐出量そのままだと意味が無いので、油圧を上げてしっかり潤滑させて、摺動抵抗も減らしてパワーも僅かに上がる。
高いが、エンジンブローへの投資額と天秤に掛ければ非常に安い。
エンジン降ろす必要があるが、降ろすならホース類や吸気系ガスケットも諸々替えよう。
というか飛ばしたいなら先ずエンジン降ろしてバッフルプレートとオイルポンプ、って言われた。
何度も言うが20年前の車。どう乗られてたかも分からないし、どう乗っていくかもあるしで、一度くらいエンジン降ろす必要はあると思うよ。
足回りや錆や電装系は、直ちに影響は無い、と判断して書きませんが、色々弱点はある。
丈夫な車だけど、20年という年月は重いなぁ…
楽しんで乗るためには、先ずはマトモな状態、20年の年月を取り戻すためにお金が掛かる。頑張ろう。
壊れて、修理出来ないor修理費用が出せなくて手放すのは悲しいしね。
但し、前のオーナーの使い方によってはこういう対策を取ってもブローする事は有り得る。
中古とはそういうものだ。
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メンテナンス | 日記
Posted at
2016/10/05 01:22:19
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