突然の走行中エンスト→VANOSコントロールユニット交換
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
ショップ作業 |
難易度 |
![](/images/icon_difficult_on.svg) ![](/images/icon_difficult_on.svg) 中級 |
作業時間 |
1時間以内 |
1
先日の大雨の中、山道を調子よく下っていると何の前触れもなくいきなりタコメーターの針がゼロを指しました。
訳もわからずとっさにスターターを回してみても再始動できず(後で考えると意味のないことでした)、十数秒ほど惰性で走ったところでまたいきなり息を吹き返しました。
その後も特に回転がバラつくなどの変な兆候もなく普通に走れていましたが、数分後に再発。
交通量の少ない下り坂が続いたので騙し騙し走り続けましたがエンストの間隔は見る見る縮まり、平坦な市街地に入って停車中に止まったところで万事休す。
クルマを押して路肩に寄せ、保険会社へ連絡した上でこれまで何度か重整備をお願いした専門店から積車で迎えに来ていただきました。
ちなみに到着したお店の方が試しにキーをひねると普通にかかり、積み込みは自走でできました。
2
症状からは最初カムシャフトやクランクシャフトの角度センサーの異常を考えました。
お店の診断器(DIS)では確かにそれらも検出されたのですが、問題視されたのは昨年始めにDISを導入してからずっと出ていたVANOSコントローラー(VNC)のエラーの方(画像)でした。
INPAでは「不明なエラー」としか出ませんが、DISでは「retarded adjustment」と内容が出ます。位相が遅れる方にずれているということでしょうか。
ただ中ほどにあるように「冷間時にフルスロットルで加速してもエラーが記録される」とあるので(実際そんなことはしませんが)、正常化バイアスでそんなに深く考えていませんでした。
3
先の画像でもエラーに続いて機能テスト(リークテスト)を行うよう指示が出ていましたが、その行程でDISが指示するカムシャフト位相(30度)にVNCが合わせられない(42〜43度から動かない)状態でした。
お店としてもこれを解決しないことには先のセンサー類の診断もできないということで、同業者の方がたまたま持っていた中古のVNCをお借りして付け替えたところエラーは消えテスト結果も正常になったということでした。
4
そこで今年始めに買ってあった予備のVNCを持ちこんで交換しても同じく正常で試運転も問題なかったため、とりあえずこれで様子を見ることにしました。
先のエラーの存在は把握していましたが(画像も私のDISから取ったものです)、走行自体には一見さしたる問題もなく、またVANOS不調時の典型的な症状も明らかでなかったためそのままにしていたものです。
とはいえ思い当たる節がなかったわけでもなく、ここ数ヶ月ほどアクセル操作に対してエンジンが思ったよりもついてこないような、また以前は気にならなかったエアコン使用時のパワーロスも目立ってきた感じもしていました。まるで排気量が下がったような感じといえばいいでしょうか。
5
しばらく走ってみたところで、改めて自分でもDISで確認してみました。
こちらはVNCの診断画面(3枚の合成)です。
画像上はメインメニューで、1番がエラーの読み取り、4番が上記のリークテストです。
ここで3番の「Activate Components」を選ぶと画像中のメニューが現れ、この中の1・2番でソレノイドの動作テストを行えます。
画像下がテスト中の画面で、30秒間10Hzでソレノイドが動きます(カチカチ音がする)。正常なテストの様子を動画で添えておきます。
ちなみに、画像中のメニューにはバルブ2つに続いて電動ファンの項目もありますが、異常VNCではどのテストでも反応が見られませんでした。
先日電動ファンのヒューズ切れに気づきましたが、これもあるいはVNCの故障が原因だった可能性も考えられますね。
6
エラーの記録もなく、リークテストでも位相のずれはなくなっています(画像上、30度の指定に対し32度になっていますがこの後30〜31度に落ち着きます)。
画像下はアイドリング中の各パラメータ表示画面です。
VANOSが正常に機能するようになったためか、パワーやレスポンスは明らかに改善しました。このクルマで「背中を押される加速」を味わったのも初めてかもしれません。
今までの4年間、M3の本領を知らないまま乗っていたということでしょうか…。
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