以前ご紹介したGX100系クレスタのオーナーが今回、乗り換えたGX100系マークIIです。
前回のクレスタは前期型でしたが今回は後期型。
車自体は殆ど変わらず、内容も重複するかもしれませんが、私自身100系が好きなので、前回のクレスタよりも深く掘り下げてご紹介したいと思います。
以前のクレスタはこちら
https://minkara.carview.co.jp/userid/2594057/blog/41025953/
全長 4,760mm
全幅 1,755mm
全高 1,400mm
WB 2,730mm
車両重量 1,420kg
となっており上のクラスのクラウンよりも少々小さいボディー。
グレードは2.0グランデ レガリア。
クレスタは前期型が好きですが、マークII、チェイサーは後期型が好み。
クレスタよりもフロント部の処理がスラントしているので伸びやかに見えるサイド、チェイサーは実際に短い。
クレスタの全高は1420mmとマークIIよりもたった2cm高いだけですがクレスタよりも随分と低く見えます。
しかし、リアオーバーハングの長い車は伸びやかで良いですね。
恐らく車高の関係でしょうが、クレスタはセンターにルームランプではなくリアのドア上に読書灯が装着されており、使い勝手や夜間の明るさは上ですね。
搭載されるエンジンはお馴染み1G-FE
後期型よりVVT-Iが装備され、サウンド的には前期に軍配ですが扱いやすさは後期に軍配。
タイヤサイズは195/65R15
何だかんだ言ってこのくらいが一番ちょうどいい。
うーん、トヨタ車ですね~
まだまだ、カーナビが主流でなかった頃の設計ですのでオーディオの位置は低め。
このステアリングホイールの形状、カローラ、ウィンダム、イプサムなどに共通して採用され、90年代後半のトヨタを象徴するデザインです。
本車両はレガリアの為、ステアリングは木目のコンビハンドル。
ダッシュボードも低く取り回しは良好。
前期型の方が木目パネルの色合いが暗めなので落ち着き度でいったら上で、もう少しパネルの面積が少ない方が良いかな?
また、収納類もシートベルト警告灯やヘッドライトのレベライザーが装備されずポケットになっている前期の方がわずかに優勢。
ご覧の通り、視界は良好。
ボンネットが見渡せフェンダーマーカーがありますので、どこでもスイスイ。
このフォント、この色合いのメーターを見ると、あぁトヨタ車。
この距離ならばオーナーが運転を引退するまで乗れるでしょう。
エアコンパネルはクラセダの時にも書きましたが、同時期のトヨタ車のカリーナ、クラウンなどもこのレイアウトで、トヨタ車に慣れると無意識に操作できる操作系。
ただし空調は設計年次のせいもありますが、クリーンエアフィルターが無いのは不満かな。
取り外し可能なカップホルダーはペットボトルを入れるには少々役不足。
ご覧の通り、カップホルダー、小物入れの蓋はスライド式でしかも起毛処理されております。
この車はレガリアなので特別装備のスエード調のシート。
このシートは日焼けしやすいんですよね…
フロント運転席はご覧の通りパワーシート。
シート自体も柔らかく、路面からの衝撃をしっかりと吸収してくれます。
背面も私の場合、肩までしっかりとシートの高さがありますので疲れにくく、パワーシートなので細かくポジションが設定でき、
ご覧のように電動ではありませんが、チルト、テレスコが装備されますので細かくドライビングポジションを設定できます。
着座位置は110マークIIや240アリオンを知ってしまうとポジションを一番上にしても物凄く低く感じます。
ハンドリリース式パーキングブレーキも高級車ならではの物で私的に萌えポイント。
クラウンもそうですが、信号待ちの際にあえてパーキングブレーキを掛けたくなりますw
ドアトリム。
ファブリックの面積が多めで90系と似た雰囲気。
木目パネルの質感は90系の方が上かな?
リアシート。
レガリアはヘッドレストは固定式でアームレストにはボックスは装備されません。
リアドアトリム。
ハードトップならではのサッシのないドアは解放感抜群。
しかし、それと引き換えにドア開閉音の重厚さはありません。
私のポジションでこんな感じで、
頭上空間は狭いですが、ご覧の通り足元は広々です。
グランデGを見てしまうと、ウーハーもエアピュリもなく寂しいリアボード。
今は無きブロンズガラスが良い感じ。
フロントガラスのボカシもこんな感じ、私だけかもしれませんが、午後の陽射しをブロンズガラス越しに見るとグリーンガラスよりも何故か眠くなる…
トランクルーム。
81、71の奥行きのあるトランクを見てしまうと狭く見えますがそれでも大容量。
バンパー上から開くので重たい荷物も楽々収納。
走行性能は
静粛性は全体的にNVHを良く抑えてありますがHTの為、Aピラー付近の風切り音が少々目立つかな?
