
お待たせしました!
続きです。
涸沢ヒュッテの玄関前を通り過ぎてテラスに出てみます。
昨年は、思わず声が出てしまいそうな絶景が目の前に現れたのですが、今年は・・

・・・・・
そうですよね・・・
雨降ってますもんね・・・

とりあえず、雨をしのげるところでザックを下ろして休憩させていただきます。

昨年お世話になった涸沢ヒュッテのテラスの売店。
やはり今年は人少ないですね・・
ザック下ろして涸沢の景色を再度見てみます。

これから向かう北穂方面。

山頂付近はガスに包まれて見る事が出来ません。

登って来た方角。

奥穂高方面・・かな?

・・・・
ガスってしまっていてどっち方面を撮った写真か忘れちゃいました・・・(^^;)

見えない景色にがっかりして、レインウエアーの中で汗ばんだ体が冷えてきたので売店でホットコーヒーを購入します。
この涸沢ヒュッテ名物のおでんかラーメンとも迷ったのですが、ガッツリ食べて身体を休めてしまうとこれから3時間の雨の中の急登が嫌になってしまいそうだったので、いつもの山行のお友のあんパンを頂く事に・・
そしてホットコーヒーで体を温めます。
う~ん、やっぱり山で食べるアンパンは美味しい。
普段の日常ではアンパンを食べるなんてまずしないのですがね~笑

アンパン完食後、コーヒーカップを返却前に涸沢の水をいただきに行きます。
昨年の猛暑のなかここの水をいただいたのですが、凄く冷たくで美味しかったのですが・・

コーヒーカップに水を汲んでいただきます~。
ゴクッ・・ゴクッ・・・・
ん?
ここは包み隠さず、正直に・・
こんなんだったかな・・?
って感じ・・・(;^ω^)
おそらく、外気温が低く寒い状況だったのでそう感じたのでしょう。
また、夏本番になれば美味しく感じるのだと思います。

コーヒーカップ返してから、身支度を整えて北穂へ向かう準備をします。
しかしそんな中でもずっと雨は降り続け、しかも時折このテラスの屋根を強く打ち付ける雨脚になったりします。
そんな状況でちょっと弱気になる自分・・
(やっぱり、今日はこのままここで一泊したほうが良いかな?こんな雨のなか北穂高小屋まで無事に歩きとおせるのかな・・・)
なんて考えながら山頂は雲に隠れて見えない北穂を見上げます・・・

しかし、これも経験、楽しいだけが登山ではありません。
こういう経験をして人間強くなるのです。
って自分に言い聞かせて、雨の中を意を決して歩き始めます。

低く垂れこめた雲に覆われ穂高の稜線は全く見えません・・

涸沢のテント場を突っ切って北穂への登山口を目指します。

5分ほど歩いて北穂への登り口へ到着。

先ほどまでいた涸沢ヒュッテとテント場はあんなに小さく見えます。
さあ、これから3時間、山行という苦行に向かいます。

北穂沢の脇に付けられた急登のルートを登っていきます。
まだ残雪がありますね。

時折強い雨に打たれながら黙々と急斜面を登っていきます。

振り返って涸沢を見下ろします。
やはりレインウエアーを着て、雨の中の登山は辛い・・・
体力的なものより精神的な辛さがあるのかな・・?
そんな景色も楽しめず雨の辛い山行で唯一楽しませてくれるのが登山道脇で花を咲かせている高山植物たち。

オオバキスミレ

ニッコウキスゲ

名称不明・・・汗
白い小さな花が密集している植物・・・笑

ミヤマギンポウゲ・・か、シナノキンバイ
北アルプスのガイドブックに載っている高山植物図鑑みて書いていますがよく似た花なのでどちらかわかりませんでした・・・汗
辛い登山ですがそんな高山植物の可愛い花達に癒されます。
しかし、やがて登山道は険しさを増していきます。

濡れてなければ大したことの無い岩場ですが、今日は違います。
濡れてます、それも湿っている程度ではありません。
雨が流れている所なんかがあったりします。
足を滑らせないように手足を慎重に運びます。
グローブももうびしょ濡れ・・・
こぶしを握ると雑巾絞ったように水が滴ります・・
気持ち悪いですが仕方ありません・・

岩場を登り切ると今度は大小の岩がゴロゴロしている急斜面。
浮石に気を付けるのと滑らないようにと普段にまして気を使います。

振り返って見下ろすと涸沢はガスに包まれていました。

その湧き上がるガスの追われるように後続のパーティーが登ってくるのが確認できます。
雨の中、ソロ登山でちょっと心細いところがありましたが後続の人がいるってことでちょっと安心します。

南陵への取りつきの岩場に到着。
このルート最大の難所と言って過言ではないところ。
昨年は天気良かったのでさほど苦労もせず登りましたが今日は雨。
岩も鎖も梯子もすべて滑ります・・
なので難易度は当然上がります・・・汗

呼吸を整えていると涸沢から湧き上がってきたガスが背後に迫ってきました。
やっぱりこんな状況の中でガスに追われると精神的にも追われてしまいます。
そんな中、焦らないように息を整えて登り始めます。

岩場をクリヤーしてから最後のはしごへ・・
(途中の画像はありません、グローブビショビショで足元も滑りやすいので写真撮影は最小限にしました)

無事、南陵に到達。
天気良ければ涸沢と前穂から奥穂の稜線がきれいに見渡せるのですが、今日はこんな景色です。
ガスに包まれる前穂から奥穂・・
大自然なのでこんな時もあります。
こんな景色も悪くはないですね・・

こちらは山頂方面。
こちらも完全にガスの中。

南陵に出てからも険しい岩場が続きます。
滑らないように慎重に手足を運びます。

そんな緊張を強いられる濡れた岩場に可愛く咲く白い花。
ハクサンイチゲ・・かな?

