やっとお会いできたみん友さんHerman038さんのクラウン マジェスタです。
この車両はHerman038さんの拘りが詰まった唯一無二の一台です。
Herman038さんは車の趣向、段差をよける運転など私と同じ匂いがプンプンするお方でしたw
今回はエンジンルームやこの車の最大の特徴を撮り忘れてしまいましたが、私の大好きな世代の車ですのでご紹介します。
「この車はまずオーナーを誇りたい」
私はこの言葉通り本車両のオーナーを誇りたいw
本車両はH8年式の前期モデル。
大きめのグリルですがなぜか威圧感を感じることなく、後期のキラキラしたヘッドライトではないのでどこか優しい顔立ち。
13クラウンや17マジェスタのような派手さはありませんが14、15クラウン及びマジェスタの控えめなデザインはニッポンの侘び寂びを感じられる奥ゆかしい物。
ボディーサイズは
全長 4,900mm
全幅 1,795mm
全高 1,430mm
WB 2,780mm
ヘッドライトが前期のガラス製の物は曇り知らずでピカピカなボディーと相まって22年前の車ということを感じさせません。
また、同じこと言っているよと思われるかも知れませんがボンネットが見渡せフェンダーマーカーが装備されているので取り回しは良好で私のクラウンセダンと変わらない感覚で運転できます。
17マジェスタの時ににも述べましたがマジェスタのアイデンティティーとなった縦長のテール。初代クラウンを彷彿させるリアもフロント同様に飾らない美しさがあります。
本車両は寒冷地仕様のためリアにフォグランプが装備。
また、ただの寒冷地仕様ではなくi-Fourでしかも4WS仕様は滅多にお目にかかれる代物ではありません。
良く見ると複雑な形をしたトランクパネル。
オーナーにより施工されたレザートップ。
和を感じさせながらも縦長のテールでどこかアメ車を彷彿とさせる15マジェスタに良くマッチしています。
14.15両クラウンは濃紺が良く似合う。
ボディー同色のCピラーエンブレムもオシャレ。
タイヤサイズは215/60R16
まだまだ新しいヨコハマのアドバン db V552はN-WGNにも履かていますが良いタイヤです。
4WDモデルは二駆モデルの切削加工のアルミではなく14アリストと同様の16インチの物でスポークが少ないのでロイヤルツーリングの16インチのようにどこかスポーティー。
なぜか知らないが同じく四駆モデルでもHTとセダンは通常のアルミなのになぜかマジェスタはこのタイプ。17も同様で通常のアルミではなにか不都合があるのか気になるところ。
やはり1UZだからかな?
14のシンプルでラウンド気味のインパネと異なりやや立ち気味のインパネは15シリーズ共通のレイアウトですが、触れた際の質感はセダンとマジェスタは別物でよりふっくらとしたソフトパッドはHTとも別物。
直線基調の中にも柔らかな曲線を描くダッシュボードなど90年代のトヨタ車全体のデザインテイスト。
一世風靡したデジパネことエレクトロニックディスプレイメーターの最終形態。
ODOメーターまでデジタルでアナログな点はありません。13などを始めとする80年代のデジパネや同時期の100系兄弟とは違い、14,15クラウン、ソアラのデジパネは緑とも黄色とも電球色とも違った不思議な色合い。
夜間は13のデジパネのような派手さはありませんが、昼間は13のデジパネに視野性は軍配ですが夜は目に優しい本車両のメータが好み。
マルチレスモデルのデッキ及びエアコンの操作パネルのスイッチ類の多さは古き良き高級車のインパネその物で夜は最終世代のデジパネと共にトヨタグリーンのイルミで照らされたスイッチには萌える。
あたたかな電球色のルームランプに照らされた車内はクラウン独特の香りと相まってクラウンの世界観がマシ×2。
LEDには出せない温かみのある電球のフットライト、室内は高級ホテルを思わせます。
運転席。
見た感じは同じくジャガードモケット地のGXS12と同じように見えますが、こちらの座面は前者と異なりとてもフワッとした物。この手のシートは好みが分れますが、シートとしての性能云々よりも座った瞬間から良い車に乗っているんだと感じさせます。
ちなみに私は硬めのシートよりもフワッと路面からの振動を吸収するシートは大好物。
パワーシートはおなじみの装備。
寒冷地仕様なのでアクセルペダルは吊り下げ式。
素人目に寒冷地仕様と一番わかりやすいポイントではないかな。
15マジェスタ及びロイヤルで特徴的なのはドアトリム。セダンはGXS12と同じような形状ですが、クラウンお約束のトランクオープンナースイッチはそのままにマジェスタ、ロイヤルはトリムの上部までシートと同じジャガードモケットが貼られております。