そんな走行性能を一言で言うと…
この車はとてもバランスの良い車です。
巷では1G-FE搭載のモデルは鈍亀など言われますが後期型のVVT-I搭載モデルはそんな事はありません。
1500kg以内のボディーに160馬力のエンジン。必要十分です。
むしろ、軽量な鼻先、200馬力以上の2.5、3.0のJZ系を搭載することを想定し設計されたボディーはリアの剛性感はもう少し欲しい感じがしますが、シャシーがパワーに負けていませんので、癖がなく非常に乗りやすい一台となっております。
6気筒、FR。
普段、SH-AWD搭載のレジェンドに乗っている人間が言う言葉に説得力は無いかもしれませんが電子制御に頼らず車その物の動きをする車は、クラセダの時にも述べましたが、機会があれば、是非とも免許を所得した初心者の方には乗って欲しい。
電動パワステがどんなに進化しても油圧パワステの持つ自然なフィールはまだまだ、及びません。前輪に駆動力がなく、前輪の役割は舵取り操作。
どんなに前輪駆動が進化してもFRの持つ素直で癖の無いフィールは車好きならば違いが解るでしょう。
脚周りもトヨタ車ならではのフワフワした乗り味と良く言われますが、4輪ダブルウィッシュボーンの脚はロールしますが不安になることなく、むしろ粘りますので何の不満もなくワインディングを走行できます。
私は、ある程度のロールは車の動きを知り、限界を知る上で大切だと考えておりますのでロールは必ずしも悪とは思いません。
車としてのクイックさはあまりなく、運転に刺激はありませんが、この車はこれで良いのです。
私個人としましては車はある程度の遊び、緩さがあった方が力まず運転できて楽です。
遊びの少ないスポーツ性能の高い車は運転していてもちろん楽しいですが、あまりにも過敏過ぎるとハンドル操作などに神経を使い、私は人を乗せて長距離を運転するのは、むしろ疲れます。
また、スポーツ性能の高い脚回りは必然的に固くなり、運転者以外の乗員の快適性を阻害しているようにも感じます。
以前ご紹介したゴルフGTIが良い例で運転している分には楽しくとも乗せてもらっている人間は決して快適とは言えない物でした。
この車は乗る人を柔らかなシートと柔らかな乗り味と共に優しく包み込む。そんな感じです。
古くからの日本の高級車の乗り味である衝撃をフワッといなす乗り味。
近頃の高剛性ボディーの高級セダンとはまた、違う乗り味ですが、ただフワフワとした乗り味ではなく、段差の多い田舎道でも乗員を優しく運び、車としての重要な使命である、乗っている人間を快適に運ぶ。そういった面では最近の車にはない魅力を持っています。私が好きな現行カムリも似たような感じで、TNGA以前のトヨタ車の何処か中途半端な乗り味ではなく、運転する楽しさをある程度確保しながら乗員には安楽なる移動を提供する。
TNGAになってからのトヨタ車は一時期失いつつあったこのバランスを取り戻したような気がします。
運転手の運転の楽しさと乗員の快適性を上手いこと両立しているのがこの頃のトヨタ車の持つ魅力ではないかと思っています。
登場から20年以上経過しても、街で見かけることの多い100系シリーズ。
110系~120系カローラと同様に車としての居住性能、使い勝手、安定性は次期型の110系の方が優れますが、乗り味は100系の方が癖がなく上だと思います。うまく表現できませんが、100系の持つ、何とも言えないバランスの良さは110系には無い魅力があり、今回のマークIIのオーナーのようにこの車でなくてはならない。そういった人が多く存在し、大切に乗っているのではないかと私は考えます。
私自身、この頃のトヨタ車、150系クラウン、100系マークII、プログレなどの車は何故か癖になってしまうんですよね。
走行性能は間違いなく最近の車の方が優れるのですが、それには変えられないしっとりとした乗り味、温もりと優しさをこの世代のトヨタ車は持っています。
この車が240万程度で購入できた時代は良い時代であったなと今回、じっくりとマークIIに触れて思いました。