イワツメクサ
可愛い花ですね~。
この花はこの先よく見ることになります。

そんな高山植物に癒されながらこんな岩場を頑張って登っていきます。

急な岩場を登り切ると少しなだらかな岩の稜線歩きになります。

しばらく歩くと北穂分岐が見えてきます。

北穂分岐に到着。
ここを左手に進むと、昨年行った奥穂へルートです。
右手に進むと目指す北穂高岳の山頂はもうすぐです。

北穂高岳山頂へ向かうと目の前に急斜面の雪渓が見えてきます。
あの雪渓を横切らないと山頂にはたどり着けないはず・・
「アイゼン要るのか!?」って心配になります。
今回持ってきたのはスノーポンより取り外した簡易アイゼンしかありません。
あんな急な雪渓を渡るなら12本爪アイゼンとピッケルがあったほうが安心です。
そんな心配をしながら雪渓をよく見るとステップ切ってもらってあるようにも見えます。

雪渓の傍まで行くとやっぱりステップ切ってくれてありました。
おそらく北穂高小屋の方がしてくれたのでしょう。

雪渓の上から下を覗いたが画像。
写真で見るより実際は凄い急斜面です。
万が一滑り落ちたら・・・
想像するだけで恐ろしい・・・汗

雪渓を渡り切るとあとは山頂までの石段を登るだけです。

北穂高岳山頂に到着です。
だれも居ませんね~。
そりゃそうでしょう、こんな日に登ってくる人はそう居ないはず・・

13:40
3160m北穂高岳登頂
涸沢から2時間40分で到着。
雨のなかよく頑張りました~!(自分で言うなって・・笑)

横殴りの雨の降る中なので登頂の余韻に浸ることなく写真だけ撮ってすぐさま北穂高小屋に向かいます。

山頂から石段を下りるとすぐに北穂高小屋です。

北穂高小屋へ到着。

昨年はここのテラスからきれいに槍ヶ岳が望めたのですが、今日は・・・泣
強い雨が小屋の前のトタン屋根を打ち付けます。
ま~、とにかく全身びしょ濡れです~。
小屋にたどり着いた喜びよりこの何もかも濡れてしまった身体をどうしたらよいか、何処から手をつけたらよいか分からずしばし呆然とします・・・
しばし呆然とした後、小屋のスタッフの声をかけ宿泊の受付をお願いします。
しかしその前にこのビタビタな自分を何とかしないと小屋にも入れません・・
まず乾燥室の場所を聞いてそこで身支度を整えることに。
ま~乾燥室の中では大変でしたよ~。
他の方の衣類やザック、シューズが時すでに所狭しと並んでいました。
自分の持ち物を置くスペースを何とか見つけて乾燥させる物、乾燥は諦めるもの、自分の着替え、小屋へ持ち込むもの等、乾燥から着替えから荷物の整理からと慌ただしく考えながら行わなければいけません。
(乾燥室は暑くて長時間居られません)
ってことで、写真撮っている場合では無かったので詳細な写真はありません・・
やっぱり山で晴れているっていうのがどんだけ素晴らしいかってのを実感しました。

やっとの思いで着替えと荷物整理を終えて小屋に入って受付をします。
受付を済ませ、本日の寝床がある3階へ向かいます。

やっぱり3000mの山頂脇にある小屋です、凄くこじんまりとした造りですね。
いかにも山小屋て感じで良い感じです。

寝床はこんな場所。
蚕棚って呼ばれるところの2階です。
左右に仕切りがあり通常は2人で使用するスペースなのですが今日は空いているとのことで一人で使わせてもらえることに・・
ありがたいですね~ゆっくり寝ることが出来そうです。

そして17:00
食事の時間です。
食堂もかなりコンパクト。
けど贅沢言ってはいけません、標高3000mの山のてっぺんで食事も寝床も用意してもらえるなんて普通じゃありえないことですからね~。
料理は生姜焼き、これがまた美味しいのです~。
ご飯はしっかり大盛りでお替りしちゃいました・・・笑

食後に外の様子を見に小屋を出ます。
雨は霧雨のようになってました。

しかし、ガスに包まれて全く景色は見えませんね~。
明日の天気はどうなんでしょう・・・

20:00
すっかり陽も落ちてから就寝前に再度外の様子を伺います。
雨は止んでますがガスに包まれている状況は変わらず。
明日はいよいよ大キレットへのチャレンジです。
こんな天候で踏破できるのでしょうか?
今日みたいな土砂降りの雨だったらどうしよう?
そんな時は涸沢へ引き返すしかないかな・・・
なんて考えながら小屋に戻って寝る準備をします。
20:15
ってことで明日に備えて消灯前に寝ちゃいます!
おやすみなさい~。
zzz
ここで一旦終了~!
2日目 北穂から槍ヶ岳編をお楽しみに~。