
今回のブログは久しぶりのMTBでの探索の様子をお伝えします。
今回も車ネタは無しなので廃道、廃線、MTBに興味の無い方はスルーでお願いしますね。
ちなみにかなりの長編になることが予想されますので読まれる方も時間のある時にじっくり読んでくださいね~(^^♪
まず今回向かった先は静岡県の中央部に位置する寸又峡。
一級河川である大井川の支流の寸又川の上流にそこは存在します。
大井川はSLの観光列車が走ることで有名な大井川鐡道が川沿いを走っています。
そんな場所にある寸又峡のさらに奥の山中に明治から昭和にかけて盛んだった林業によって切り出された材木を山中から搬出するのに敷かれた鉄道があったのです。
その名は「千頭森林鉄道」最終は全長52km及ぶ区間を運行していたそう。
千頭森林鉄道は昭和44年には完全に廃止されその後は林道へ姿を変え使われている。
しかし千頭森林鉄道本線全長52kmのうち今も林道や通常の道路として使われているのは一部。
その大部分は自然に還ろうとしている。
この「千頭森林鉄道」はネットで鉄道や廃道系のサイトに紹介されています。
ちなみに私が今回の探索で参考にさせていただいたのは「
山さ行がねが」ってサイトです。
興味のある方はリンク貼らさせていただいたので覗いてみてくださいね。

この写真が在りし日の「千頭森林鉄道」姿
(「山さ行がねが」からお借りしました)
どうです~こんな列車が山中の52kmの区間を走っていたのです。
そんな線路跡がいまだに人知れず山中に存在するってことが私の廃道探索心に火をつけちゃいました。
これ以上の「千頭森林鉄道」の歴史やルートの詳細は「山さ行がねが」のサイトにお任せして私の行った探索の様子をお伝えしますね。

今回は林道探索にしては異例の遠方への遠征です。
なので早朝から出発。

夜明け前の国道1号線、朝焼けがきれいです。

いつものコンビニで買い物。

伊勢湾岸IC付近から眺めた鈴鹿山脈。
良い天気です。

伊勢湾岸自動車道に乗り「長島スパーランド」前通過。
朝日に向かって走ります。

新東名に入るころには陽も完全に登ってしまいました。

幾つも通過するトンネルのなかで見かけた積載車に積まれたフォーミュラカー。
富士スピードウェイにでも行くのかな?

浜松PAで少し休憩。
背後の山の尾根に発電用の風車がきれいでした。

新東名高速「島田金谷IC」で降ります。

しばらくはこの国道473号線で大井川沿いを北上します。

まずは寸又峡を目指します。

こちらが大井川、広い河原です。

次に国道362号線でさらに北上して千頭方面へ。

大井川鐡道の千頭駅前通過。
トーマス列車が停車していましたよ~(*´з`)

大井川にかけられた吊り橋。
寸又川や大井川にはこのような吊り橋がいくつもかけられています。
私達に地方では吊り橋ってのは観光地に造られた観光用の橋ってイメージがありますがこの地域では実用の橋として架けられているようです。
実際に吊り橋をカブ(バイク)が走行しているのを見かけました。
まるでサーカスの曲芸でも見ているようで結構衝撃でした・・・笑
(私は車で走行中だったので写真は写せませんでした)

大井川もかなり上流になってきました。

目指す寸又峡ももうすぐです。

この寸又峡には温泉街があるのですがこんなすれ違い困難な山中のルートを走らないとたどり着けない秘境にあるのです。

7:20
そんな、激せま山道を抜けたどり着いた寸又峡温泉街。

温泉街の中心にある観光用の駐車場に車停めます。
ここは南アルプス登山の玄関口でもあるそうです。
いまから探索する「千頭森林鉄道」も当時は登山者も運んでいたことがあったそう。
けどここからの登山は名だたる山に登るには距離もありルート整備もあまり行われていなさそう。
なのでかなりの達人でないと入山は危険な香りが漂います・・汗
しかし今回の私は登山がメインではありません、廃線探索です。
天気は申し分なさそうなのでテンションも上がります。
そしてここで準備をします。

まずは車内で着替え。
これは今回の探索用のアイテム「ヤマビルファイター」ってやつ。
なんか勇ましいネーミングのこのスプレーは私の天敵「ヤマビル」を寄せ付けないようにするための物。
この寸又峡より奥地はこの季節「ヤマビル」の巣窟となっているようなのです。
私も幾度も登山や林道探索でヤマビルと戦ってきました(ちょっと大袈裟)
ヤマビルというのはいつの間にか足元から忍び寄ってきます。
見た目とは裏腹なスピーディーな動きであっという間に靴の中に潜り込んで靴下の上からでも吸血してきます。
吸血されたら最後、ちょっとやそっとでは離れてくれません。
無理に引きはがすとヤマビルの歯が皮膚に残ってしまい、そこから炎症や化膿を起こすこともあります。
そんな、凶暴?なヤマビル対策として用意した物がヤマビルファイターなのです。
これは、布地にスプレーしておくとヒルが嫌がって登ってこないというもの。
本来は、登山靴やスパッツにスプレーするようなのですが、ちょっとべたべたする感じが嫌で直接靴などのスプレーしたくなくて使い古しの靴下をカットした物にスプレーしておきます。

