時々アイドル不調克服記（１９９２年～１９９９年）

　この車、２５℃を越えるような日の暖機運転完了後に、アイドル回転が突然５００回転程度まで低下する症状を抱えていました。エンジンの回転は下がりますが、それでもエンジンはストールせず、また突然元の回転に戻るのです。そのアイドル回転が低いときにアクセルを操作すると、エンジンは不調なく吹け上がるのです。（ただし、ほんの少しノックするような感じはあった）最近のエンジンと違って、アイドル回転はスクリューだけで調整する方式です。そのため、アイドル不調を解消するまで大変な道のりをたどりました。
　
　この症状が初めて発生したのは、１９９２年５月だったと思います。はじめはその前に入れたガソリン添加剤が悪かったのだと思い、このガソリンを使い切れば症状はなくなると思っていましたが、解消しませんでした。そのうち、キャブレタークリーナーで吸気系を清掃すると良いと聞きつけ、これを実施しましたが変化がありません。また、症状発生中にバッテリーのマイナスターミナルを外すと、症状はすぐになくなりました。その意味がわからず、それでも症状によって何か困ることはないため、我慢すればいいや、と、１９９５年まで放置しました。
　
　この年、だいぶ意味もわかるようになったオートメカニック誌のトラブルシュート表を片手にあちこち疑って見ましたが、らちがあきません。１９９６年に就職し、金銭に余裕が出来たときに手っ取り早いところ、エアフローメーターを交換してみました。しかし変化はなく、コンピューターだろうと結論付け、何もしないことにしました。
　
　１９９８年、転職して会社の都合で整備士の資格を取らなければならなくなり、養成講座に通いました。電気系統の実習のとき、オルタネーターのダイオードが一つ不良になったときの症状を再現できるシミュレターを操作すると、負荷が変わることによっておきる振動が車の症状と似ているではありませんか！そのときたまたまエンジンをオーバーホールに出していたため、業者に連絡し、オルタネーターをリビルド品に交換してもらいました。結果、症状は全く発生しなくなりました。
　先に言った、バッテリーのマイナスターミナルを外すと症状が出なくなったのは、オルタネーターが発電仕事をしなくなり、オルタネーター故障による負荷の変動がなくなったためでした。非常に長い時間をこの症状と共存してしまいましたが、無事解消し、胸につかえたものが取れた感じがしました。