MiniCar|RAI'S トヨタクラウン 和歌山県警察交通部交通指導課暴走族対策室指揮車両
投稿日 : 2011年09月23日
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平穏な市民生活、特に夜間の静寂を奪う反社会的な存在が「暴走族」。夜間の暴走行為は騒音などで迷惑なだけでなく、交通法規を無視した行為は一般車両を巻き込んだ重大な交通事故を引き起こす可能性もあり、徹底した取り締まりが求められています。
そんな中、和歌山県警察が2002(平成14)年に発足させた暴走族取り締まりの専従班が、俗に「黒豹隊」と呼ばれる覆面二輪車部隊。テレビでも多く紹介されているこの部隊、その活動を統括して指揮を執る車両がミニチュア化されました。
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1取り締まりにあたっては覆面パトロールカーが指揮車両となり、基本的に3台の二輪車とセットになって活動しています。
指揮車は部隊発足から2007(平成19)年まではYPY31型・日産セドリックが用いられていましたが、現在は二代目となる180系・トヨタクラウンとなっています。
基本的な作りは一般的な交通取締用覆面パトロールカーと同様。ルーフ中央に反転式赤色警光灯、フロントのナンバープレート脇にオートカバー式の前面警光灯を備え、室内のルームミラーは縦配置のダブルタイプとなっています。
なお、RAI'Sの180系クラウンでは実車と異なり前期型仕様のグリルが備わりますが、これは実際には後期型仕様となるのが正しい内容です。
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ボディカラーはブラック。先代の指揮車であるセドリックもダークブルーという濃いめの色合いでしたが、これは夜間が中心となる活動を鑑みて秘匿性向上の為にあえて選んでいるのではないかとも思われます。
車内にはストップメーターや無線機、採証用ビデオカメラなどを搭載。助手席に指揮官が乗車し、覆面二輪車である「黒豹」に無線などで指示を出して取り締まりを行います。もちろん相手は暴走族ゆえに素直に停止の指示に従わないケースも多く、追跡を伴う場合はこの車両が先回りして行く手を抑えるなど、二輪と連携した取り締まりを展開しています。
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この車両ならではの特徴が、リアまわりのカットに現れています。
リアウィンドゥ越しに見える青色のものはLEDランプで、追従している「黒豹」の二輪車に対してこのランプを用いて取り締まりの実施を指示しています。
例えば先行している指揮車が何らかの違反行為を行っている車両を現認した場合、即座に助手席の指揮官が青灯を操作。これによって「黒豹」は取り締まり活動に移るという流れです。
また写真では見えにくいですが、リアのパーセルトレイ上にはTA型の無線アンテナが備わります。一般的にはリアウィンドゥに装着されていますが、秘匿性向上のために車内への装着とされています。
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「黒豹」の登場によって、和歌山県では暴走族の摘発が進みました。
県警の発表では黒豹隊発足前年の2001(平成13)年には暴走族関連の110番通報が約1,400件とピークに達していましたが、現在ではその数は4分の1ほどに減少しているそうです。
「和歌山200」のコールサインを有するこの指揮車両を核とした「黒豹」の活躍により、2001(平成13)年には14件に過ぎなかった暴走行為の検挙数も、発足初年度の2002(平成14)年に141件、翌2003(平成15)年には171件となり、大きな成果を挙げています。
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