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2011年06月20日

実験の終了

実験の終了 2009年の3月に、当時の麻生政権が緊急景気対策の一環としてスタートさせた「ETC休日特別割引の地方部上限料金」。俗に“千円高速”などと呼ばれてきたこの制度が、地方特定路線の無料化実験とともに今日の午前0時をもって終了となりました。
結果としては高速道路無料化を掲げて政権交代を実現させた現与党下で、大幅な割引や無料化を実現してきた社会実験が終了するというのも皮肉な話。もちろん最大の理由は3月に発生した東日本大震災の復興に多大な財源がひつようとなるためです。既にほとんどの方がご承知でしょうが、これまで行われてきた割引と無料化の社会実験では、本来の通行料金との差額を税金で高速道路会社に補填してきました。その財源を被災地復興にまわすために、今回の実験終了となったわけです。

●旅費“西高東低”で客離れ懸念 高速道1000円終了、東北は無料開放
Sankei Biz  2011年6月18日 5時00分

2年3ヶ月ほどに渡った壮大な社会実験は、多くの影響を各所に与えました。
四国などを中心に、割高感の強かった通行料金が大幅に値下がり、または無料となったことで、特需に湧いた観光地も多かったようです。もちろん人が動けばお金も動くわけで、経済活性化の効果があったという地域は、全国各地に多く存在するかと思います。

しかし一方では高速道路の利用者が増えたことで、それまで多くの利用があった一般道の通行料が激減した地域も多く、沿道の商店や観光地の売り上げが激減したケースも見受けられます。また、週末や休日に交通量が集中したことで激しい渋滞が全国で発生、物流やバスなどの公共交通機関に悪影響を与えた面も否めません。
さらに公共交通機関で言えば、カーフェリーや高速バスなどはマイカー利用の増加に反比例して客離れが一気に加速してしまい、廃業や営業規模縮小を余儀なくされたところも多く存在しています。こうした地域では一旦廃止された地域の足を復活させることは容易ではなく、今回の実験がもたらしたもっとも大きな“罪”ではないかと思います。


いずれにしても功罪ともに色々な事実を残した社会実験。
あくまでも“社会実験”として国民が支払った多額の税金を投じて実施したのですから、その実験によって得られた“結果”を一日も早くまとめ上げて、国民に広く公開してほしいところです。果たして御用学者や役人、道路会社などがどんな“結論ありき”の実験結果報告をするのか気になるところですが、国民一人一人が多角的にその結果を検証することは、将来の日本における交通インフラの整備・整理において必要なことだと思います。

なお、個人的にはこの政策は開始当初から反対の立場でいます。
もちろん経済的な効果があることは承知しています。例えば私自身の話にしても、この2年3ヶ月で割引を受けた金額の合計は優に50万円を超えています。元々、自走での全国出張が多い身だからなのですが、この50万円ほどの割引適用額は、車の所有や運転をするしないに関わらず広く国民全体から集めた税金で賄われ、道路会社へと流れて行ったのです。

ここが反対している最大の理由。この割引は国家という、どんな民間企業も太刀打ちできない相手が、税金を原資として高速道路会社という民間企業の売り上げを補填することで実現していたのであり、とてもじゃないですが“純粋な割引”といえる代物ではありません。
そこで、ぜひ社会実験の結果報告では、次のような内容を指摘してほしいと思うのです。

・国民にとって高速道路の料金引き下げは大きなメリットがあり、経済効果なども大きい。
・ただし公共交通機関の存廃に関わる面もあるので、引き下げ幅については慎重な検討と判断を要する。
・日時を限定することで過度の交通集中を招き、激しい渋滞が経済損失や交通事故の要因となる。ゆえに日時を限定せず、抜本的に料金全体の引き下げが効果的。
・税金の投入による料金の引き下げは、国民の中で不公平感が強い。
・料金の引き下げは、各高速道路会社の経営体質改善、企業努力によって実施されるべきであり、早急に各社は対応して料金引き下げを実現すべき。

こんな感じの報告があり、実現に向けて動き出したとしたら、この2年3ヶ月におよんだ実験も無駄ではなかったように思えます。
 
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Posted at 2011/06/24 21:15:34

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