セダン系とは異なりHTとマジェスタはドアマンドルも同色プラではなくメッキ品。
リアシート
ハーフシートカバーと電動カーテン、リアピロー、カップホルダー始めとする希少オプションの類。
オプションカタログから出てきたような本車両、
素晴らしい。
リアパワーシートは座面までスライドする物で、ただ背面のみスライドするよりもゆったりと寛ぐことができ静かな車内と柔らかなシートと相まって同乗者にはこの上ない移動空間を与えてくれます。
革シートのそれとは違ったジャガードモケットの柔らかく包み込むような座り心地は現在の高級車とは違った独自の世界観です。
リアの読書灯も可動式で手元を的確に照らしてくれます。
毎度恒例の運転席側の足元スペースはこんな感じ。
リアエアコンとセットのエアピュリファイヤーがリアボードに鎮座する構図が好きな人は私以外にも好きな人が多いでしょう。
リアに座って微かに聞こえるエアピュリ作動音に萌えるあなたは立派なマニアです。現在のイオン発生器とは違い仕事してまっせと感じさせるエアピュリが最近の高級車では搭載されなくなってきているのは残念。
クリーンエアフィルターを搭載していても車内の空気って案外汚れているんですよ。
レジェンドに搭載した光クリエールで良くわかりました。
走行性能は一言で言いますと私の知っているマジェスタとは全く別物でした。
4WDなのはもちろんの事、実は4WS初体験だった私は驚きの連続でした。
良くも悪くもFR+1UZのトルクに任せたスーッと進む感じではなく発進時とステアリングから伝わる感覚は4WDならではの非常にずっしりとした安定感のある物で15クラウンに感じる軽さはなく非常に重厚感のあるものでした。
4WS搭載の本マジェスタは4WDにもかかわらず最小半径5.2mと通常モデルよりも小さい値で私のGXS12よりも小さい。切り始めはFRマジェスタと違い曲がらない印象ですが4WSが効き始めるとあら不思議、今まで感じたことの無い何かを後ろから感じます。
慣れもあると思いますがもう少しブレーキが利くと良いかな?
FRマジェスタと違い本車両は人がねじ伏せる車ではなく安定して車自体が良い意味でレジェンド同様にドライバーを乗せてくれる物です。
何と言うんでしょうか人主体か車が主体かという感じかな?
15系シリーズで唯一4輪ダブルウイッシュボーン+エアサスを搭載したマジェスタの乗り味は17マジェスタのエアサスよりもしっかりとした乗り味。
13クラウンの発展途上の観光バスのような、ただ柔らかいサスとは違うもの。
90年代から00年代初期のトヨタでおなじみのスカイフックTEMS理論の足回りは同じく柔らかなトヨタ車の100系、コイルサスモデルの15系とは異なる物で縦方向は普通に揺れますが、横方向のロールが抑えられ、4WSと相まってゼロクラ以前のモデルの中ではかなり高レベルな足回りではないでしょうか?
15系は軽いボディーと相まって歴代クラウンでもかなり軽快に走る(ステアリングなどのクイックさではない)車ですが個人的に15よりも柔らかな足回りの17や他の15と比べると見た目からは想像できない動きに驚かされました。
同じシャシでも2.0の1G-FEから4.0の1UZ-FEを乗り比べることのできる15、17は本当にエンジンによって車の性格が変わるから面白い。本マジェスタの後にみん友さんの2.5L4WS無しの4WDクラウンセダンに乗せてもらったがシフトレバーをDにしブレーキペダルから足を離しステアリングを切り始めた時から違いが分かり、i-Fourではない2.5の方が4WSがない為なのかより4WDを感じることができます。
最後に
14.15クラウン開発主査である渡邉氏が開発したクラウンはバブル時代の派手さはなく、悪く言えば地味な印象ですが、12,13の今泉氏が開発したクラウンよりもよりパーソナル志向が強まり、これまでの豪華絢爛なクラウンとはまた違った新たなクラウンを作り上げ、後のアスリート、ゼロクラウンへの礎を築き上げた2台だと思っています。ステアリングやシフトレバーの感触にクラウンの美点である滑らかさを残しながら、フレームクラウンとは異なる軽快な乗り味を与え、新たにドライバーズクラウンとしてのキャラクターを作り上げた功績は非常に大きい物であると思っています。
究極な安楽ビークルクラウンに最近のクラウンのような安定感を提供した本車両の乗り味、フィーリングはクラウン好きには何とも言えない欲張りな車でした。
また、機会があればゆっくりと味わいたいそんな車でした。