そしてそのヤマビルファイターをスプレーしたカット靴下を登山靴の上部にスパッツのごとく装着します。
見た目はちょっと「なん」ですが・・笑、どうせ誰にも会わない山奥へ向かうだけなので気にしません・・・(^-^;

ちょっとヤマビルネタが長くなってしまいましたがMTBも準備します。

7:50
準備完了!
探索に出る前にこの駐車場の端に展示された森林鉄道を見学します。

これが展示された列車の上にある「千頭森林鉄道」の案内看板。
興味のある方は読んでみてくださいね。

これが機関車。
ディーゼル車のようです。
フロント部分に鎮座する大きなラジエターが水冷エンジンの証ですね。
これぞラジエターって感じ、今の自動車でもフロント部にラジエターグリルってものがある車も多いですがこれはグリルではなくラジエターその物ですね。

林業従事者を運ぶための客車。
森林鉄道って言うと簡易的な屋根の付いたトロッコを思い出しますが、結構立派な客車に驚きです。

客車内の画像。
流石森林鉄道ですねウッド基調で良い感じです。

その後、清々しい朝の鄙びた温泉街をMTBで駆け抜けます。

温泉街の突き当りまでくるとここで一般車通行止めになり寸又峡への遊歩道になります。

すぐに千頭森林鉄道の「大間駅」跡が出てきます。

ここは資料館にもなっているようですが残念ながら平日は休館のようです。
ちょっと見てみたかったのですが、多分ここの資料館より詳しいサイトで色々勉強してきていますからいいかな・・

大間駅からの廃線跡、今は寸又峡の夢の吊り橋までの遊歩道になっています。
古びた石垣と緩く弧を描くルートが線路跡に見えてきますね。

その後も遊歩道をのんびりサイクリング。

天気も最高~!
梅雨はどこ行った!?ってくらいの上天気です~。
気持ちいい~!
(なんて余裕かましていられるのも今のうちだったりして・・・汗)

天子のトンネルってのが出てきました。
これも林鉄(森林鉄道の略)の遺構です。
しかし、今も遊歩道やこの寸又川上流にあるダム施設の管理のための道として使われているために林鉄の遺構感はあまり感じられません。

ひんやりした空気が体を包みます。
誰もいないトンネルに私のMTBのペダリング音とハンドルに付けられたクマよけの鈴の音が響き渡ります。

しばらく走ると木々に隠れて見えませんが大間ダムに到着

そして眼下に「夢の吊り橋」が見えてきました。
水の色がグレーなのが残念ですね。
この時期は仕方ないのかな?
この寸又峡の大間ダム湖はチンダル現象といわれるもので湖面がきれいなブルーに見えることもあるそうなのですが梅雨時の今は泥水の影響なのか全くそんな感じではありません。
あの夢の吊り橋はこの寸又峡観光の名物のようですが、今日はスルーします。

夢の吊り橋を過ぎるとはるか前方に鉄橋が見えます。

あの鉄橋も林鉄の遺構だそうです。
その名も「飛龍橋」
全長72m、高さ69m。上路スパンドレルブレーストアーチ。
奥黒法師から流れ出る大間川の深谷を跨ぐ、現役の道路橋で、架設された昭和32年当時はここを千頭森林鉄道が通っていたが、同44年に車道橋へと改築された経緯を持つ。これは土木学会により権威ある「歴史的鋼橋」にも認定された名橋であり、寸又峡を代表する観光名所ともなっている。(山さ行がねがから引用)
ちなみにこのブログの冒頭の当時の林鉄の写真はあの橋を左岸(下流向かって左側の岸)に渡り切ったところから大間ダム方面(こちら側)を見た写真と思われます。

飛龍橋到着。
綺麗に車道に改装されている為当時の面影を感じることはできません。

そんな「飛龍橋」を渡っていきます。

大間川を覗き込むとかなりの高さに驚きます。
昭和30年代によくこんなところに鉄橋を造ったものだと感心しちゃいます。

橋を渡りきると遊歩道は右方面へ進みます。

左は車両進入禁止の林道。
実はこの林道もこの先には林鉄の遺構が存在するそう。
この先の尾崎坂展望台って付近からスイッチバックした列車をこの大間川沿いに大間川支線として走らせていたそうです。
しかし残念ながら「山が行がねが」のサイトにはそこの部分の詳細は記載されていませんでした。
その部分だけはサイトの管理人さんのヨッキれんさんの出している文庫本に記載があるそうです。
(実は今はその文庫本は購入済みです・・・笑)
しかし今回の探索はこの支線ではなく本線になるのでここはスルーします。

