私の愛するNA6が2月に追突事故をもらい、3月で復活するまでの回想録です。
かなりの長文(シリーズ)になりますが、ご興味のある方はどうぞ最後までお付き合いくださいませ。
このブログがみなさんのもしもの時の参考に少しでもなれば幸いです。
masachiro
【ACT4】
それからいろいろ調べると時価の算定が、保険会社によって結構マチマチであることや、同程度のクルマの諸費用を含む”乗り出しの価格”で見るべきだという判例が今までに数例あることなど、いろいろ出てきます。
そんな中でまた知らない言葉が出てきました。
★対物超過特約
経済的全損で修理費用が時価額を上回ってしまった場合、それを補てんするためのもので、殆どの保険会社が上限50万までとしている特約。(唯一、チュー○ッヒ保険では対物超過無制限の特約もあるらしい)
ただし、これはあくまで修理をするのが前提で、
買換えをする場合は一切支払われない。
こんなオプションがあることを私は全く知りませんでした。
もし、加害者側がこれに加入していれば
時価額+50万
が修理費用に充てられることになりますので、話は全く変わってくる・・・。
そんな中、少しずつ修理をしようと思って注文していたパーツが、モノ○ロウから次々と届きます。
クラッチストッパーラバー、クラッチスイッチ、サーモスタット、フロントドアウェッジ、ブーツダスト、チェンジインシュレーターNo1.etc・・
主(NA)がいないのに、パーツだけが届くってモノ悲しい。
それ以降、いろんな憶測や思いが頭の中を巡ります。
「そもそも修理は可能で、元通りの走りができるのか?」
→「一体いくら修理費がかかるんだ?100超えんのか?」
→「25年間大事に乗ってきたが、完全な事故車にしてしまった・・・」
→「とはいえ、いつもは奥方様が殆ど同乗しているのに、今回に限り助手席に乗っていなかったのは正に不幸中の幸い。本当によかった」
→「相手は対物超過特約に加入しているのか?」
→「もし加入していなければ廃車か?コイツ(NA)とこんな終わり方で本当にいいのか?」
→「じゃ、自腹切るのか?そんなん納得できるワケないだろ!」
→「吐き気が止まらん。アタマと右腕が痛いし、左手がしびれる」
→「こんな朝早くに定食を食べたいとかワケわからん事言うからこんな目に遭ったのか?」
→「新品スタッドレスに履き替えてまだ100㎞も走ってないの(泣)」
→「もし、もしもだぞ。買い替えるならNA6・8どっちだ? 8なら狙うはシリーズ2か?永く乗り続けるならやはり最終型SRリミか?昔からjリミも好きだった。黄色は経年での色の管理が難しいと聞くが・・・。
TOKYO Limited(1002から内装移植ってスゲー)、首都圏限定発売40台、幻のRSだ。今じゃまず手に入らんだろ。

EUNOS ROADSTER 名鑑より引用
これを期にマルイチ(M2・1001)か?格好はいいが、硬派過ぎて今まで以上に不便するぞ。パワステないし。いや、そもそもそんな金ないだろ」(←NAのことを考え出すとヲタクの血が止め処なく騒ぎ、ここだけテンションが全く違う。25年間他のクルマに目もくれず、こんなことをマジに考えたことはなかったので、”気持ちの上で初めての浮気”といえるかもしれない)
→「買い替えた場合、今まで付けたオプション品はどうすんだ?全て移植すんのか?何処で?」
→「しかしありえない。どーにもこーにも腹が立つわ」
→「命があっただけでも良しとするか ← てか、今はムリだろ!こじつけで無理やり納得しようとすんな!」
→最初に戻る
などなど、
”アンフィニでアンリミテッドなスパイラル”が続き、ここから一週間近く不眠が続きます。
いずれにせよ条件が出そろっていないので、アレコレ考えても仕方がないのですが、
知識不足が不安を生むというのもあり、知人の紹介で弁護士を訪ねることにしました。
東京駅から徒歩すぐの場所に弁護士事務所はありました。
人生初の弁護士との対面(一生のウチでそうはない)に、かなり緊張しました。私より10以上も若い、パリッとした超エリートといった感じの弁護士さんでした。
事故の概要を話したところ、今回の物損事故に関する結論は
①車の時価額以上は損害賠償を受け取れない。
②経済的全損の場合、修理をするのであれば自腹を切るしかない。
物損事故の場合、人身事故とは異なり”慰謝料の請求”は原則として認められない。
車に対する愛着心が害されたとしての慰謝料を認めた判例は過去にない。
また、保険会社の提示する時価に不服があり、時価額を上げるためには、
自らそれらを立証する必要がある(冒頭の部分にもある市場価格での交渉など)。
また、各オプション品についての立証も同様である。それらも減価償却の考え(時価)に基づくものとする(つまり数年使用したものは殆ど価値がないと見なされてしまう)。
泣こうが喚こうが、
これが現実。
何百万もの改造費をかけたクラッシックカーを所有する方が、不幸にももらい事故に遭遇してしまった場合、それらの価値を自ら立証するのは相当な労力と時間を有する。にもかかわらず、オーナーにとって必ずしも納得のいく結果が得られないことが多いのが実情、とのお話も伺いました。(それらに比べるとネオクラッシックの私はまだマシな方かも・・。)
弁護士の先生は私情を交えず、事実を客観的にお話してくれました。
それもお忙しい中、人身事故の件も含めてご好意で2時間以上もの間。
本当にありがとうございましたm(__)m
帰宅してから
”法律の名のもとに客観的事実を目の当たりにした”
ため、しばし放心状態。
・・・・。
事故は起きてしまった以上、仕方がないことです。
私は別段「新車を持ってこい!」とか、
「事故前とまったく同じ状態に戻せ!」とか
無茶苦茶なことを言っているわけではありません。
ましてや”不当な利益”を得たいわけでもありません。
評価損(事故が起きることで車の価値が下がる)と いう認識も、もちろんあります。今回の件で私のNAは完全な事故車扱いになります。
私がもし中古車を買うとして、あえて事故車は選びません。
私がこのクルマを乗り続けるのであれば、事故車であることを私の意識の中でずっと背負っていかなければなりません。
しかし、それらの精神的な痛手を、断腸の思いで受け入れた上で、それでも今までどおりこのNAを乗り続けたいと思っているだけなのですが、現実はそれすら簡単には許してくれないようです。
2009年 ウチのコがまだすごく元気だった頃
そんな折、ディーラーのM氏より経過報告の電話がありました。
「板金工場から連絡があり、大変申し上げにくいのですが、当初思っていた以上に損傷が酷く
、修理費用が3ケタになりそうです・・」
!!!
ガチンコファイトクラブ (懐)
【ACT5】につづく
Posted at 2016/05/23 17:31:12 | |
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