その後も遊歩道を進んで行きます。
こちらからも夢の吊り橋左岸側へ降りられます。

遊歩道脇には古びた石垣が続いています。

そして遊歩道の柵にの支柱はなんとレールではありませんか。
これも林鉄の遺構だと思われます。

寸又峡渓谷尾崎坂展望台へ到着。

ここからは先ほどの大間ダムの管理棟が見下ろせます。

そしてここにも当時の林鉄の車両が展示されていました。

展望台で少し休憩してから進んで行きます。
この展望台より先は観光用の遊歩道ではなくなります。
この先は林鉄の廃線跡を林道として使用してさらに寸又川上流にある湯山発電所や千頭ダムへと通じるようなのです。
で、今回の探索はその千頭ダムまではMTBで行く予定です。
そして林鉄の遺構があるのはその千頭ダムより上流にあるそうです。
なのでダム以降は徒歩での探索になります。
ここにも路肩には古い石垣が積まれていますね。
おそらくこの辺りが林鉄がスイッチバックして大間川支線と分岐していた地点だと思われます。
ただし石垣しか遺構は見つけられなくここから実際にスイッチバックして行った林鉄の路盤は確認できませんでした。

スイッチバック地点よりすぐで林道のゲート出現。
MTB探索ではよくある風景ですね・・・笑
おおよそどんなゲートでも脇に人ひとり通れる通路が有ったりします。
もちろんここにも狭いけどと通れそうな隙間ありました。
関係者以外立ち入り禁止の看板もあります。
昨今の林道は何処でもこんな注意書きはあるので気にせず写真撮ってからゲート脇をMTB通そうとしていると・・・

背後の駐車スペースに1台のエスクードが停まりました。
ここまで車両が入ってくるというのはここの奥の施設関係者しかないのです。
車から降りてきたのは2人の男性。
やっぱり作業着を着ています。
で、私の存在を認めながらゲートのカギを開けています。
私は無言でその作業を見つめます。
ここで考えます。
この今いる場所には小型ミキサー車や小さなブルドーザーが置かれています。
上流で工事している可能性もあります。
なので勇気を出してその作業着の方に尋ねてみます。
私
「すみません・・千頭ダムまで行きたいのですが、行けますか?」
すると、鍵を開け終わった作業員の方はクールな顔で、
作業員
「駄目です」
の一言・・・
私
「が~~~~~ん!」
頭の中の釣り鐘が落下していました・・・汗
私の事前情報ではこの先のダム管理は基本無人だったはず。
なのでこの先の林道もしくはダム施設の維持管理のための工事か何かの作業を行っているのでしょう。
しかし、今までの私の経験ではそんな状況でもMTBを漕いで登ってくる私を快く受け入れてくれる作業員の方と数々出会っています。
過去には色々お話しをさせていただき励ましてくださる方もいらっしゃいました。
逆に、引き留める作業の方を無視して強硬突破したこともありましたが・・・
いや~!
私としたことが最大のミステークを犯しちゃいました~汗
今回のミスは林道の入り口で作業員の方に通れるかどうかを尋ねてしまった事にあります。
そりゃ誰だって基本関係者以外立ち入り禁止でその上作業している場所を通る道を一般の人に「通れますよ」なんて言うわけないですよね~。
やっちゃいました・・・汗
これで何気なく進入して何か言われたときに「入ったらダメだったんですか~!?」ってびっくりして見せる作戦は通用しなくなっちゃいました・・・汗
そんな考えが少ない脳みそしかない頭の中を鳴門の渦潮のごとく渦巻いていました。
しばし、ほぼ放心状態で立ち尽くしていると気づいたらエスクードは林道の奥に消えて行っていました・・・
さて、林道探索の最大の危機が訪れましたよ~。
それはいまだかつてない危機・・・
林道を目の前にして、物理的には通行可能なのに不用意な自分の言動でまさかの通ることが出来なくなってしまうなんて・・
どうしよっか?
もうこのゲート付近には誰もいません。
ここからゲートを越えて進入しても誰にもとがめられることはありません。
しかしです、先ほどの作業員の方はこの先のどこかにいらっしゃるはずです。
もしこれから進入してその方と出会ったら・・・
ってことを考えると・・・
かといって時刻はまだ8:15ですよ~。
このまま帰宅したらお昼には帰宅しちゃいます。
そんな不完全燃焼は絶対に納得できませんよ~。
何食わぬ顔して再度進入を試みるか・・
諦めて帰宅するか・・・
はたまた他のルートを検討するか・・
果たして私はどれを選んだでしょう~?
続きはVol.2でお伝えしますね~(^^)/